ダンジョンにポケモンの技使いがいるのは間違いなく間違っている 作:白菜を身にまとった生命体
「…あっ、そこの白髪!」
「ん?ってアーニャさん」
前回から3日後、ベルは新しく剣を買ってダンジョンに挑んでいた。単身ながらもう8階層まで足を進めており、今日は祭りがあると言うことでダンジョンには行っていなかった。
そんな中、【豊穣の女主人】のウェイトレスがベルに話しかけた。
「何かあったんですか?あと、俺はベルです」
「分かってるニャ。で、用件はこれニャ」
アーニャはそう言ってベルにがま口財布を渡す。
「…誰のですか?」
「シルのニャ。店番サボって祭りを見に行ったら財布忘れてたから渡してきて欲しいニャ」
「シルさんがサボり?」
「正確には休みだけどニャ」
「サボりじゃないですね…わかりました…というか、リューさんは?」
「リューなら忙しいニャ」
「まぁ、そうですよね…それじゃあ渡してきます。あとサボってるとミアさんの拳骨が来ますよ!」
ベルはそう言うとがま口財布をポケットにしまい、シルを探しに向かった。
『…財布…忘れ…怪物祭…あっ(察し)』
『流石にそれはない…はず』
ー
その道中、ベルは近道の路地裏で小人族の少女が数人の男性に足蹴にされている場面を見る。
「『エレキネット』」
ベルは数人の冒険者達に向けて電気で作られたネットを浴びせ動きを封じつつ麻痺で気絶させる。
「大丈夫?」
「…はい、大丈夫です」
「なら良かった。このポーションを使って」
「…ですが」
「ポーションならまだあるからってごめん、ちょっと用事があるからこれで!」
ベルは小人族の少女にポーションを渡すとその場から離れた。
「…次は…あの人…」
『…あれで麻痺するのか』
『まぁ、ポケモン基準で考えない方がいいですからね』
ー
怪物祭
それは大雑把に言えばダンジョンで捕まえたモンスターを大衆の前で見せるという祭り。オラリオの民はそれに見慣れており、誰も『何故そんな危険なことを行うか』という疑問に気づかない祭りだが、捕まえたモンスターを集めている場所にある女性が入ってくる。
その女性を見たモンスターは暴れるが、女性が放った魅了によって大人しくなる。
「あなたたちにはやってもらいたいことがあるの。そんな難しいことじゃないわ…銀髪の子を狙いなさい…そして、彼の…ベルを輝かせなさい」
そう女性は言って檻を開けると、女性はそのまま消え去った。
それから数分後、モンスターが脱走した。
ー
そんなことが起こる数分前
「あっ、シルさん!」
「ベルさん!」
『…ん?なんか違う…違わない?』
『…別のシルか?2人いるのか?』
『まさかのダブル…フレイヤにはかなりやばい眷属のが居るのかな?』
『居すぎなんだよなぁ…』
(えっ、じゃあこのシルさんは…)
『まぁ、シルであるのは確かだ…とりあえず、あんまり考えるなよ』
(でも…)
『まぁ、今は危害がないから大丈夫だ』
「あの、どうしたんですか?」
「あっ、アーニャさんからこれを」
ベルはそう言ってシルのがま口財布を渡す。
「あっ…もしかして忘れてましたか?」
「はい…」
「ごめんなさいベルさん!お手を煩わせちゃって…」
「いえ、今日は暇だったのd…シルさん、後ろに下がって」
「えっ?はい…」
シルは突如空気が変わったベルを見て後ろに下がる。それと同時に、モンスターの咆哮が辺りに響いた。
次回 美女神が起こしたパニックタイム