【完】転生したら倒産確定地方トレセン学園の経営者になってた件   作:ホッケ貝

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エセ理事長、湖畔に立つ

 太陽の光を遮る雲がない真っ青な空模様、白い野うさぎと見分けがつかないほど真っ白な雪は太陽の光を反射させて、せっかくの雪景色観賞を邪魔するが如く老眼に直接ダメージを与える。

 雪の反射はなまらエグい(道民並感)

 

「ゲホッゲホッ!…さっぽろ湖はちゃんと凍ってるな」

 

 目を細め、眉辺りに手を横に当てて直射日光を防ぎつつ、ガッチリ凍ったさっぽろ湖を見る。

 阿寒湖や支笏湖のような二の舞にならんくて良かったぁ…と安堵する。

 計画はなんとかなりそうだ。

 

 その後、車と徒歩両方の移動手段を使いつつ、湖周辺を自らの足を使って視察して、自分自身で問題点を洗い出そうとする。もちろん、ちゃんと土地の所有者に許可を貰ったうえでだ。

 

 全貌が氷のように朧気だった氷上レースプロジェクトは、時が経つにつれ、現場や重鎮、そして俺自身の頑張りによってより明確なものになっていく。

 

 例えば、旅行代理店や観光会社、そして現場等様々なところとの折り合いの結果、氷上レースは2月の第一、第二土曜日に14レース行う事となった。

 

 第一、第二共に一日に7レース行う予定である。

 

 なぜこのようなレース編成にしたのかと言うと、まず、従来のような仕事や学業終わりの地元客向けではなく、休暇を使って国内外から訪れる観光客向けを想定しているため、いつもの平日開催ではない土曜日という休日開催にあえてしたのだ。

 

 つまり、氷上レースという独自性の塊なら観光しに来る人の方が多いよねってことだ。

 

 また、開催時間はお昼から夕方までを目処にしている。

 

 本当は「星空に映えるホワイトターフ!」的な感じでライトアップと共に売り出すためにナイター開催にしたかったが、さっぽろ雪まつりや旅行会社、そして警備会社との兼ね合いで太陽が出ている時間に開催する事となった。

 

 そうなった理由は、主に二つある。

 

 一つ目の理由は、さっぽろ雪まつりとセットにした観光ルートを組む事になったからだ。

 

 さっぽろ雪まつりとは、主に札幌市の中心部にある大通り公園で行われる祭りで、時計台のような建築物や流行りのアニメキャラクターなど個性豊かな雪像が作られる事で、世界的に有名な雪まつりである。

 

 土地の実質的な所有者である行政に土地(湖)を使用する見返りかつこちらもより儲ける為に、すでにネームバリューがあるさっぽろ雪まつりとセットにした観光ルートを作る事にしたのである。

 

 ちなみに、飛行機などで北海道へ来た後、そこから移動してお昼に氷上レースを観戦し、夜にはライトアップされた雪まつりに訪れるというルートが想定されており、ツアー会社はそのような大枠を元にツアー内容を考えている。

 

 二つ目の理由は、森のど真ん中でなおかつ雪が積もってて夜間という立地上、警備がかなり厳しい事が予想されるからである。

 

 そもそも、ダム湖であるさっぽろ湖の周りはほぼ森という立地であり、夜で真っ暗な森の中にヤバい不審者や動物が潜んでいてもすぐに気づく事が難しいという視認性の観点から「これは厳しいかと…」と警備会社や警察から難色を示されたため、やむを得ず昼間にずらさなければならなかったのである。

 

 かくして、"さっぽろ雪まつりに合わせる"と"警備上の問題"という二つの理由が良くも悪くもにマッチしたことで、第一、第二土曜日のお昼頃に開催という流れになったのである。

 

 そして、今回のプロジェクトでは現在においてかなり先進的な試みを取り入れる予定である。

 

 それはずばり、"入場料無料化"である。

 

 ホッカイドウシリーズのレース場の入場料は、どこでも一律100円というのが普通である。

 

 ではなぜ、氷上レース場は入場料無料なのか?

 

 あえて無料化して客を大量に呼び込むことで、グッズ販売と屋台の利益をフル稼働させることで本来得られたはずの入場料を回収するというのが大きな理由だが、実は、森のど真ん中という立地上、やろうと思えばどこからでも侵入できるという問題も理由の一つなのである。

 警備キツすぎんよ(360度森)

 

 ケチる為に冬の山を越えるヤベーやつはそんなに多くはないだろうが、もうこの際だから吹っ切れた方がかえって利益に繋がるかもしれないという訳で無料化という極めて思いきった策に踏み込んだのである。

 

 レースに関して、もう少し詳しく踏み込める事がある。

 

 それは、レースの内容だ。

 前半は普通のよりも高い価格設定の個人協賛レース(条件級)を開催し、後半にリステッドやオープン級のレースを前座として挟んだあと、第一土曜日にはG3~2、第二土曜日にはG1レースを開催する予定だ。

 

 重賞の名前は現在民間で公募しており、まもなく募集を終わらせて集計作業に入る予定である。

 

「よし、もうひと頑張りだ!」

 

 ポツンと一人、夕暮れ時の湖畔に佇んで自分自身を鼓舞して、車に乗り込む。

 

 かくして、新たな挑戦と新しいレースの構築に向けて、プロジェクトは続くのであった。

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