【完】転生したら倒産確定地方トレセン学園の経営者になってた件 作:ホッケ貝
「おかーちゃん!大変だよ!あそこの道のところで人が倒れてるよ!!」
子の報せを聞いた牧場の女主は、ガタンと椅子を飛ばして立ち上がる。
「スペ!それは本当なのかい?!もしかして、その人っておじさん!?」
「うん!頭を抱えて横になってたよ!」
「そんな……」
もしかしたら、"あのお方"が倒れたのではないか?と、連想される最悪の事態に、牧場主は血の気が引くような思いをする。
そういうことがあってか、考えがまとまるよりも早く体が動いた。
・・・
「……あ、あれ?」
目覚めると病室だった。
一瞬また転生したのかと思ったが、体はいつも通りの老体なので、これが転生ではないことを確認する。こんな確認の仕方があってたまるかチキショー!
まぁ、そんなツッコミはさておき、とりあえず目が覚めたことを知らせるため、これで対応が合っているのかどうかよく分からないものの、合っていることを信じてナースコールのボタンをギュッと押す。
それから間もなくして、ベテランであることが窺える顔ぶれの看護婦と医者が病室に入ってくる。
「目覚めましたか」
「は、はい…」
「とりあえず、何か体に違和感とかありませんか?」
「……強いていうのならば、頭がまだボワーッとしているって感じですね」
「そうですか……ふむふむ、わかりました」
そんな感じで、俺と医者は淡々と会話を進める。
んで、その過程で俺が倒れた原因が判明する。
俺が倒れた原因…それは、過労だった。
…いや、厳密に言えば、過労由来の高血圧による意識障害なのでは?という憶測であり、まだ過労と決まった訳ではない。これから、より詳しく検査する必要があるとのことだ。
ただ、普段の生活から思い当たるところがあまりにも多過ぎて、それがほぼ確信に近いところまで来ているのだ。
思えば、今日も昨日もこれまでも、かなり不規則な睡眠を繰り返してきたし、旨い&手軽だからという理由でカップ麺や糖分たっぷりなジュースを飲んだり、挙げ句の果てには喫煙や飲酒を何十年に渡って繰り返したりなど、そらそうなるわなと諦めに近い形で納得する。
とりあえず休むべき。じゃないと再発するかもしれないと医者から警告される。
しかもたいへん恐ろしい事に、今後再発したら、助からないかもしれないと医者が断言する。なんと、脳卒中やくも膜下出血といった突然死のリスクがあるのだとか。
「えっ」
と、呆気ない声を上げて俺は絶句する。
そんなにもヤバい段階に来てしまったのかと絶望するが、既に遅し。例えどれ程今までの生活を悔やんでも、二度と健康体には戻らない。
そして、来るその時に備えて"最後の義務"を完遂しなければならないことを、俺は悟った。
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