【完】転生したら倒産確定地方トレセン学園の経営者になってた件   作:ホッケ貝

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ぶっちゃけ物語の時系列的に伸ばせる所がないのと、下手に伸ばしたらダレるなと思ってテンポ重視と繋ぎの意図を込めて今話は短くなっています。


エセ理事長、数字の波に飲み込まれる

よいこのみんな、元気してるかい

 

ところで、冬って言ったらどんなイベントが思い浮かぶかな?

 

サンタさんがプレゼントを運んでくれるクリスマス?

 

年明けを祝うお正月?

 

好きな人にチョコレートを送るバレンタイン?

 

みんなはどんなイベントが思い浮かぶかな?

 

そうだね確定申告だよね(ネイチャァ)

 

「ぬぁぁぁんもぉぉぉん疲れたもぉぉぉん!!!」

 

なんやねんいきなりやるべき事が多くなるっておかしいやろもうちょっと頻度考えられんのかほらさダムの放水みたいに一気にドバーッ!て来るんじゃなくてハドソン川の下流並みに穏やかに流れてきてほs

 

「はぁ、はぁ、……ヨシッ!(現場猫)キチゲ発散完了!」

 

ストレスが貯まりすぎると奇行に走るよね……って事は置いておいて、ちょっと山場を乗り越えたのかなって一瞬頭の中を過った秋もつかの間、また仕事が次から次へと舞い込んでくる日々に逆戻りだ。

 

体験入学に来た小中学生から募ったアンケートに加えて、一般の観客向けのものや、街中に設置したもの、最後に我が校の生徒や職員の現状の不満や改善してほしい事を綴ったアンケートの再検証など、適切な改革の策を打つために情報を集めようとした結果、とてつもない量のアンケート量になってしまったのである。

 

アンケート、アンケート、アンケート……

 

頭の中にずっとこの単語が羅列しているせいで、軽くゲシュタルト崩壊を引き起こしそうになる。

 

あれやこれやとアンケートや数字とにらめっこをし続ける艱難辛苦に打ち耐えること幾星霜、今度はアンケートの集計結果を元に改革案を立案する作業に入る。

 

顧客からの要望、通せんぼする予算…両者一歩も引かない世紀の矛盾(ほこたて)対決の末(こんなにも大っぴらに表現しているが、ただの会議である)、来年度の予算案と実行する改革を決定する。

 

やっとおしまい!閉廷!……と行きたい所だったのだが、ここに来てなんと"確定申告"が立ち塞がるのである!!

 

 

 

そして、今に至るという訳だ。

 

もうそろそろで、雪解けの季節がやって来る。

それと同時に、更新された制服と共に新しい生徒を迎える準備をしなければならない。

計算と徹底的な準備に次ぐ準備、そして実行と、前世では味わうことのない形の苦労に、この老練な体が悲鳴を上げる。

 

なんだかんだ言って、この世界に転生してからあともう少しで一年になる。

……と言うのに、あまり実感が沸かない。

なんというか、とてつもない速さで時間が進んでいるような気がするのだ。

 

ウマ娘世界なんだから、ウマ娘やトレーナーにでも転生して、中央で活躍する古典的な転生生活が始まるのかと思っていたが、実際はどこの馬の骨かも分からないおっさんに転生して、今や潰れ掛けの地方トレセン学園を再建しようとしている真っ只中だ。

 

これまで実施してきた小さな改革は、まだ成果を表していない。

その結果の有無は、春から始まる来年度に明らかになるだろう。

 

俺の果てしない戦いは、まだまだ続く。

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