伸元お兄さんと舞白ちゃん(PSYCHO-PASS)   作:鈴夢

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突然の…

 

 

 

 

部屋の隅で睨み合う2人

少女はこくりと頷くとはっきりとした口調で

指示を出す

 

 

「ダイム!お座り!」

 

「ワォンっ!」

 

 

すっかりダイムを手懐けた舞白

両手を腰に当て狡噛達に自慢げに見せつける

 

 

「ダイム!お座りしてくれた!」

 

嬉しくてたまらない様子で課題を進める2人の傍に駆け寄ると

狡噛が頭をポンポンと撫でる

 

「よく短時間で手懐けたな」

 

「すごい?すごい!?」

 

きゃはきゃはと喜ぶ舞白

こんなにも動物が好きならばと、宜野座は疑問を投げかける

 

「犬、飼わないのか?

これだけちゃんと面倒を見るなら飼うのも手だと思うが?」

 

再びダイムの元へと戻る舞白の後ろ姿を目で追うと

狡噛は片手に持っていた参考書をテーブルに置く

 

「飼ってやりたいのは山々だが

さすがに俺と舞白だけだと面倒を見るのは難しい

それに経済的にもそんなに余裕があるわけじゃない…

……そんな状況で飼うと、被害を被るのはその動物だからな」

 

「なるほどな……」

 

「だから、こうやってまたたまにダイムを連れて遊びに来てくれ

そうしたら舞白も喜ぶ」

 

 

幼い頃に両親を亡くし

両親の記憶を殆ど持たないまま育ってきた舞白

なんとか親戚や、存命している祖母に助けてもらいながら

唯一両親が残してくれたこの家に住み続けている2人

本来ならもっとやりたい事や叶えてやりたい事だらけだが

さすがに限界もある

 

「早くもっと俺が自立して

そうすればもっとマシな生活が出来るはずなんだ

シビュラの職能適性に俺は人生をかけてるよ」

 

全国の学力考査で早速全国1位を叩き出した狡噛

何をそんなに彼をそこまで奮い立たせるのか

正直宜野座は分かっていなかった

恐らくは、妹の為にと考えているのだろう

 

 

「逆に俺はお前が羨ましいよ

…そうやって何か守るものがあって、目標に出来るものがある事を」

 

宜野座も母親は他界しており、血縁者は父親のみ

しかし父親は潜在犯落ちしており

周りから阻害されていた彼にとっては

まさに狡噛と舞白のような関係性は憧れだった

 

「そんな顔すんなよ、ギノ

また不良に絡まれるぞ?」

 

「煩い……」

 

高校でさらに距離が縮まったきっかけは

宜野座がタチの悪い連中に絡まれ、それを助けた狡噛

その事を掘り返されると微かに表情を曇らせた

 

 

「もう15時か……そろそろ休憩……」

 

狡噛が時計を目にして手を止めた瞬間

電話が鳴り響く

 

その電話は

祖母が倒れたという連絡だった

 

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

 

 

 

 

 

 

「舞白もおばあちゃんに会いに行きたい!」

 

部屋着から外着へと着替える狡噛の後をついてまわり

駄々をこねる舞白

 

 

「ダメだ、運ばれた病院はかなり遠いし

緊急手術になればかなり時間が掛かる

……ドローンがいるから大丈夫だろ?」

 

「…………でも、ドローン……

……つまんない……」

 

「いつものお留守番と変わらない、な?

お兄ちゃんの部屋の本、好きに読んでもいいし

晩飯もあるし……」

 

むぅ、っと残念そうな表情を浮かべ

それ以上反論しない舞白

 

「ギノも悪いな、せっかく来てくれたのに

…また遊びに来てくれ」

 

ガックリと肩を落とす舞白の後ろ姿

普通の同じ年頃の女の子ならもっと駄々をこねるはずだと

 

驚くほど大人しく兄の言葉に従う姿に

宜野座は声をかけずにはいられなかった

 

 

「なぁ、狡噛

もしよかったら俺がこのまま舞白ちゃんと家にいても問題ないか?」

 

予想外の言葉に驚く狡噛

さすがに申し訳ないと断りを入れる

 

「いつ帰って来れるか分からないし、さすがに大丈夫だ

舞白も留守番は慣れてる、だから……」

 

「どうせ俺も帰ったらダイムと2人っきりだ

予定も何も無いし、いいだろう?」

 

宜野座は傍らに座るダイムの頭を撫で、狡噛に目を向ける

そんな姿を見て狡噛は小さくため息を吐く

 

 

 

「……任せていいか?」

 

「大丈夫だ、子守りくらいどうって事ない」

 

2人のやり取りを見て何となく宜野座が家に残ってくれると察するとさっきまで寂しそうだった舞白の表情が明るくなっていく

 

 

「悪いな、ギノ

家のものは好きに使ってくれたらいい

晩飯もカレーの残りでもオートサーバーでも……」

 

あれこれ説明し終えると

狡噛は荷物を手に取り急ぎ足で玄関へと向かう

 

「いいな?舞白

2人に迷惑かけないように、いい子にするんだぞ」

 

「大丈夫!」

 

「できるだけ早く帰ってくるから

…もし風呂の時間までに戻ってこなかったら……」

 

歯を磨けだの、課題を進めろだの

心配性すぎるのか細かく舞白に言いつける姿は

まるで母親のようだった

 

 

「じゃあ頼んだ、

何かあったらすぐ連絡してくれ」

 

「分かった、お前も道中気をつけろよ」

 

狡噛は手をパッと上げると家から出ていく

 

静かになる室内

宜野座は子守りをすると言ったものの

突然舞白と2人っきりになるとやけに緊張していた

 

 

「((……とは言ったものの……

……幼い女の子の扱いは慣れてないぞ……))」

 

今更不安になる宜野座をよそに

舞白は手を引くと嬉しさを滲み出す

 

「ノブ兄ちゃん!舞白、おままごとしたい!

舞白とダイムとノブ兄ちゃんで!」

 

「あ、あぁ……勿論……」

 

 

「クゥン…………」

 

さっきまで落ち込んでいた姿はどこへやら

大人しく座っていると考えていた宜野座の考えは甘かった

ダイムも心配そうに主を見つめていた

 

 

 

・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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