伸元お兄さんと舞白ちゃん(PSYCHO-PASS) 作:鈴夢
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「((……ナメていた……))」
あれからというもの
ままごとに、かくれんぼに、お絵描きに…
休む間もなく遊び続ける舞白に付き合い続ける宜野座
今はおやつとして持ってきていたケーキを食べ
ひたすら止まらない会話の相手をする
「ノブ兄ちゃん、食べ終わったら一緒に夏休みの宿題やるの手伝って!」
「勿論だ
……宿題ってこれか?」
テーブルの隅に置かれたテキスト
各科目別に何冊か教材が置いてあり
タブレット端末用のデータも置かれていた
「なかなかの量だな、本当に小学生の宿題の課題の量か?」
パラパラと捲ると
そこそこレベルの高い内容だと気づく
そしてテキストの発行元の学校名を見て目を見開く
「港区立新麻布小学校…って」
「私が通ってる小学校!」
ショートケーキのクリームを頬につけたまま
テキストのマークを指さす
新麻布小学校、高等教育過程までエスカレーター式の有名な私立の教育機関
簡単に入れる場所ではなく、シビュラ適正で認定されないと入学不可だと耳にしたことがあった
「舞白、小学校好き!
大きな図書館があって、本も沢山読めるし
勉強も楽しい!あとね、空手クラブにも入っててね
この前試合で優勝したの!」
随分おしゃべりでただの天真爛漫な少女だと
ただそれだけだと思っていたが
あの狡噛の妹、並外れた知能や身体能力、
他の同い年の子たちとどこか違っているらしい
へへへへっとケーキを食べながら笑みを浮かべる舞白
口の周りをクリームまみれにしていれば
それでもどこか抜けているような姿に思わず宜野座も笑いを零す
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それから外がオレンジ色に染まるまで舞白の課題に付き合う
ダイムも大人しく傍らでごろりと床に転がればリラックスしているようだった
「……そう、合ってる」
「この式は?合ってる?」
「うん、……全問正解だな」
特に教える必要はなくスラスラと答えると
改めてIQの高さに宜野座は感銘を受けていた
集中力もあり真面目な姿、先程の姿からは想像すらできない
すると宜野座にメールが届く
相手は狡噛だった
"戻るのは深夜になりそうだ
舞白に構わず帰っても問題ないからな"
どうやら緊急手術が長引いているらしい
宜野座は返信する
"構わない、お前が戻るまで面倒見ておくよ"
ダイムの食事も持ってきていたし
それに舞白もかなり懐いてくれている様子で
特に問題はなかった
「クゥン……クーーン……」
今まで大人しかったダイムが宜野座に飛びつくと
何かを訴える、散歩に連れていけどせがんでいるようだった
「もう夕方か…
舞白ちゃん、宿題はここまでにして
ダイムと散歩に行かないか?」
「うん!行きたい!」
ぴょんっと椅子から降りると
ダイムにギュッと抱きつく
宜野座は持ってきていた散歩セットを手に取り、ダイムにリードをつけると玄関へと向かう
舞白も家の鍵ロックのデバイスを手にして
宜野座の後を追えば3人は外へと向かった
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外は夕日でオレンジ色に染まり
暑かった日中に比べ涼しい風が吹き、過ごしやすい気候になっていた
ダイムを真ん中に、宜野座がリードを握り
舞白はダイムの体を優しく撫でながら一緒に歩く
「毎日この景色が見れて羨ましいよ」
美しい海岸が目の前に広がる
優しい潮風の香りに波の音
都心では味わえない空間に心地良さを感じていた
「毎日海が見れて楽しいよ!
大きくなってもあのお家にずっといたいんだ!
それでいつか大きいワンちゃんを飼って
かっこいい王子様と暮らすの……」
両手を被せ願うような仕草をする少女
夢物語を語る姿に年相応の幼さを感じると可愛らしく思える
「どんな王子様がいいんだ?」
「うーーん……」
腕を組んで脳内に王子様を浮かべる
「かっこよくて、優しくて、面白くて!
動物が好きで……」
あまりにも高すぎる理想像を次々と口にすると
面白そうに笑みを浮かべる宜野座
「ずーっとそばにいてくれる人!
そんな王子様に会えますように……」
「今はシビュラがちゃんと理想相手を探してくれるさ
心配しなくても舞白ちゃんにはいい人が……」
「違うの!自分で王子様は決めるの!」
ふんっと頬を膨らませ
再びダイムの体に触れる
舞白らしい大人びた発言に少し驚くも
狡噛が願っていたように、
妹に幸せになって欲しいという気持ちが分かる気がした
「……そうだな、自分で
素敵な王子様に会えるように俺も願ってるよ」
この娘が"お年頃"になる頃
兄の狡噛はハラハラするだろうな、なんて兄の姿を想像する
きっとこの娘の未来は明るい、そうであって欲しい
「見て見て!夕日が沈んでく!」
地平線を指さし、浜辺と道を隔てる柵に手を伸ばす
段々と沈んでいく太陽
2人と1匹はその様子を静かに眺めていた
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