伸元お兄さんと舞白ちゃん(PSYCHO-PASS) 作:鈴夢
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散歩を終えて自宅に戻ると
すっかり外は暗くなり
リビングの窓を開けると静かな波の音が聞こえる
「そろそろ晩御飯にするか……」
「お昼のカレー!また食べたい!」
ダイムにギュッと抱きつき
キッチンに立つ宜野座に要望を出す
残りのカレーが入った鍋を火にかけ、グツグツと温め始める
「本当に好きなんだな」
「うん!大好き!
舞白かテスト頑張った時とか、空手の試合頑張った時とか…
いつも作ってくれるの!」
きちんと整理されたキッチン、汚れもなく
いつも綺麗にしているんだな、と
宜野座は狡噛を尊敬していた
自分の学校のことや、今日みたいに親族の事にも気を配り
1人で幼い妹の面倒を見る
なかなか簡単にできることでは無い
そうしているとカレーは温まり
皿にご飯を添えカレールーをかけていく
「……にんじん……ちょっとだけにしてね…」
カウンターに背伸びをして顔を出すと
口元に手を添えてコソコソと話す仕草をする
その姿に思わず笑みを零すと
"お兄ちゃんに怒られるぞ?"といいつつ
少なめに入れる宜野座
嬉しそうにお皿を受け取るとダイムと共にテーブルへ向かう
宜野座も用意をしてテーブルに向かえば
2人は口を揃えて"いただきます"と合掌し
まるで本当の兄妹のように楽しく食事をするのであった
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食事を終え、一緒に片付けを済ませると
舞白はお風呂の時間
自分で着替えを用意しササッと慣れた様子で1人で浴室へと向かう
「随分しっかりした5歳だな」
「ワォン!」
「お前もご飯にしよう
…たまたまだが持ってきておいてよかった……」
カバンから小分けにされたドッグフードを取り出し
器に入れるとダイムは勢いよく食べ進める
すると狡噛から電話が入ると
何事かと慌てて応答する
「もしもし?」
『ギノ、様子が気になって……
あいつ大人しくしてるか?』
「全く問題ない、晩御飯も食べて
今1人で風呂に入ってるところだ」
『そうか、よかった
お前に迷惑をかけてないか心配でな』
「迷惑どころか、しっかりしすぎて何も無い
…手術はどうだ?」
『それが思ったほど長引いててな、
このままいくと明日の始発の電車で戻ることになりそうだ』
予想以上に状況が良くないようで
狡噛もなんとなく焦っている様子が伺えた
「こっちの事は気にするな
今夜はここに泊まらせてもらうよ」
『本当にすまない
着替えは俺のを使え、歯ブラシもストックがあるし
全部舞白が分かってるはずだ……』
「それ以上謝るな、俺もダイムも何だかんだ楽しませてもらってる
…いいから、お前はそっちの事に集中しろ」
『ありがとな、ギノ』
途切れる通話
心配性な奴だな、と口にすれば
視線に気が付き振り向くと
背後でピンクのパジャマ姿の舞白が心配そうに立っていた
「お兄ちゃん、今日帰ってこない?」
「そうみたいだ、どうやらおばあちゃんの手術が長引いてるそうだ」
髪の毛を覆うタオルをギュッと握れば
寂しそうな表情を浮かべる
「もう帰っちゃう?ノブ兄ちゃんとダイム……」
さすがに帰るのだろうか、と思い込む舞白は
"お兄ちゃんが帰ってくるまでここにいて欲しい"と言う訳でもなく
ただただ残念そうにしているだけだった
幼い娘なりに迷惑をかけないようにとしているのが
ひしひしと伝わってくる
「舞白ちゃんがいいなら、今日は俺もダイムも
泊まらせてもらおうと思うんだが……」
"いいかな?"と問いかけると
即座に表情を明るくする舞白
「やったー!お泊まり会!
ダイムと一緒に寝てもいい?」
「全然構わないが……」
おそらく毛まみれになるだろうと思うも
大喜びする舞白を横目に拒否する訳には、と言葉を止める
食事を終えてリラックスした様子のダイムに抱きつくと
髪の毛がかなり濡れていることに気がつく
「髪の毛、乾かさないと……風邪をひく…」
「いつもお兄ちゃんに乾かしてもらってて……
……上手に乾かせなくて……」
申し訳なさそうに宜野座を見上げると
"乾かしてやるよ"と言うと
脱衣所からドライヤーを手にしてリビングのコンセントにプラグを差すとちょこんと宜野座の膝元に座る
黒く艶のある髪の毛
いつも念入りに乾かしてあげてるのであろう狡噛の姿を想像すると微笑ましかった
「明日もあの三つ編みのくるんってまとめるのやってくれる?」
「それもいいけど、明日はもっと凝った髪型にしてあげようかな」
「"こった"?」
「もっと可愛い髪型、だよ」
腰あたりまで伸びる髪の毛は結い甲斐があるな、なんて考えながら早速脳内は明日の髪型の事でいっぱいになる
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その後、狡噛の服を借り、宜野座も風呂に入れば
リビングで大人しくダイムの傍らで読書をする舞白の姿を目にする
どうやら夜寝る前のルーティンらしく
風呂上がりの宜野座に目を向けることも無く、かなり集中している様子だった
「((……なかなか難しい本を読んでるが
意味は分かってるのだろうか……))」
リビングの椅子に腰をかけ
そっと舞白を見守っていると傍らに分厚い辞書が置かれているのが分かる
どうやら分からない単語などは
辞書で引いて調べる、なかなか古典的なやり方は
おそらく兄譲りだろう
「((兄妹揃って……良い意味でとんでもないな))」
そのまま宜野座も狡噛の部屋から本を手に取れば
舞白と同じように読書を始めていた
ダイムはしっかり舞白の体を包み込むように傍らで大人しく寝転がる
室内には涼しい潮風が入り
穏やかな夜を過ごすのだった
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