【第28歩】
ボクは、究極のドスファンゴになるのを夢見て、旅をしている。
凍土を出発してしばらく歩いていると、なんだか見覚えのある場所にやってきた。
この風景は、どことなく前に通った地底洞窟に似ている。
うぽっ。
やはり、ここから落ちるしか進む道はないでつか……。
覚悟を決めたボクは、息を止めて奈落の底へダイブした。
いててててっ。
尾てい骨の古傷gっ……。
尾てい骨を気にしながら辺りを見渡すと、そこには見慣れたモンスター達がいた。
こんなところにもリノッチのお仲間がいるとはっ。
……リノッチ。
元気でやってるかな?
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一方、その頃、同じ地底火山内のほかのエリアでは……。
ズボっ……ズボボボっ……。
よしっ、敵はいないな?
4次元マンション成功!
って、ノブさんならシュールに呟くんだろうな。
一匹のリノプロスが、地面から這い出てきた。
さてと、アイツを追い掛けてきたのはいいが、そろそろシュールに追い付くと思うんだけど……。
その辺でウロウロしてるといいな。
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ボクは、どことなく見覚えのある道を、前と同じように進んでみた。
隣のエリアに一歩足を踏み入れると、そこに待っていたのは灼熱の暑さだった。
おぅふっ!
ここからは暑いんでつね?
夏毛に着替えねばっ!
ヌギヌギ。
ボクは、冬毛から夏毛に換装しようとした。
ん?
……誰かこっちを見てる?
少し離れた場所から、ドクドクイーオスがこちらの様子をうかがっていた。
ボクの生着替えを覗き見るとは、まったくもってけしからんヤツだっ!
まさか……ボクの生着替えの隙を狙って、襲おうという作戦かっ!?
しかしながら、下半身冬毛のまま戦闘態勢に入ったボクの真横を、ドクイーは足早に素通りしていった。
あれ?
なんか急用でも思い出したのかな?
それともオシッコ漏らしそうだったとか?w
ま、いいやww
涼しげな夏毛に着替えたボクは、探索を再開することにした。
ボクの飽くなき道の冒険譚は、まだまだ続く。
【第29歩】
ボクは、究極のドスファンゴになるのを夢見て、旅をしている。
クール・ビズ仕様となったボクは、地底火山の探索を開始した。
テクテクと隣のエリアに足を踏み入れる。
あれは……。
そこにいたのは、お懐かしゅうのリノッチの仲間だった。
あちらこちらにリノッチ族がいる。
すると、遠くから何やら血気盛んな一頭が、ボクに向かって突撃をかましてきやがった。
ふっ、受けて立とうではないか、その突撃をっ!
ボクは、その場で臨戦態勢を取ると、ヤツが向かってくるのを待ち構えた。
そして、ヤツが来たその瞬間、ボクは猪突ステッポで華麗にソイツの突撃を避けてやった。
突進に失敗したソイツは、止まることができずに、ボクの背後にあった岩に激突してしまった。
ワロリンヌw
なんとも無様なヤツだなww
ボクは、敗者の顔を拝もうとソイツに近付いていった。
「ふふっ、さすが……ファンゴ。シュール……だぜ(ガクっ」
え?
ええっ?
もしかして……リノッチィー??
気絶したリノッチをボクは叩き起こした。
「リノッチ? 本当にリノッチなのかいっ!?」
「お、おいっ、こらっ、あんま揺らすな! 頭が……シュールに痛ぇぜ」
「リノッチなんだねっ? どうしたのさ、こんなところでっ!?」
「まぁ、話すと長くなるんだが」
リノッチの話を要約すると、リノッチがいた砂原に4フォーン(4本)と呼ばれるディアブロスとディアブロス亜種のカップルが、激しい痴話喧嘩で砂原中を暴れまくり、リノッチの縄張りも跡形もなく荒らされ、落ち着くまでの間、砂原を出ようと思ったらしい。
そして、そのついでにボクの旅に合流しようと考えたようだった。
「いやぁー、なんとも激しいカッポルだね」
「ホントさ、アイツら手加減ってものを知らねーんだよ。ったく、シュールじゃねぇぜ」
「まさかここでリノッチに会えるなんて、思ってもみなかったよ。それにしても、よくここまで無事に来れたね?」
「途中、結構ヤバいこともあったけど、なんせシュールなこの俺様だからな! って、おまえこそ、よく無事だったな」
へへんっ。
ボクにかかれば、どんなモンスターでも一網打尽さっ!
「で、これからどうすんだ?」
「うん、とりま、この辺りを一周してから次の地を目指そうと思うんだっ」
「わかったよ。シュールなおまえに任せるぜっ」
任せてけろりんヌっ!
テッテレ~♪
リノプロスが再び仲間になった!
懐かしくも心強い味方とともにボクは、この地底火山を歩み始めた。
ボクの飽くなき道の冒険譚は、まだまだ続く。
【第30歩】
ボクは、究極のドスファンゴになるのを夢見て、旅をしている。
思わぬところでリノッチと再会したボクは、二匹揃って探索を再開した。
「火山みたいに極端に暑いところとか、雪山みたいに寒いところってさ、結構な確率でカオスだよねっ?」
「ん? そうか? どこも似たり寄ったりじゃね?」
「いや、これまでの旅で経験してきたボクの感だと、ここにもきっとスンゴイヤツがいるねっ」
「マジかよっ!? ヤバそうだったらシュールに逃げんぞ?」
逃げ腰リノッチ、ここに健在w
そんな話をしながら歩いていたボクらの前に、黒くて大きなモンスターが現れた。
はて?
どこかで見たようなあのフォルム……。
「おいっ! あれはヤバいヤツなんじゃねぇのか? なんか、真っ赤なビームをシュールに出してっぞっ!?」
ソイツは、口から熱線のようなビームを、誰に向けているのか狂ったように上下に吐出している。
あっ!
思い出したっ!!
あれは……色は違うけど、バサちゃんママの親戚か何かだっ!
「大丈夫さっ! ボクの知り合いのママにそっくりだから、きっと話も通じるはずさっ」
「お、おいっ!」
止めるリノッチを振り払い、ボクはバサちゃんママの親戚かもしれないモンスターに近付いた。
「こんにちわっ」
「グワァーーーーっ!!」
耳をつんざくような咆哮に、思わずボクは身を縮めた。
「おいっ! 全然通じてねーじゃねぇかっ!」
あれ?
……おかしいな。
すると、バサちゃんママの親戚かもしれないモンスターは、例のビームを狂ったようにぐるりと回るように吐出した。
おわっ、あっぶなっ!
ボクの被毛のキューティコゥが、焼け焦げてしまうじゃまいかっ!!
枝毛・切れ毛になったらどうすんだっ!?
ん?
バサちゃんママの親戚かもしれないモンスターは、なぜか片足を引きずっていた。
引きずっている足をよく見てみると、そこに1本の矢が刺さっていた。
あれが痛くて暴れてるのか。
どうにかうまいこと、あの矢を抜くことができないかな?
「リノッチ、あの足に刺さってる矢、抜けないかな?」
「えっ? おまえ……よく気が付いたな。って、あんだけ暴れてるのにシュールに抜けるわけないだろっ!」
うーん。
どうにか、このオバさんの気を逸らせたら……。
ピッキーーンっ!!
ボクは、リノッチへ耳打ちした。
「そ、それって……もしかして、俺にシュールなオトリになれ、と?」
そう、この作戦で最も重要なのは、リノッチがキーマンであるというのはお察し。
んでもって、できれば見事なオトリっぷりを披露してもらえたら、こちらの仕事もやりやすくなるというわけだ。
ドゥーユーアンダースターン?
「……マジかよ。ちっ、しょうがねぇな。さっさとシュールに抜いてくれよ?」
ボクらは、作戦通りに行動を開始した。
ボクの飽くなき道の冒険譚は、まだまだ続く。