【第31歩】
ボクは、究極のドスファンゴになるのを夢見て、旅をしている。
暴れ狂うバサちゃんママの親戚かもしれないモンスターのオバさん。
その足に刺さっている矢を抜くべく、ボクとリノッチは作戦を開始した。
リノッチが、オバさんの前で「ワーワー!」と声を上げると、なんとか暴れるオバさんの気を引くことができた。
この隙に、ボクはボルトダッシュでオバさんの足元へ走っていき、刺さっていた矢をガッシリ咥えると、思い切り引っ張った。
スポーーーンっ!
オバさんのめちゃめちゃ堅い外殻のおかげか、矢は先端部分の数ミリが刺さっていた状態で、思っていたよりもすぐに抜けた。
「リノッチーーっ! もういいよぉーっ!!」
リノッチに合図をすると、リノッチは修羅の形相でオバさんからの熱線ビームをなんとか避けていた。
ぷぷぷっ。
リノッチもあんな顔するんだなw
「あらら?」
オバさんは、ようやく正気を取り戻してくれたようだ。
「この矢がオバさんの足に刺さってたんだよ。そして、このボクが抜いて差し上げましたっ!」
「あらら、足の痛みが引いたわ。ありがとうねボウヤ」
「おいっ!(ハァハァ)俺も(ハァハァ)シュールに(ハァハァ)手伝ったんだ(ハァハァ)ぞっ!」
「あぁ、ごみんごみん。オバさんがあんまりにも暴れるから、リノッチに気を引いてもらってたんだっ」
「あらら、どうしましょう。こっちのボウヤもごめんなさいね」
「ボウヤって……シュールじゃねぇぜっ、ったく」
オバさんの労いの言葉に、リノッチはぶつぶつと小言を漏らしている。
「ねえ、オバさんって、バサちゃんママの親戚か何かだよね?」
「あらら、バサルちゃん? あなたバサルちゃんのお友達なの?」
「友達ってほどでも……」
「あらら、バサルちゃんママとは仲良くしてたのよ」
ボクは、オバさんと他愛もない世間話をしていた。
そのそばでリノッチは一匹、蚊帳の外になっている。
「あ、オバさん、ボク達もう行きますねっ」
「あらら、何にもお構いしませんで」
「んじゃ、矢に気を付けてねっ! それじゃぁ行こうかっ、リノッチ!」
「あ、ああ」
オバさんにお辞儀をすると、ボクらは旅を再開した。
「しかし、本当におまえってヤツは……」
「えっ? 何っ?」
「いや……シュールなヤツだなって、さ」
へへんっ。
ボクは、ミスター・ボンジュール・シュールさっ!
ボクらは、灼熱の川が流れるそばを歩き始めた。
ボクの飽くなき道の冒険譚は、まだまだ続く。
【第32歩】
ボクは、究極のドスファンゴになるのを夢見て、旅をしている。
バサちゃんママの親戚かもしれないオバさんに別れを告げたあと、ボクらは探索を開始していた。
「しっかし、さっきは危なったぜ。俺の毛……あ、俺、毛がないんだった。俺の皮膚をあの熱線が直撃するかと思うと、シュールな地獄が見えてたぜっ」
ぷぷぷっ。
しかしながら、これからが本当の地獄だっ!
「リノッチ、気を付けてっ! このアミアミ地獄は足を踏み外すと、すんごい厄介だぞっ!」
「へっ? こんなの大丈夫だって! シュールな俺様にかかれば……(ズボっ)なんのこれしきっ……(ズボっ)、くっ」
ぷぷぷっ。
ボクと同じじゃまいかっww
「なんだよコレっ(ズボっ)! ……ったく(ズボっ)、シュールじゃねぇぜ(ズボっ)」
「ここを渡らないと(ズボっ)向こうに(ズボっ)行けない(ズボっ)からねっ(ズボっ)」
「おまえ……ズボり慣れてんな(ズボっ)」
ボクらは、どうにかこのアミアミ地獄を抜けきった。
しばらく歩くと、最初の出発地点に戻ってきた。
そこいらには、クン玉が地面や岩壁に張り付いている。
「ここにもクンチュウがいっぱいいるな」
「え? クン玉のこと? よく知ってるねっ」
「この一帯は、シュールにリサーチ済だからな。……って、クン玉って何だよ?」
「え? 突くと真ん丸になって面白いんだよっ」
「相変わらず、おまえのネーミングセンスはシュールじゃねぇな」
余計なお世話でつっ!
「どうにか無事に一周することができたねっ」
「そうだな、それじゃシュールな新天地でも目指すか」
ボクらは、地底火山をあとにした。
道中、お腹を満たしたり、ボンバッタを追い掛け回したりした。
ハチの巣の下では、リノッチがツチハチノコ探しに夢中になっている。
「そんなことより水浴びしようず」
「水はちょっと……シュールじゃねぇな」
「うぽっ。リノッチ、水が怖いんだぁ~(ニヨ」
ボクはバシャバシャと、わざとリノッチに水しぶきをかけた。
「や、やめろってー!」
二匹旅を満喫しながら、ボクらは次の地を目指して歩き続けていた。
「そういえば、おまえのそのスカーフって、どこで手に入れたんだ? ちょっとシュールだよなっ」
「え? コレ? コレはね……パパから貰ったんだ、たぶん」
「たぶん? たぶんって何だよっ」
ボクは、このスカーフを手に入れた時のことをリノッチに語り始めた。
ボクの飽くなき道の冒険譚は、まだまだ続く。