それいけ!ファンゴ君 シーズン4   作:JUBIA

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第11歩~第12歩

【第11歩】

 

 ボクは、究極のドスファンゴになるのを夢見て、旅をしている。

 

 ウォール・チュー助のおかげで、間一髪、ネルス卿を撃退できたボクらは、ネルス卿の食糧倉庫を後にした。

 

「それにしても、あの時は凄かったね。君から後光が差して見えたよ!」

「何のことでチュウか?」

 

 コイツ、記憶ぶっ飛んでのかよっw

 

「いやー、でもあの時、もし君がネルス卿に寝返っていたら、ボクはきっと今頃……」

 

 ……ガクブルルっ。

 

「その時はその時で、君の死肉をアルセルタスか誰かに売りつけるでチュウよ。自分で食べてもいいんでチュウけど、売っぱらったほうが利益になるでチュウ」

 

 ……コイツ。

 でも、ここで文句を言ったら、負けかなって思った。

 何はともあれ、ボクらは勝利した。

 

 テクテクと歩くボクらの前に、緑色のデカい猿が姿を現した。

 ん?

 あれ、チャラ猿のパパの親戚かな?

 

「あぁ、ババコンガ亜種でチュウね」

 

 あー、やっぱし?

 どうりで、色違いだけど既視感が。

 

「アイツは、とってもレアな厳選キノコでも、最後まできちんと食べないで、食い散らかしては残骸をその辺にポイっと捨てる不届者でチュウ! 売ったらいくらになると思ってるんでチュウかね?」

 

 いや、そもそも売るという発想は、君以外のモンスターにはないと思うよ。

 

 緑のおさるは、クンクンと鼻をひくつかせると、地べたに落ちていたキノコを拾い食いしている。

 そして、満腹になったのか、辺りにゲッププレスを巻き散らかした。

 

 青いゲップだ!

 アイツ、何食ったんだっ!?

 

 緑のおさるは、すっくと立ち上がってお腹をポンっと叩くと、素晴らしく香ばしい、大音量の放屁をした。

 マジで害悪過ぎるくらい、お下劣なヤツだなw

 こっちにまで匂いが移りそうだから、ここはスルーが基本。

 

 その場から立ち去ろうとした時、ボクらに気付いた緑のおさるは、こちらに向かってブンブンっと腕を交互に振り回し、勢い余ってズサーっと倒れ込んでしまった。

 連続ラリアッター自爆乙!

 

「どうしまチュウか? 戦闘しまチュウか?」

 

 どうせ、課金制なんだろ?

 ここで余計な戦闘をしていたら、そのうち……ボクは枯渇(こかつ)する。

 否、むしろ現時点で、すでに借金していることになっている!

 

「いや、ここはやめておこう」

「……そうでチュウか」

 

 残念そうなチュー助だったが、死ぬまでこの地底洞窟でレア物探しをするのは勘弁願いたい。

 

 ボクらの飽くなき道の冒険譚は、まだまだ続く。

 

 

【第12歩】

 

 ボクは、究極のドスファンゴになるのを夢見て、旅をしている。

 

 あのあとは地底洞窟を巡って、その道中、なんとか借金分のレア物を採集し終えた。

 

 あれっ?

 これまで採集したレア物って、もしかして……借金分以上あるんじゃないのか?

 相場が分からないからアレだけど、もしかしたらお釣りがたんまりくるんじゃないかな。

 ……って、ボクには無用の産物だけどww

 

「あのさ、それって全部合わせたら、いくらくらいになるんだい?」

「うーんと、ざっと見積もって2,500ゼニーぐらいでチュウかね」

 

 おほーっ、これはっ!

 確か、後払いは500ゼニーだったから、えっと2,000ゼニーのお釣り!

 って、いったい、どれぐらいの価値があるんだろうか。

 

 キノコいっぱい買えるかなww

 ニヨニヨ……(想像中)……。

 

「もしや、お釣りが出ると思ってるでチュウか?」

「えっ?」

 

「ゼニーでお支払いならお釣りは出るでチュウけど、物納だから別途精算手数料がかかるでチュウよ」

「……えっ??」

 

「これだけ精算しなくてはならないでチュウから、全部手数料で相殺されるでチュウ」

「……えっ? ええっ?」

 

 この場合、ボクは何と言えばよろしいか?

 まったくもって、清々しいくらいのガメツさだな。

 

「ぐぬ……いいよ、いいよ、全部、君の夢に投資することにするよ」

 

 なんて、太っ腹なボク!

 

「そうでチュウか? 毎度あり~でチュウ(ニヨリ」

 

「これから君はどうするんでチュウか?」

「うん、ボクは旅を続けるさ」

 

「旅を続けてどうするんでチュウか?」

「ボクの目標は、究極のドスファンゴになることさっ!(キリっ」

 

「そのドス……ファンゴとやらになって、どうするんでチュウか?」

 

 ……え?

 ドスファンゴになったあと?

 むむっ、考えてもいなかった。

 

 もし、ドスファンゴになったら、ボクは……何をするのだろうか?

 世界中のカワイコちゃんをハベらせて、至極のハーレムを作……って、おいっ! 何を考えてるんだっ!?

 しかしながら、子孫繁栄はこの世に生物として生まれたからには……って、いやいや、そうじゃないっ!

 

 今までお世話になった大型モンスター達に、お礼参り?

 いや、違うな。

 最終的にボクが目指すのは……。

 

「ふっ、最終的な目標は、まだ考えていないということでチュウね」

「……う、うん。ボクは、ドスファンゴになることしか考えてなかったよ」

 

「オイラは、この一帯のクンチュウ達の生活改善と、老後の安心、福祉の充実で、クンチュウ達のみんなが幸せになって欲しいと願っているでチュウ。クンチュウギルドは、まずその手始めでチュウ」

 

 チュー助、君ってやつは……そこまで考えていたのかっ!

 自分のことしか考えてなかったボクは、恥ずかしいよ。

 

「でも、みんなの生活を潤すには、まずはオイラ自身がみんな以上に潤ってないと、そんな余裕はできないでチュウ」

 

 チュー助……君は……うぅっ。

 

「なので、まずはオイラがしこたま儲けることだけを考えるでチュウよ」

 

 ……うん、うん?

 何かが引っ掛かってるのは、気のせいか?

 

「これから行く先々で、クンチュウギルドの宣伝をステマして欲しいでチュウ」

 

 あぁ、そうなるのね。

 

「君の助けが必要そうなモンスターがいたら、君のことを伝えといてやるよ」

「ありがとうでチュウ!」

 

「じゃぁ、元気でな、チュー助っ! アディオスっ!!」

 

 テッテレ~♪

 クンチュウと別れた!

 

「それと、宣伝手数料は10匹以上のモンスター紹介で、10匹ごとに10ゼニーお支払するでチュウよーーっ!!」

 

 そのショボい手数料は、チュー助らしさがにじみ出ていた。

 ふっ、アイツはそのうち、確実にビッグになる。

 ボクはそう確信した。

 

 ボクの飽くなき道の冒険譚は、まだまだ続く。

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