それいけ!ファンゴ君 シーズン4   作:JUBIA

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第13歩~第15歩

【第13歩】

 

 ボクは、究極のドスファンゴになるのを夢見て、旅をしている。

 

 チュー助と別れ、地底洞窟を出発したボクは、水が豊富で緑豊かな場所にやってきた。

 

 いいねー。

 なんだかこういう景色は、やっぱり落ち着くねぇ。

 

 おほーっ、この種はっ!?

 ボクは、怪力の種をムチムチと食べた。

 なんだか、力がみなぎってくるぞ(ムキムキっ

 

 少し進むと、エリアの端っこに緑と赤の斑模様のモンスターがうずくまっていた。

 よく見ると、なにやら紫色のオーラに包まれ、とても苦しそうだ。

 

「君、大丈夫かいっ?」

 

 声を掛けたあと、ボクはすぐに後悔した。

 なぜなら、その斑模様のモンスターはゲネポスだったからだ!

 

 ゲっ、ゲネりん!!

 ここはスルーに限るっ!

 

「うぅっ」

 

 ……スルーだ、ス、スルー。

 

「ううぅぅぅぅっ」

 

 ……くそっ。

 ちょっとだけだからなっ!

 

「君……その……大丈夫、かい?」

「うぅっ、ありがとう。なんだかよく分からないけど、とっても具合が悪いんだ、ううぅぅっ」

 

 オロオロ……どうすえば?

 確か、その辺に薬草と、げどく草があったハズだ。

 

 ボクは、薬草とげどく草を何本かむしり取って、ゲネりんに食べさせた。

 

「うぅっ、ありがとう。まだ体調は治らないけど、気持ち的に楽になったよ」

「……風邪でもひいたのかい?」

 

「いや、風邪とかそんなんじゃない。こんな状態になったのは初めてさ」

 

 そうか、変な病気じゃなきゃいいけど……。

 って、敵に情けは無用だろっ。

 

「助けてくれたお礼に何かしたいんだけど……うぅっ」

「いいよ、いいよ、別に……」

 

 あとで食われたら、たまんないしなw

 

「いや、恩を受けたら恩で返す、っていうのが僕の流儀だからさ。それって常識だろ?」

 

 肉食のヤツらにも、常識あるモンスターっているんだな。

 

「じゃ、じゃぁ、その辺をさらっとでいいから、案内してくれると助かるかも……って、具合悪くなったら無理しないでくれよっ」

「そんなんでいいのか? お安い御用さ……うぅっ」

 

 ボクは、ゲネりんを気遣いながら、少しだけ距離をとり、ゆっくりと二匹並んで歩き始めた。

 

「あ、あのさ……あとでボクを襲おうとか、そんなこと……しない、よね?」

「心配ご無用さ。腹が減ったら狩りに行ってくるよ。君と一緒にいる間は仲間なんだから、仲間に手出しなんてするハズがないさ。それって常識だろ?」

 

 な……仲間(ジーン)。

 

 テッテレ~♪

 ゲネポスが仲間になった!

 

 ボクの飽くなき道の冒険譚は、まだまだ続く。

 

 

【第14歩】

 

 ボクは、究極のドスファンゴになるのを夢見て、旅をしている。

 

 ひょんなことから、ボクは原因不明の病に侵されているゲネりんと、一緒に探索することになった。

 体調の回復しないゲネりんに、時々休んだり、薬草などを食べさせながら、ボクらはゆっくりと進んでいた。

 

「あのさ、ゲネりん達って、いつも何匹かでツルんでるよね? 君の仲間達は、どこに行ったんだい?」

「あぁ、アイツらか。同年代の僕が言うのもなんだけど、アイツら……なってないんだよね、常識が」

 

 君はボクかっ!?

 こんなところで同志に会えるとは(涙

 

「あっ! わかる! 最近の子達って、なんかアレな感じだよね? でも、大人達がアレな感じだから、子供達もアレな感じになってしまうのも分かるっていうか、なんかモニョるっていうか」

「お! 初めて意見が合うヤツに会ったよ! なんか嬉しいな……うっ」

 

「あぁっ、大丈夫かいっ? ボクの場合は、ママが厳しかったから、ボクもモン一倍マナーにはうるさいほうでさ」

「ホント、ホント、常識がないモンスターばかりだよ、最近は。大人がしっかりした常識を持ってたら、もっとまともな世の中になってたかもな」

 

 口うるさかったママにも、今は感謝してるよw

 

 ドゴドゴーっ!

 

 突然の地響きとともに地面から、とてつもなく大きな黄色い大蛇のようなモンスターが飛び出してきた。

 

「あ、ガララアジャラだ! 気を付けろ、アイツに締め付けられたら終わりだぞ!」

 

 ガ……ガラガラっ?

 体調不良のゲネりんと、一緒に戦うには不利すぐるっ!

 

「はっ、早く逃げようっ! ゲネ……りん?」

 

 振り返ると、そこにはさっきまでのゲネりんと違う顔があった。

 戦闘意欲満々で、猛々しい顔をしているゲネりんだ。

 

「なんだろう、うぅっ……戦わずにいられないこの気持ち……うらぁーー!!」

 

 目にも止まらぬ速さで、ガラガラに向かっていくゲネりん。

 さっきまでの病弱イメージがぶっ飛んだ光景が今、目の前で繰り広げられている。

 しかしながら、いくらゲネりんが頑張っても、ゲネりんの何倍もの大きさのガラガラ相手じゃ、分が悪すぐるぞ。

 

 この戦いは、どうなるんだっ?

 

 ボクの飽くなき道の冒険譚は、まだまだ続く。

 

 

【第15歩】

 

 ボクは、究極のドスファンゴになるのを夢見て、旅をしている。

 

 原因不明の病にかかっているハズのゲネりんが、果敢にも一匹でガラガラに特攻した。

 

 ……マジか。

 目覚めるゲネりんっ!

 

 荒ぶるゲネりんの攻撃に、ガラガラは尻尾から鱗の塊のようなものを辺りへ飛ばし、尻尾をガラガラと振動させている。

 

 うっ!

 耳をつんざくような音波に、ボクは身動きが取れなかった。

 

 それでも、ガラガラに対するゲネりんの攻撃は止まらない。

 ガラガラは、ゲネりんを締め付けようとして囲おうとしたが、ゲネりんは隙間からその瞬発力でヒョイっと軽々しく抜け出した。

 

 尻尾で叩きつけるも、今のゲネりんのスピードには追い付かない。

 意外や意外、ゲネりんのほうがガラガラを押しているように見えた。

 

 早く友達に言いたいですね、「ゲネりん、強いぞっ!」って。

 よし、こうなったらボクも乗るしかない、このビッグウェーブに!!

 

 ボクがゲネりんに加勢しようとしたその時、

 

「来るんじゃねぇ、短足豚野郎! 邪魔だ! うらうらうらうらぁーーっ!!」

 

 ぶっ……豚?

 ……ブヒっ。

 って、ボクは豚じゃないぞっ!

 

 誰でつか、このモンスター……?

 まるでモンスターが変わったような口調と、その凄まじい攻撃力。

 

 ……違う意味でガクブルっ。

 正直ボクは、今のゲネりんのほうが恐いでつ。

 

 ゲネりんの猛攻により、ガラガラはタジタジになって地中へ潜ると、どこかへ去っていった。

 

 戦闘が終わってもしばらく殺気立っていたゲネりんは、木陰に隠れていたボクのところにやって来た。

 こ、こっちに来ないでくだしあ……。

 

 ドンっ!

 

 ゲネりんは、大木に片手を付いて、上からボクを見下ろしている。

 こ、これが噂に聞く大木ドン、か?

 

 何、このイケメン?

 なぜか、間近で見上げたゲネりんの顔が、すこぶるイケメンに見えた。

 

 はわぁ、こうなったら食われても……いい。

 ……いや、食われちゃダメだろっ!

 何を考えているんだ、ボクは!?

 

「……フーっ」

 

 長いため息を付いたゲネりんの顔色が、少しずつ元のゲネりんに戻ってきた。

 

「あぁ、なんかスッキリしたなぁ、って……あれ? いつの間にか治ったみたいだ!」

 

 ゲネりんは、その場で軽快にジャンプをしてみせた。

 

「お、完全に治ったみたいだ! なんでだろう?」

 

 なんででせう?

 

「よ、よかったね。でも……物凄い破壊力だった、ね?」

 

 戦いっぷりもそうだけど……。

 

「うん、なんでか分からないけど、体の奥から戦闘本能が奮い立ったというか、自分の力を200%引き出せたというか……。でも、今はまったくもって穏やかな気持ちなんだ」

 

 何はともあれ、元のゲネりんに戻ってくれてよかったよ。

 

「……ボ、ボクは……豚なんかじゃないぞっ(ぼそっ」

「え? 何か言ったかい?」

 

「あっ、ううん、何でも……ないよっ」

 

 ボクの飽くなき道の冒険譚は、まだまだ続く。

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