季節は、春。今日も良く晴れた日。背中に背負った傘が、キシキシと音をたてながら籠の中で踊る。杖を付きながら片手に持った手帳に傘の販売先の場所を確認する。
「もう少しで、着きそうじゃ。」
傘売りは、手帳をしまうと手で汗を拭いながら、そう呟いた。春の風を受けて、春の温かさを感じながら、数十分歩き続けると目的の販売先の居る町が見えてきた。
「見えてきた見えてきた。あの町で間違いない。ほれ、もうひと頑張りするかね。」
そう呟きながら、歩き続け無事に到着する事が出来た。町の中は、大層人で、活気が溢れていた。あちらこちらで、人々の声が、混雑する。
「今回の町は、また偉く賑わってるねぇ。こりゃ、気をつけんと銭の袋が、緩んじまって銭が1人でにどこか旅だっちまう。」
そう町の賑わいに感心しながら歩くと、目的の販売先の店に着いた。のれんをくぐり抜け、大きい声で店の中の奥まで届かせるように声を発した。
「頼もう。誰かいるかい。」
すると奥から。
「はーい。今、向かいます。」
店の奥からから店主が出てきた。傘売りは、品物の傘を入った籠肩から下ろした。
「依頼の頼まれた傘を届けに来た。」
「ご苦労様です。はるばる遠くからどうもありがとうございます。代金を持ってくるので、お茶でも一杯どうですか。」
「ありがたく、いただこう。」
その言葉を店主は、受けとると、声を上げ。
「誰か、お茶をお出ししろ。」
すると奥から、「はい、ただいま持っていきます。」と、若い娘がお茶をお盆乗っけながら持ってきた。
「どうぞ」
「かたじない。」
一杯のお茶をすすりながら、一息着く。外の賑わってる声を聞きながら、少し微笑む。少しして、奥から先程の店主が、代金の包んだ袋を持って戻ってきた。
「今回の代金です。どうぞ収め下さい。」
「代金、たしかに受け取りました。」
傘売りは、代金を受けとると、道草で落とさないよう懐の中の銭袋に入れ、紐を引き、袋の口を閉じた。すると、店主さんが、尋ねてきた。
「傘売りさん、これからどこかの宿屋止まるのかい。」
「そうだねぇ、これから帰るにも仕事場の村に戻るまでけっこう歩くからね。今から帰ると確実に夜になっちまって山賊や獣に怯えながら、野宿することになる。だから、ちょっとどこかの宿で、一晩泊まろうと思ってる。」
すると、すると先程の娘さん出て来て、口を開き。
「それなら、うちの店の空き部屋使いな。傘売りさんには良いもの仕入れて貰ってるからね。」
店主も「泊まってけ。」というので。
「かたじけない、それじゃ、お言葉に甘えて。娘さん名前は?」
「わたしは、まちと言います。」
「まちさん、店主、かたじけない。一晩お世話になる。」
その後、まちさんに空き部屋を案内して貰うと籠を置き、一休みしていると、外から何やら大きい音し、今まで賑わっていた人の声とは、別の声が近くで響いた。少し気になり、店の外へ出ると。