傘売り見聞録   作:瓦版

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16目 帰宅

双六の家でお世話になった甚八とまち。ご飯を頂いていると、そとから木刀を打ち付け合う音が響いていた。外を見ると、双六と息子の寅之助が稽古をしていた。それを見て釘付けになる二人。すると後ろから華に声を掛けられる。

 

「凄いでしょ。うちの人たち。」

「確かに、凄い。こんなに腕の高さを誇る剣士は、見たこと無い。」

「まあ、それしかない無いからね。」

「華さんはどこで、双六殿と合ったのですか?」

「あの人に助けて貰ったんです。幼い頃、山賊に囲まれて命を狙われそうになった時に。彼は、今と変わらず武を追い求めている最中だったそうよ。」

「はぁなかなか数奇なものですね。」

「まぁ、だからうちの用心棒として最初は雇ったんだけど、うちの父。当時の先代の当主が怪我を負ってしまってこのままだとこの道場を潰さないといけなくてね。そんなときに、あの人は道場主を買って出たんだ。そこに、私は惚れてしまってね。婿養子として、席に入って貰ったんさ。そして、今は子宝に恵まれて大勢の人たちが門下生として入って来て今のうちがあるんさ。」

 

想像以上の出来事を聞いて感心する甚八。すると、稽古を終えた二人が此方に向かってきており互いにいい汗をかいていた。すると、双六が口を開いた。

 

「甚八殿どうでしょう?一本勝負して貰えませんか?」

「良いよ。やろうか。」

 

こうして、一勝負することになった二人。武を極めた双六の勝ちであったが、甚八もなかなかの粘りみせた。互いに相手を称え合った。二人が気づくと、門下生が大勢来て観覧していた。そして、二人の勝負を終えたところで甚八に近づいて来て、我こそはとみんな手合わせを申し出た。結果、甚八は地面に寝転がる。周りには、道場の門下生が息を切らしながら倒れていた。いくら毎日修行に明け暮れているものたちであっても、常日頃から依頼先で山賊を数多く倒してきた経験の差が大きく出た。まちは、心配し双六一家は感心していた。そして、その夜も門下生のものたちとともに飯を頂いた甚八一家。そして、次の日の朝帰る支度をする。そして、日の出共に出発した甚八夫妻。土産も貰い、帰路を進んでいく。道のりは、また山を越え、谷を越え、川を渡る。そして、自分たちの家に無事に着くのだった。一息入れて、まちは、ご飯の支度を、甚八は依頼の確認と日記を記していた。今回の旅出会った戦友とその家族達の人の温かさをみせて貰い。とても、良い出会いを果たせたと日記の最後を締めた。書き終えると、ちょうどまちが、軽食を作ってくれたので二人は酒を交わしながら会話をしてその日を終えた。

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