ここは、以前甚八と双六の出会いの町。表の取引もあれば勿論裏もある。そして、この街の特徴は、
「隙あり!!」
「ぐは!」
血生臭い決闘があちらこちらで行われている。だから、この街の物流は乏しい。物流のために来た商人たちもまた厄介な決闘に巻き込まれ物資を奪われる。最悪の場合、その命さえも。そして、この街に法などない。強い奴が生き残れる。そんな、町のルールである。法がない町たがらこそ表に脱法の薬、売春、賭博の店を平気で構えることができる。さらに、政府の前では出来ない裏取引も。
「ほう。して、幕府の動きは?」
「とりあえずの泰平にしたこの日ノ本の状況を保ち続けられるか不安の中である。」
「つまり、今の幕府を終えることができる好機であると。」
「そうだな、戦国の世であったからこそもある。」
裏の町を利用し幕府の転覆を狙う者も少なからずいる。そして、度々各地では戦国の残党がもて余しているその力を平和のこの世に猛威を振るっている。幕府側もその問題には、問題視してはいるもののなかなか解決には至らなかった。だから、巷では剣士という名の民衆の盾となるものがいるがそれも幕府の直系の藩のいる町にしかその者たちはおらず。どこもかしこも山賊や盗賊の者たちの脅威から怯えながらも懸命に生きなきゃいけないのだから。だが、その制度の中で不満を持っているものがいる。だからこそ腕を磨いたり、幕府の直属の藩の町に行って直訴するということもあるが、大抵は門前払いを受ける。だから、大抵は反旗を起こして幕府を倒そうするものが各地に集まり始まるのだった。そして、その知らせは勿論先ほどの町に滞在したものには、送られてくる。
「ふーむ。どうしたものか。」
「あなたどうかしました?」
「華か。いや、またこの知らせがここに流れてきてな。」
「またですか。ここ最近は、多くなっているみたいですね。」
「それだけ今の幕府には不満しかないということだろう。果たして、これを幕府はどう思っているのやら。」
「そうですね。少しでも、変われば良いのですが。」
「さてどうかな。こちらもな。」
「これは?幕府からですか。」
「ああ剣士の試験を受けないかというものだろうが。制度が改正されなくては武も成り立たない。」
「そうなんですか。じゃあまた見送りですね。」
「そうだな。」
「そういえば、甚八さんもあの町に行っているですよね。」
「そうだったな。あの人ならこの文燃やしているだろうな。」
「確かに笑そうですね。」
「父上御指南を!」
「おっそんな時か!じゃあ見てやるか!」
「お願いします!」
「おケガの無いようにお願いしますよ。」
双六一家は、今日も賑やかであった。そして、双六夫婦が話してた人は。
「なんだこの紙は?猛者求む?集合はあの町か。」
「おまえさんどうしたんだい?それは?」
「いやなにただの紙くずさ。今日の湯沸かしの材料にしてくれ。」
「わかりました。今日は魚が手に入ったのでどうですか?」
「わかったありがとう。」
話した通り全く相手にしなかった。