親方の老人に連れられ現場に到着。どこを見ても職人だらけ、木槌の叩く音、鉋で削る音、紐を引っ張る音など様々な職人達の仕事の音が、現場のあちこちで、響き渡る。現場のあちこちを見ながら、歩いていくと老人の足が、止まった。どうやら着いたようだ。
「おまえさんの仕事場は、ここになる。あんたの傘の内部を見てここに混ざって貰う。」
どうやら担当するのは、組み立ての仕事に成りそうだ。まだ完成には、遠いが、一つ一つ丁寧に組み合わさっていた。すると、1人の男がこちらに気づいて近づいて来た。
「親方、どうしたんです?そちらのにぃちゃんは?。」
「ちょうど良い紹介する。傘売りさん、こいつがここの現場の責任者のたつだ。色々教えてもらえ。」
「ちょっと、おやっさん。この傘売りを手伝わせるですかい。いくら急いでいるからって、素人を連れてくるなんて、どういうことですかい。」
「まぁまぁ大丈夫大丈夫。腕は、この目で確認した。大丈夫だ。」
「まぁ、分かりました。傘売りのにぃちゃん、あんたの腕貸して貰うよ。」
「こちらこそ、よろしくお願いします。」
こうして作業は、始まった。最初は、上手く行かず、たつに叱られること多かった。だが、めげずに作業を続け、その日の作業を終えた。すると、たつが、こちらに歩み寄ってきた。
「たつの旦那、何かようですか。」
「いや、最初はおまえさんの腕を少し、疑ってたが、おやっさんの言うとおり良い腕と根性を持ってやがる。どうだ、一杯引っかけに行くかい。」
「こちらこそ、お供します。」
たつの旦那に連れられて、居酒屋の暖簾をくぐった。中では、他のお客もおり、店の中は、とても騒がしく賑わっていた。席に着き、酒を注文し、少し待つと酒運ばれて来た。
「傘売りのにぃちゃん、お疲れ。それじゃあ、乾杯。」
「乾杯。」
二人は、互いに注いだ酒の入ったお猪口をぶつけ、そのまま一気にに飲み干した。
「おぉ、傘売りのにぃちゃん行ける口かい。こりゃ良い、酒の場が、楽しくなる。」
「ありがとうございます。そういえば、たつさんの体を休憩中に、チラッと拝見しましたが、傷が多かった。大工以前は、何を?。」
たつは、一瞬驚いたが、すぐに酒を注ぎながら、話してくれた。
「あぁ、見ちまったのか。まあ良い、俺は以前は、金を稼ぐ為に戦に良く駆り出てた。いわゆる、傭兵というやつだ。」
「なるほど。でも、なぜ傭兵に、そして、大工になったのですかい。」
たつは、酒を飲み干すと、閉じてた口を開く。
いやぁ、毎日毎日暑くてたまらん。