傘売り見聞録   作:瓦版

8 / 18
8目 祭り

まちと一緒に行動することになった。祭りは、屋台が沢山並んでおり、どこもかしこも人の波。傘売りは、まちとはぐれないように歩いた。

 

「大変賑やかですね。今年も無事に開催できて良かったです。」

「皆、楽しそうに参加してますね。これだけ、賑やかなら頑張った甲斐が、ありました。」

「本当、傘売りさんには感謝しかありません。今回無理な依頼を受けていただきありがとうございます。」

「いや、良いよ。通り掛かった舟だしね。それに、中々体験出来ないことできた。」

「そうですか、嬉しいです。」

 

そして、二人は色んな屋台を巡った。食べ物系、お面などの装着系。色々周り、近くの神社のところまで来た。

 

「色々、回りましたね。」

「ああ、とても良かった。」

「傘売りさん、もうすぐ神輿が通るみたいですよ。一緒に行きましょ。」

「そうか、そんな時か。そうだな見に行こうか。」

「私、神輿が見える場所を知ってますので、そこに行きませんか。」

「良いよ、行こうか。」

 

こうして、神輿の見えるところまでまちに案内してもらった傘売り。そして、二人で人ごみの中を歩いていくと、まちの足が止まる。

 

「着きましたよ。傘売りさん。」

「うん?ここは、宿屋じゃないか。」

「そうです。そして、二階で見ると神輿が、近くなり見えやすいんですよ。」

「そうか、早速みようか。」

 

二人は、二階に上がり神輿待つ。すると、祭り囃子の音が聞こえる。見ると、神輿が大勢の人に担がれてやってきた。神輿は、大きく豪華で立派であった。そして、それは見るものを魅力していくのだった。色んな所から歓声が上がる。

 

「傘売りさん、良かったね。」

「ああ、本当に良かった。」

 

そして、祭り囃子と神輿が通りすぎあとは静かになっていた。まち曰く花火が上がる頃だと。それを楽しみにする。

 

「祭りの〆は、花火か。どこに居てもそこは変わらず良いものだ。」

「傘売りさん。」

「なんだい、まちさん。」

 

まちから呼ばれ、そっちへ振り向く。まちは、少し寂しげな雰囲気だった。

 

「傘売りさん、明日には帰ってしまうんだよね。」

「ああ、そうだね。また依頼が来てるだろうし。」

「あの、傘売りさん良かったら。うちで働かない。うちで宿屋の店員として、」

「ありがたいが、それは無理だな。依頼は、色んな所からくる。ここには、ずっとは居れない。」

「そうか、、、。」

 

少し、沈黙が続く。が、そこでまちが口を開く。

 

「よし、決めた。傘売りさん、私あんたに着いてく。」

「ええぇぇぇ。店はどうするの?」

「店はお父さんと従業員に任せるよ。」

「良いの?うち、そんな裕福出来ないし、全国各地回るから。中々、帰って来ないよ。」

「良いさ、私だって女の端くれ。愛する人を待つ位屁でもない。」

「けど、親父さん、許してくれるか、わからないよ。」

「私が説得して、納得させる。」

「それなら、別にいいけど。」

 

こうして、まちさんはお父さんを説得する。最初は驚かれ反対されたが、まちさんの勢い負け、了承してくれた。これにより、傘売りにまちさんが嫁いできた。祭りの有名な町、祭りも人もどうやら、何かと勢いが売りなんだそうだ。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。