香取隊の狙撃手   作:デスイーター

223 / 492
総評/ROUND4

 

 

部隊得点生存点合計
香取隊426
生駒隊202
鈴鳴第一10 1

 

「決着! 生駒隊長と水上隊員の両名、緊急脱出(ベイルアウト)! 6:2:1で香取隊の勝利です!」 

 

 氷見の宣布と共に、会場が沸き上がる。

 

 波乱続きのROUND4、その最終局面。

 

 最後までの鮮やかな流れに、観客は沸いていた。

 

 強敵たる生駒を倒した手腕も然る事ながら、それに至る為に尽くした知略と読みの応酬。

 

 B級上位に相応しい、レベルの高い試合であったと言える。

 

「完全に、香取隊の読み勝ちだな。恐らく生駒隊は照明の操作役を若村であると踏んで、作戦を組んでいたんだろうが────────」

「────────その実、操作役を担っていたのは木岐坂さんで若村くんはいつでも介入出来るように三階に潜伏していた。これを隠し通せた事が、香取隊の勝因ですね」

「ああ、大したモンだぜ。観戦側である俺等からは見えてたが、俺だって試合中だったら水上と同じ判断をしてただろーからな」

 

 荒船はそう言って、香取隊の戦略を称賛する。

 

 香取隊が取った策は、言葉にしてみれば単純だ。

 

 即ち、照明の操作役に樹里を宛てがい、その上で若村を三階に潜伏させた。

 

 これだけだ。

 

 だが、その意味する所は大きい。

 

 まず、大前提として照明の操作を行った時点でその隊員の位置は敵に露見している。

 

 MAPを見れば電気室の場所など瞭然であり、一度照明を操作した時点でそこに刺客を送り込まれるリスクを負う事になる。

 

 それを狙撃手の樹里が行うという時点で、相当な危険を孕んでいるのだ。

 

 狙撃手は、敵に位置がバレた時点で半ば脅威が失われると言っても過言ではないポジションだ。

 

 樹里の場合は射手も兼任しているようなものである為通常の狙撃手とは立場が異なるが、それでも位置が露見しないに越した事はない。

 

 そのリスクを負ってまで彼女を配置した理由こそ、水上に()()()()をさせる事であった。

 

「普通、あの状況なら誰だって照明の操作をやったのは若村だって考える。狙撃手の木岐坂と違って位置バレしてもそこまで問題じゃねーし、その後の主戦場に介入出来なくても致命的と言える痛手にはならねー。だから、一度配置に付いたらそこから動けなくなる操作役としても適任だったろうからな」

「けれど、実際はそうじゃなかった。そこを突かれて、水上先輩は致命的な読み間違いをしたワケですね」

 

 ああ、と荒船は頷く。

 

「香取隊は、そこを突いた。誰が見ても、あそこには若村を配置するのが堅実(ベター)だ。()()()()()、木岐坂を置いた。水上の眼を、本当の意味で眩ませる為にな」

 

 堅実に、無難に考えれば照明の操作役に置くべきは若村。

 

 これは試合に参加した者、見ていた者にとって共通見解だろう。

 

 彼をあそこに配置すれば大きなリスクもなく、堅実に試合を進められる。

 

 だが、香取隊はその常道を無視して樹里を電気室に配置した。

 

 全ては、水上の読みを誤らせる為。

 

 その、一点の為だけに。

 

 彼女達はリスクを承知で、樹里を操作役に抜擢したのだ。

 

「実際、この選択肢はかなりの危険を伴う。あそこにいるのが木岐坂だってバレちまえば、生駒隊には生駒さんを下に送り込むって選択肢が生まれるからな。幾ら木岐坂でも、閉所で生駒さん相手にやり合うのはかなり厳しい。そうなったら、落とされてた可能性は高かっただろうぜ」

「それでも、香取隊は決断したんですね。そのリスクを承知の上で、生駒隊に勝つ為に」

「そういうこった。ったく、ホントクソ度胸だなあいつ等。分かっちゃいたが、前期までとはマジで比べモンになんねーぜ」

 

 やれやれ、と荒船はかぶりを振った。

 

 実際、この決断を選べる度胸は大したものだろう。

 

 下手をすれば一気に不利になりかねない危険を承知の上で、敢えてリスクを孕んだ選択肢を選んだのだ。

 

 全ては、水上の読みを外す為に。

 

 それだけの為に、彼女達は危険な道を選んだのだから。

 

「それだけではないですね。彼女達は、このMAPの特性を巧く利用していました。木岐坂隊員が転送されたのはMAPの端近くですが、市街地Dは他のMAPと比べても狭い。だからこそ、あのタイミングで電気室に到達出来たワケですからね」

「そうですね。工業地区までとはいかずとも、この市街地Dは比較的狭い地形です。モールが主戦場になるという特性に気を取られがちですが、MAPそのものが狭いという性質を巧く利用しましたね」

 

 また、この作戦を実行するにあたり香取隊はこの市街地Dの特性を利用していた。

 

 樹里が転送されたのは氷見の言う通りMAPの端近くだが、このMAPは比較的狭く中央のモールに辿り着くまでそこまで時間がかかるワケではない。

 

「そういう意味でも、狙撃手殺しの地形なんだがな。外に布陣しても、場合によっちゃすぐに追って来られて狩られちまう。外でも中でも、狙撃手はかなりやり難い地形なんだよ」

「多分、隠岐隊員を落としておいたのもこの為でしょうね。流石に彼が上に陣取っていた状況では、迂闊にモールには近付けなかったでしょうし」

 

 加えて言えば樹里は狙撃手にしては機動力が比較的高く、隠岐が落ちた時点で上からの()もなくなった事からモールへの侵入は容易かっただろう。

 

 むしろその為に隠岐を落としておいたというのは、頷ける話だ。

 

 そういう意味でも、隠岐のあの時点での脱落が趨勢を決定付けたというのは間違いないだろう。

 

「改めて、機動力の高い狙撃手の有用性が浮き彫りになったな。隠岐が落ちてさえいなきゃ、試合展開は全く違うものになったろーぜ」

「ええ、水上先輩の読み違いと、隠岐隊員の脱落。これが戦況を分けた分水嶺だったと言っても、過言ではないでしょうね」

 

 

 

 

「あん二人の言う通りやわ。すまんな、俺の責任や」

「いやいや、どちらかというと俺もですよ。俺が落ちさえしなきゃ、何とかなったかもですし」

「阿呆。指揮したんは俺や。むしろあれは、香取隊の手を読み切れんかった俺が悪いんや」

 

 解説を聞いていた水上はそう言って、自分の責任だと言う隠岐を窘める。

 

 彼の視点からすれば、責任は全て水上本人に帰結する。

 

 隠岐を四階に呼び寄せたのは水上であるし、その上でカメレオンを使う駒への警戒を怠ったのも彼だ。

 

 実際はレーダーの仕様を利用した罠だったのだが、あれは良く考えれば推測は出来た事だった。

 

 香取隊がこのMAPの性質を利用した戦術を使って来た時点で、あの罠は看破して然るべきだったと水上は考える。

 

 それを出来なかったのは間違いなく自分の失策であり、敗因は全て自分に帰結すると言っても過言ではない。

 

「水上」

「なんです?」

「らしくないで。誰の責任どうこうとか、お前らしくないやんか」

「…………!」

 

 だが、当然生駒はそれに待ったをかける。

 

 責任を感じ俯いていた水上は、信ずる主の声によって前を向く。

 

 そこには、ゴーグルのない裸眼のままの生駒が彼に鋭い視線を向けていた。

 

「ランク戦は訓練の場やて、前に言うとったやろ? そのお前がなんで、いちいち責任だなんだ言い出すねん。責任言うなら、香取に負けた俺にもそれはあるんやで」

「ですけど、俺には指揮官としての責任が────────」

「────────あんな、()()()()()()? お前はあくまで指揮官であって、隊長やない。こういう時責任取るんは、隊長(うえ)の仕事とちゃうんか?」

「…………!」

 

 その言葉に、水上は眼を見開いた。

 

 責任を取るのは、隊長の仕事。

 

 生駒は何の混じりけも無く純粋に、そう信じて口にした。

 

 そして、気付く。

 

 自分を見つめる他の隊員達の眼が、何処か温かな事に。

 

 誰も、自分を責めていない。

 

 分かっていた筈の事ではあったが、こうして体感する事でようやく水上はそれを自覚したのであった。

 

「お前に指揮を任せたんは、俺や。やったら、その責任を取るんは俺やないとおかしいやろ。仕事だけぶん投げて責任も取らんとか、最低の所業やん」

 

 それにな、と生駒は続ける。

 

「何を気負うとるんか知らんが、別に今負けたからいうて死ぬワケでもないんや。大規模侵攻(あん時)に何思うたかは知らんけど、訓練で深刻になり過ぎてどないすんねん」

「…………! それは…………」

「ランク戦は、あくまで訓練や。負けても死んだりいなくなったりはせぇへん。やから、もっと気楽にやってええんやで。俺は皆と好きなように戦えれば、それでええんやからな」

 

 水上は、生駒の言葉にハッとなった。

 

 確かに自分は、あの大規模侵攻で生の戦争を体験した事で何処かピリピリしていた。

 

 あの時は何も失わずに済んだが、一歩間違えれば大切な仲間を失う事になる。

 

 そういう組織にいるのだと、水上はあの時強く感じたのだ。

 

 だからこそランク戦と言えど手を抜かず、常に上を目指し続けて力を付けようと誓った。

 

 万が一にも、誰も失わない為に。

 

 自分の大切な居場所を、守る為に。

 

 だが、その所為で気負い気味になっていた事は否定出来ない。

 

 口ではいつも通りを演じていたが、その鬱屈した心情はチームメイトには見え透いていたのだろう。

 

 本心を隠す事は得意な方であると自負する水上であるが、生駒隊は今まで苦楽を共にした仲間達だ。

 

 その大切な仲間が、水上の変調に気付かないと思う方が自惚れであったのだと。

 

 そう、理解したのだ。

 

「そうですよ。水上先輩は、ちょいと真面目過ぎんです。今まで通り、気楽にやってもバチは当たりませんって」

「大丈夫ですってっ! 俺も最初に嵌められて落ちちゃいましたし、やらかし度ではどっこいどっこいですってっ!」

「お前はもうちょい慎重さを覚えなアカンで、海。けどまあ、ウチも言いたい事は同じやな」

 

 真織はそう言って、水上に向き直る。

 

 据わった目を向けられ、水上は若干たじろくがそれで止まる真織ではない。

 

 すぅ、と息を吸い込んで真織は口を開いた。

 

「この阿呆! 一度しくったくらいで何落ち込んでんねんっ! いつも自然体で臨機応変に、がウチらの長所やろがっ! それを分かってるアンタが自分からそれ潰してどうすんねんいうハナシやでっ!!」

「あー、すまん。確かに、らしくなかったわ。堪忍や」

 

 ふん、と檄を飛ばした真織は言いたい事を言い終わったのか、どすん、と椅子に座り込む。

 

 後はそっちで何とかしぃ、と眼で訴えているのが分かったので、水上は苦笑しつつも口を開いた。

 

「すまん、勝手に気負って負担かけとったんは俺やな。その所為で、とかはもう言わん。ただ、一つだけ言うとくで」

 

 そう言って水上は仲間を見回し、告げる。

 

「────────次は負けへん。やから、協力したってな」

 

 水上の言葉に、全員が迷いなく頷く。

 

 生駒隊は元の和気藹々とした空気に戻り、すぐさま雑談を始めるのだった。

 

 

 

 

「それから、鈴鳴の戦術は面白かったな。照明を操作しての奇襲攻撃っつうのは、流石に思いつかなかったぜ」

「そうですね。まさか、モールっていう戦場にあんな使い方があるなんて考えもしませんでした。勉強になりますね」

 

 話は鈴鳴の話題に移り、二人は彼等が採用した照明操作戦術に言及する。

 

 確かにあの戦法は予想外にも程があり、初見殺しとしてはこの上ないやり方だったと言える。

 

 MAPはあくまでも地形を利用するものであって、ああいったギミックを利用するという考え方がそもそもなかったのだ。

 

 それを思いついて実行に移すあたり、鈴鳴の独自性が伺える。

 

「実際に効果が出て南沢は落とせたが、まさか香取が即座にそれに対応してみせるのは大概予想外だったろーぜ。つーか、なんであれに即応出来んだって話だよ」

「香取隊長は、学習能力がかなり高いですからね。勘も鋭いですし、考えてみればあのくらい出来たとしてもおかしくはありません。B級上位のチームの中でも、突破力と対応力に於いては群を抜いている隊員ですからね」

 

 だが、香取はそれに即応し、速やかに照明操作役である太一を処理してしまった。

 

 これが鈴鳴の最大の誤算であり、試合の流れを決定づけたターニングポイントの一つであった事に疑いは無い。

 

 香取の対応力を甘く見た結果とも言えるが、まさかあんな戦法にも即座に対応してみせるなどと思う方が難しいだろう。

 

 そういう意味で、香取の潜在能力(ポテンシャル)に敗北を喫したとも言える。

 

「狙いは悪くなかったが、それでも一点止まりだったってのは受け止めるべきだろーな。自分達の戦術を逆用された結果やられたってのもあるし、詰めの甘さをどうにかするべきだったと思うぜ。まだまだ甘ぇな、鋼の奴も」

 

 

 

 

「キビシーっすね、荒船さん。鋼さん、頑張ったのに」

「いや、結局一点しか取れなかったのは事実だからな。荒船の苦言も、真っ当なものだよ」

 

 村上はそう言って、荒船の苦言を甘んじて受け入れる。

 

 彼からしてみれば来馬を守り切れなかったという負い目もあり、尚且つ荒船も村上の為を想って言っているのが分かるのでこう答えるのも当然と言えた。

 

「いや、今回はぼくも反省点が多いからね。特に、ぼく等の戦術を利用される可能性についてはしっかり考えるべきだったと思うよ。実際、生駒隊はそこはきちんと読んでいたんだからね」

 

 来馬はそう言って、責任は自分こそにあると告げる。

 

 香取のとんでもない対処能力に端を発した今回の失策だが、香取隊に太一が処理された以上同じ事をされる可能性は考慮して然るべきであった。

 

 実際、それをされて隙を突かれて負けたのだから反省点として次に活かすべきだろう。

 

「あれは水上くんの読みが変態的だったとも言えるけど、注意するに越した事はないと思います。配電盤が手つかずで残っていた以上、それを利用される可能性については私も考慮すべきだったのに失念していましたしね」

「うん、あれは初見だから効果があった策だし自分達でMAPを選ばないと難しいから同じ状況になる確率は低いけど、今度からはそういう事もあると考えながら試合に臨もう。着眼点は悪くなかったんだし、次に活かせば良いと思うよ」

 

 はい! と鈴鳴の面々は勢い良く頷き、来馬の言葉を肯定した。

 

 失策も、敗北も。

 

 全ては、次に繋げる為の糧となる。

 

 その認識を以て、鈴鳴は前へと進む。

 

 今は届かなくても、いずれは。

 

 そう想う気持ちは、皆同じなのだから。

 

 

 

 

「香取隊は、マジで香取の対処能力が目を見張ったよな。照明操作戦術に即応してみせたのもそーだが、その戦術を利用した事といい、最後の流れといい、前とはまるで別物だぜ」

「ええ、その照明操作戦術自体は生駒隊に利用されてしまいましたが、それでも対応力の高さが伺えますね。実際、利用された事すらも布石として最後の勝ちに繋げていますしね」

 

 二人の言う通り、今回は香取隊の対処能力がとにかく目を引いていた。

 

 初見殺しも甚だしい照明操作戦術に即座に適応し、それを利用した戦術こそ生駒隊に利用されたものの、最後にはそれすら布石として勝利に繋げてみせた。

 

 その鮮やかな手腕は、前期までとはまるで別物と言って良い。

 

 実際、そのギャップによって生駒隊が惑わされた面もあるのだから大したものである。

 

「改善点を挙げるとすりゃ、生駒隊に照明操作戦術を読み切られた点くらいだな。自分達が思いつくんだから、それを相手に読まれる可能性も考慮しとけ、ってのは流石に今回ばかりは無茶ぶりだと思うけどよ」

「理屈の上では理解出来ても、実際に実践出来るかどうかはまた別ですからね。むしろあれは、作戦を読み切った水上隊員の読みが鋭過ぎたという事でしょう」

「むしろそれ以外に瑕疵らしい瑕疵が見当たらねーからな。結局全員生存で試合に勝っちまったし、このまま躍進が続きそうでおっかねーな」

 

 生駒隊に照明操作戦術を逆用された事が唯一のネックだが、あれはむしろ読み切った水上の方がおかしいと言うべきだろう。

 

 実際、一分一秒で試合展開が変わる戦場で敵の策を読み切るのは相当な処理能力を必要とされる。

 

 あの場面では照明操作を行っていた太一を香取隊が撃破したという情報しかなく、それだけで照明操作戦術を香取隊が利用して来ると推察出来る者が果たしてどれだけいるかという話だ。

 

 結果的に照明操作戦術を利用され即座に潰された事さえ布石として利用して勝利に繋げたのだから、荒船の言う通り瑕疵らしい瑕疵はなかったと言っても過言ではないだろう。

 

「それから、今回は木岐坂が徹底して狙撃手に徹していたのもポイントだったと思うぜ。今まではなんだかんだ派手な弾幕や爆撃を前面に押し出す事も多かったが、今回は隠れて潜んでチャンスを待ち続けて撃つ、っていう狙撃手の基本を忠実に守ってやがったからな」

「ええ、確かに木岐坂さんは射手としても強いですが、狙撃手の位置が分からないというのは相手にかなりのプレッシャーを与えますし、その分だけ仲間が動き易くなります。その利点を活かした、見事な立ち回りでしたね」

 

 加えて、今回樹里は徹底して隠れ潜み、狙撃手としての自分に徹していた。

 

 これまでの試合では中途から弾幕を張ったり派手に爆撃する事もあったが、今回ではそれを行わずにひたすらに隠れ続けた。

 

 それが最後の勝利に繋がったのだから、狙撃手としての基本を忠実に守った結果が巧く作用したと言える。

 

 派手な攻撃だけが、ランク戦に勝つ手段ではない。

 

 それを、直に見せつける結果だったとも言えるだろう。

 

「纏めるか。まずさっきも言ったように鈴鳴は着眼点は良かったが、それでも一点止まりだった事はしっかりと考えるべきだな。もう少し別のプランも用意出来るようになれば、もっと上を目指せると思うぜ」

「生駒隊は、敢えて指摘するなら隠岐隊員を狙撃させずに潜伏させたままにした方が良かったかもしれないですね。壁越し旋空で大体の位置は察せられたでしょうけど、その場合ですと生存が延びる目がありましたからね」

「香取隊は、今言った通りだな。読み自体は悪くなかったが、自分達が気付いた事なら相手も気付いて然るべきだった、ってのは心に留めといて良いだろーぜ」

 

 さて、と荒船は肩を鳴らした。

 

「こんな所だな。これでいいか?」

「ええ、ありがとうございました。では、この試合の結果によりランクの変動が発生します。こちらをどうぞ」

 

部隊順位得点
二宮隊 1位32Pt 
影浦隊 2位27Pt 
香取隊 3位27Pt 
玉狛第二 4位24Pt 
生駒隊 5位23Pt 
弓場隊 6位22Pt 
東隊 7位19Pt 
王子隊 8位18Pt 
鈴鳴第一 9位18Pt 
諏訪隊 10位15Pt 
漆間隊 11位14Pt 
那須隊 12位12Pt 
荒船隊 11位11Pt 
柿崎隊 14位9Pt

 

「今回6点を獲得した香取隊は三位へ昇格。次いで7点を取った玉狛第二と6点を取った弓場隊が上位に返り咲き、鈴鳴第一と王子隊が中位落ちとなりました」

「やっぱ玉狛はすぐ上がって来たか。まあ、あれだけのチームが中位に燻ってるワケねぇとは思ってたが、まさか七点ももぎ取って来るなんてな」

「これまでB級上位に安定していた王子隊が中位落ちというのも、今期の試合の激しさを物語っていますね。香取隊と玉狛が巻き起こした嵐が、全体に吹き荒れているように思えます」

 

 表示されたランキングに、会場は再び沸き立つ。

 

 前回中位落ちした玉狛であるが、矢張りと言うべきか7点という大量得点を以て上位に復帰して来た。

 

 弓場隊も実力的には順当な上位復帰と言えるが、今度はまさかの王子隊の中位落ちだ。

 

 今まで上位をキープし続けて来た隊なだけに、今期の激しさを物語る変動と言えるだろう。

 

「ROUND5の組み合わせも、決まったようです。次の香取隊の対戦相手は────────」

 

 そして、順位が定まった事で対戦組み合わせも決定される。

 

 次なる、香取隊の相対する隊は。

 

「────────影浦隊、そして東隊となります。どちらも、香取隊にとっては今期初の対戦となりますね」

 

 ────────影浦隊と、東隊。

 

 双方共に一筋縄ではいかないチーム、その筆頭であった。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。