「…………!」
ヒュースは迫り来る弾幕を見据え、身構えた。
今、彼は両足を失っている。
右足は、香取によって。
左足は、若村によって。
それぞれ射抜かれ、使えなくなっている。
故に、これ以上の移動は不可能。
ヒュースは、この場での迎撃を余儀なくされた。
「────────」
「────────」
一瞬だけ、遊真と目が合う。
それだけで、
言葉は要らない。
互いの言いたい事など、既に理解しているからだ。
ヒュースには、遊真の手で運んで貰うという選択肢があった。
トリオン体の膂力なら、多少の体格差など無視出来る。
遊真がその気になれば、ヒュースを担いで移動する事くらい容易いだろう。
しかしそれは、無駄に遊真の機動力を削ぐ選択肢に他ならない。
現在玉狛の面子で明確にダメージを受けているのはヒュースだけで、遊真は無傷の状態だ。
そんな遊真に人一人分の重石という枷をかけてまで、ヒュースが無理に移動するのはリスクの方が高い。
だからこそ、二人はこの一瞬で「運ぶ必要は無い」という意識を共有した。
トリオン体であろうとも、一度欠損した手足は基本的に再生出来ない。
故に試合中ヒュースは両足が欠損したままの状態で戦闘を行わねばならず、そんな彼を遊真の機動力を犠牲にしてまで移動させるのはメリットとリスクが釣り合っていないと判断したワケだ。
だからこそ、遊真はホームの奥へと転進した。
少しでも、爆発の被害を受けない場所へと。
結果的にヒュースを見捨てる形になろうとも、彼ならばこの程度の逆境は利用するだろうと信じて。
(妙な違和感も感じる。油断は出来ないな)
ヒュースは遊真が跳んだのを確認すると、すぐさまシールドを展開した。
同時に、若村や香取に向けてトリオンキューブを斉射。
無数の弾丸が、水平方向に射出される。
両面にシールドを張る事も考えたが、それだと先程のように自分のシールドを盾に近付かれる危険がある。
ならば、此処は射撃で牽制し少しでも距離を取る他ない。
ヒュースは、香取は勿論若村も侮ってはいなかった。
前者は無論の事、後者に関しても先程足を撃たれた借りがある。
あの大規模侵攻での戦闘に於いても、ヒュースは若村の攻撃が事実上の決定打となって敗北しているのだ。
故に、彼が若村を侮る事は有り得ない。
戦力的には単体では脅威ではないという評価を下しているが、それと駒としての有用さは別だとヒュースは考えている。
若村は確かに技術面や精神面は拙いが、それでも上の指示を忠実にこなす実行力は備えている。
それに、技術の成長がないワケでもない。
先程の銃撃の軌道変更の技術には、正直驚いた。
しかし、情報に依れば彼は犬飼の弟子なのだという。
ならば、あれくらいはこなせてもおかしくはない。
ヒュースは犬飼と直接戦り合ってはいないが、その戦闘ログはしっかりと確認している。
あれは、味方にとっては居るだけで有難い駒で、敵にとっては生きている限り一瞬たりとも気が抜けない類の戦闘巧者だ。
味方のして欲しい事や敵のやって欲しくない事を的確に読み、盤面を見通しながら冷静に采配を振る事が出来る優秀に過ぎる将兵。
それが犬飼であり、彼が直々に指導したというのであれば本来このくらいは出来て貰わなければ困るレベルだ。
参考の為に前期までの香取隊のログも見ているヒュースだが、そこでの若村の動きは惨憺たるものだった。
チームの一員としての自覚が足りておらず、ただ味方の足を引っ張るだけの置物と化していた。
現在のそれと比べれば、目を覆う程の惨状と言っても良い。
今期で妙に若村を過小評価する隊員が多いとヒュースは思っていたが、これを知っていたのであれば納得出来る。
大抵の相手はあの有り様の若村を知るが故に、侮ってしまうのも無理はないだろうと。
しかしあくまでもログ越しに見たに過ぎないヒュースには、そういった先入観は存在しない。
彼にとって若村は、「自分に土を付けさせた人間」として記憶されている。
故に、侮りはない。
全力で打ち倒すべき敵として、全霊を以て相対するのみである。
だからこそ、最善を尽くす。
────────ヒュースの放った弾丸のうち幾つかが、飛んで来る光弾に接触する。
香取達は、その事に気付けていない。
当然だ。
今弾に向けた弾丸は、ヒュース自身の身体の陰にする形で軌道を隠していたのだから。
ヒュースの弾が触れた瞬間、
周囲の光弾にも誘爆し、ホーム内を爆発が席捲する。
充満する土煙と、爆風。
それにより視界がほぼゼロになった状態で、ヒュースは何が来ても対処出来るように身構えていた。
「────────!」
そして、案の定
ほぼ真上の位置から、香取がスコーピオンを手に襲撃をかける。
背後や真横から来ないのは、エスクードを警戒しての事だろう。
事実、そう来るようであればエスクードで道を阻むつもりだった。
だが、真上を取られるとそうはいかない。
エスクードは地面や壁から生やす代物であり、真上を取られている以上どう使っても妨害としては意味を成さない。
この試合でやけに香取が真上を取ろうとしていたのは、エスクードによる妨害を警戒していた為だろう。
なまじ最初の接敵でその妨害を直に受けてしまっているが故に、香取の中にエスクードに対する相当な警戒が生まれたに違いない。
それが真上を取って奇襲するという行動パターンに現れており、その選択肢自体は悪くない。
今のヒュースは両足が削れ移動もままならない状態であるが故に、猶更有効な手と言えるだろう。
この距離であれば射撃トリガーを構える暇はない筈であるし、弧月での受け太刀をするようであればその隙を若村に狙わせれば良いだけと考える筈だ。
「甘い」
だが、この程度で崩れる程ヒュースは脆くはない。
ヒュースは足元に隠していた最後の残弾を、香取に向け射出した。
来るのが分かっている奇襲に備えない、という選択肢は有り得ない。
だからこそ最初から、この攻撃は予定調和のものであると言えた。
今のヒュースは両足が削れている為、ややしゃがみ込みに近い体勢になっている。
故に身体の陰に弾を隠す事は違和感なく行う事が出来、それを実行に移したまでだ。
ヒュースは最初から、この襲撃まで織り込み済で行動に移っていたのだから。
爆撃というものは、敵の隙を作る為に実行する作戦だ。
トリガーの性質上、爆撃のみで敵を倒すのは難しい。
故に、爆撃をしたのならば当然二の矢が装填されているだろう事は容易に推測出来た。
動けないヒュースにとって今一番脅威なのは、当然機動力が高く突破力に優れる香取の存在だ。
確かに若村の事も侮ってはいないが、だからといって戦力評価に私情を交える事はしない。
単純に、この場で対処が難しいのは香取の方だと冷静に判断していただけだ。
香取は迫る弾丸に対し、咄嗟に横に跳んで回避した。
あまりにも距離が近過ぎたが故に、そうせざるを得なかったのだ。
あと一秒でも発射が早ければ、或いは遅れていれば。
香取は余裕を持って回避するか、シールドを使い強引に突破して来ただろう。
だからこそヒュースは、このタイミングを狙ったのだ。
香取が咄嗟の回避行動を取らざるを得ず、尚且つ次の一手を繰り出す隙を与えない瞬間を。
少しでもタイミングがズレれば、香取はヒュースの妨害を突破してその刃を届かせていただろう。
その攻防のレベルの高さに、一体どれだけの人間が気付いただろう。
それだけ、今のヒュースの手は絶妙だった。
「…………!」
そして無論、それだけでは終わらない。
ヒュースは香取が跳んだ方角に対し、エスクードを展開しバリケードを築いた。
それと、若村の銃撃がエスクードに着弾するのは同時だった。
一挙両得の防御が、二人の攻撃を遮り凌ぐ。
ヒュースはエスクードを張る事で香取の追撃と、若村の攻撃の双方を凌いでみせたのだ。
まさに、鉄壁。
そう誇って良いだけの防御能力を、ヒュースは見せつけていた。
他の隊員ならば、今の過程のいずれかでやられていたに違いない。
ヒュースだからこそ、今の戦闘は切り抜けられたのだ。
「…………!」
だからこそ、その攻撃にも気付けた。
ヒュースのエスクードを迂回する形で飛んで来る、無数の光弾。
あれは恐らく、香取のハウンドに間違いあるまい。
弾数から見ても、それが妥当だろう。
移動さえ出来ればどうという事はない攻撃だが、今のヒュースはシールドを張って防御をする他ない。
「舐めるな」
────────などという、常識は彼には通用しない。
ヒュースは弧月を抜刀し、一閃。
旋空を用いて、迫り来る弾丸を全て斬り落としてみせた。
先程も見せた、彼だからこそ出来る絶技。
旋空である以上、直線上の障害物は全て斬り裂かれる。
それは無論、振るった先にいる若村や香取も同じだ。
二人は咄嗟に横に跳んでヒュースの斬撃を回避し、直撃を避ける。
だが、この状況で貴重な一手を回避に割いた事実は変わらない。
これで、爆撃の後の隙は全て潰せた。
次は、ヒュースの火力を以て反撃する番だ。
「…………っ!」
されど。
その目論見は、次の瞬間崩れ去る事になる。
────────二人とは全く異なる方向より飛来した、無数の弾丸によって。
その弾丸は、爆撃によって破壊された電車の向こう側から飛んで来ている。
つまりこれは、香取に依るものでも若村に依るものではない。
そして、この状況でこの場にいる事の出来る第三者など一人しかいない。
「────────
王子一彰。
修を落とし、駅舎内に潜伏したと思われる王子隊の隊長。
彼が放ったものに、違いなかった。
王子のハウンドは、大きく左右を迂回するようにヒュースに向かっている。
これでは、エスクードによる一方向への妨害では防ぎ切れないだろう。
「────────!」
しかし、ヒュースはこれも凌ぐ。
彼はトリオンキューブを展開し、弾丸を射出。
二方向に向けて弾丸が斉射され、王子のハウンドの悉くを撃ち落とした。
確かに、この場は天井が低く
だからといって、相手の弾を自分の弾で撃ち落とすなどという曲芸が出来るなどと誰が思おう。
トリオン量の差があるのは事実だが、それでも絶技には変わりない。
漁夫の利を狙おうとした王子の攻撃もまた、失敗に終わる。
「────────」
否。
王子の目的は、果たされていた。
────────ヒュースに肉薄する、三浦の姿をその証明として。
(────────まさか。最初から、こいつ等は
それを見て、ヒュースは理解する。
先程から感じていた、言語化出来ない違和感の正体。
それは。
────────爆撃の威力が、
ヒュースは、ログで樹里の爆撃の威力の程を確認している。
彼女の爆撃は、数発で建造物を瓦礫の山に変えるだけの威力を誇っていた。
だというのに、このホームは
確かに破壊され尽くしてはいるが、樹里の爆撃だとすると少々威力が不足しているようにも思う。
その疑問の答えは、単純だった。
(爆撃は、
────────香取隊と王子隊が、組んでいる。
ただ、それだけの事だったのだ。
勿論、示し合わせての事ではないだろう。
単に、状況を察してお互いに利のある行動を取ったに過ぎない筈だ。
だが、その
これだけの連携を仕上げて来る以上、両方の部隊の意思を共有する為の何らかの
ならば、それは何だったのか。
(…………! あの時の、遠隔シールドか…………っ!)
思い当たる節は、一つしかない。
一階で香取と戦った時に展開された、遠隔シールド。
あれが仮に若村や三浦に依るものではなく、王子のものだったとしたらどうだろうか。
それが自分達以外の第三者に依るもの────────────────即ち、消去法で王子のものである事は、香取にはすぐに理解出来た筈だ。
その意味を理解しながらも平然と戦闘を続けてみせた香取の胆力には、驚嘆すら覚える。
本来であれば敵である筈の香取を守ると言う、王子の突拍子もない行動に隠された意図を汲み取る事は、そこまで難しくはない。
要するに、あの遠隔シールドは言葉を介さない共闘の申し入れだったのだ。
玉狛という強大な敵を打ち倒す為の、束の間の協力要請。
それがあったからこそ、香取隊はこの場に自分達を誘導したのだ。
樹里ではなく、蔵内の爆撃を通し易くする為に。
それに乗じて、ヒュースを討ち取る為に。
その思惑の乗った一閃が、煌めく。
この距離では、今更射撃トリガーを展開しての迎撃は不可能。
残弾も、全て撃ち尽くしている。
弧月での迎撃は、悪手。
三浦には、幻踊がある。
ただ受け太刀をするだけでは、あの変幻自在の刃にて攻撃を通されてしまうだろう。
最早、ヒュースはこの刃を受け入れる他にない。
「え…………?」
────────誰しもが、そう思っただろう。
だが、違った。
致命傷を受けたのは、三浦の方であった。
ヒュースの、弧月を握っておらず空いていた左腕。
その手には、いつの間にか小さな拳銃が握られていて。
三浦の胸には、風穴が空いていた。
それは、デリンジャーと呼ばれるタイプの拳銃を模した銃手トリガー。
有効射程や連射性、威力を投げ捨てた代わりに、極限まで秘匿性と携行性を突き詰めた種別の拳銃である。
そのサイズは、掌に収まる程度しかない。
歴史上で護身用、もしくは暗殺用として用いられたデリンジャーは、その気になれば袖口や懐に隠し持ち銃の携行を悟らせる事なく不意打ちを行う事が出来る。
今回はその秘匿性を活かし、ヒュースが奥の手として用意していた隠し札として持ち込んだワケだ。
結果、三浦はデリンジャーによる不意打ちを避け切れずに致命傷を負う事となった。
王子隊との共闘までして行った奇襲は、失敗に終わったのだ。
『トリオン供給機関破損。
機械音声が、三浦の脱落を告げる。
三浦のトリオン体は罅割れ崩壊し、光の柱となって消え去った。
「…………!」
その、刹那。
若村の銃撃が、ヒュースに襲い掛かる。
三浦が破れたとて、試合はまだ続いている。
むしろ此処で追撃をしない方が、おかしいというものだ。
ヒュースは間髪入れずに行われた追撃に対し、即座に対応。
エスクードを展開し、その銃撃を受け止めてみせた。
「────────!」
更に、側面からは香取が襲い掛かる。
それに対し、ヒュースは無言で旋空を振るう。
防御不能の一閃を前に、香取は咄嗟に回避行動を取りその場から離脱。
三浦撃破の隙を突いた奇襲も、ヒュースは凌ぎ切ってみせた。
両足が削れ、移動もままならなくなったというのにこの奮闘。
その堅牢さは、最早言うまでもないだろう。
『二人とも、また来るよ…………っ! 今度は多分、
「…………!」
────────その、瞬間。
ヒュースの耳に、千佳の警告が跳び込んで来る。
未だ香取隊と王子隊の目論見を看破するに至っていないであろう千佳がこう告げるという事は、恐らくは明確に
二度の爆撃により、ホームの天井には大穴が空いている。
幾ら蔵内の爆撃の威力が樹里に劣るとしても、二度も撃ち込めばこうなるのは自明の理だ。
そして、その空いた大穴からこちらに向けて、降り注ぐ弾幕が見えた。
(速い…………っ!)
その弾丸は、途轍もなく速かった。
恐らく、トリオンを弾速重視に調整しているのだろう。
今からでは、射撃トリガーでの迎撃は間に合わない。
旋空も振るったばかりで、腕の硬直が解けていない。
恐らくは爆撃だろうあれは誘爆させればそれで済むだろうが、デリンジャーは秘匿性の代償として連射性能と射程が犠牲となっている。
流石に一発撃っただけで、あれを止められるとは思わない方が良いだろう。
ヒュースは止む無く、シールドを広げて展開した。
幸い、今の攻防で香取と若村はすぐに追撃を放てない状態にある。
この爆撃さえ凌いでしまえば、あとはどうとでもなる。
ヒュースはそう考えて、シールドでの防御を選択した。
堅実に考えれば、この選択肢で間違いは無い。
「…………っ!?」
────────その弾丸が、
「な、に…………っ!?」
誘導設定を弄っていたのか、途中で軌道を僅かに変えた弾幕は、ヒュースのシールドの中央にその全てが着弾。
一点に集中したその弾丸は、ヒュースのシールドを食い破り彼の身体を穴だらけにして致命傷を与えた。
ヒュースは一瞬何が起きたのか理解出来ず、硬直する。
(馬鹿な、今の弾丸は曲線を描いていた…………! つまり、アステロイドではない…………!
だが、そこで気付く。
たった一つの、しかし想定外だった可能性に。
(…………まさか、アステロイドとハウンドの合成弾…………っ!? そんなものが、存在していたというのか…………っ!?)
────────即ち、アステロイドとハウンドの合成弾。
それが、使われた可能性に。
しかし、アステロイドとハウンドの合成弾などというものに聞き覚えはなかった。
一応「現在知られている」合成弾の組み合わせは全てレクチャーされていたが、その中には確実になかったと言い切れる。
(いや、違う…………! 合成弾は、あくまでも
合成弾は出水が偶然開発した代物であり、トリガーを作成した段階では想定されていなかった仕様のものだ。
つまり、厳密な意味で合成弾の組み合わせに制限は存在しない。
加えて言えば、アステロイドと
事実としてその合成弾にやられているのだから、認めるしかないだろう。
アステロイドとハウンドの合成弾という、特大の隠し玉によって自分は討たれたのだ、という事を。
「ここまでか」
『戦闘体活動限界。
機械音声が、ヒュースの敗北を告げる。
その
「く…………」
「…………遅かったか」
遊真は視界の先で、背後から弧月を突き立てられている若村を見た。
彼はヒュースとのアイコンタクト通りに味方の援護ではなく若村の排除に動いたのだが、先んじてその目論見を潰した者がいた。
王子一彰。
彼はいち早く若村に肉薄し、背後からその胸を刺し貫いていたのだ。
「遅かったね、クーガー。悪いけど、
「そういう事か」
そこで、気付く。
王子が共闘を持ち掛けた、その目的。
それは、ヒュース討伐の隙に乗じて若村を討ち取る事だったのだ。
恐らくは、この結果は香取隊も半ば覚悟していただろう。
この状況下であれば、香取と離れて攻撃を行っていた若村が孤立してしまうのは無理からぬ事だ。
王子はその戦術の性質上、隠密能力にもそれなりに優れている。
彼が本気で隠れて奇襲を行えば、ギリギリの戦闘の最中だったという事情も相俟って若村を守り切るのは相当に難しかっただろう。
香取隊はこの共闘を受けた結果、若村が討たれる可能性を考慮していた。
それでも受けたという事は、ヒュース討伐を優先したのもあるだろうが、それ以上にポイントの近い玉狛に点を渡すよりは王子隊にくれてやった方が良いという思い切り故かもしれない。
勿論可能なら守るつもりだっただろうが、王子はそれを許す程甘くはなかったという事である。
『トリオン供給機関破損。
若村のトリオン体が崩壊し、光の柱となって消え失せた。
それが、合図。
ヒュースという大駒がいなくなった戦場で、戦闘が再開された。