香取隊の狙撃手   作:デスイーター

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総評/ROUND8

 

 

部隊得点生存点合計
香取隊426
玉狛第二5 5
二宮隊1 1
生駒隊3 3

 

「決着~! 香取隊長と空閑隊員が、同時に緊急脱出(ベイルアウト)! 木岐坂隊員を狙った三雲隊員でしたが、まさかのスコーピオンで迎撃されて敗退となりました!」

「見事だ。どちらも、良く戦った」

 

 試合が終わり、会場が歓声に包まれる。

 

 小南はぐぐ、と拳を握り締め、レイジは何処か満足そうに腕を組んでいる。

 

 桜子は眼を爛々と輝かせ、太刀川は不敵な笑みを浮かべていた。

 

「最後は見応え抜群だったな。木岐坂の援護で空閑を落とそうとするのかと思えば、まさかの相打ち狙いだろ? 香取がよくあんな作戦承認したよな」

「今の香取は隊長としての自覚が芽生え、俯瞰した視点で物事を見る事が出来るようになっている。必要だと判断したのなら、ああいった事もするという事だ」

「ホント、変わるもんよね。まさかウチの遊真を出し抜くなんて」

 

 ぐぅぅ、と何処か悔しそうに小南はぼやく。

 

 彼女にしてみれば自分の直弟子のような遊真が香取にしてやられた格好になるので、悔しさも人一倍なのだろう。

 

 本来公平な立場で物を言わなければならない解説者としてはどうかと思う態度だが、小南はいつもこんな調子なので今更である。

 

 しかし、三人が驚くのも無理はない。

 

 以前の香取を知っていれば、自分の犠牲を前提とした作戦を承服するなど思いもしなかっただろう。

 

 相手の強さを素直に認め、必要とあらば自分を捨て駒とする事も厭わない。

 

 ランク戦を勝ち抜く為には当然の姿勢だが、プライドを優先していれば出来なかった行動である事は間違いない。

 

 とはいえ、香取にしてみればやれる事をやっただけ、という感覚なのだろう。

 

 香取は修の率いるチームに勝つ事に執心しており、その為に必要な事であればどんな事でもやる、と考えたに過ぎない。

 

 彼女の修に対する感情を知らなければ、不自然に思うのも無理はないだろう。

 

「しかし、徹底していましたよね。敢えて空閑隊員の攻撃を受けた上でワイヤーで拘束し、その上で木岐坂隊員にアイビスで撃ち抜かせたんですから。あれは、あのまま弾幕を浴びせるだけじゃ駄目だったんでしょうか?」

「恐らく、それで空閑が生き残る可能性を潰したかったんだろうな。立ち回り次第では、空閑が即死しない可能性は多少だが有り得た。そうなった場合、香取なしで空閑の相手をする事は難しいと考えたんだろう」

「ま、だろうな。空閑はかなりしぶとい方だし、万が一でも生き残っちまえばそっから逆転も充分あったろ。流石に木岐坂一人じゃ、空閑の相手は手に余る。たとえ瀕死の状態でも、脅威になった事は間違いねーだろーからな」

 

 話題は、香取隊が樹里に狙撃までさせた事に移る。

 

 最後の攻防に於いて、香取は自分の身を犠牲に遊真を拘束しただけに飽き足らず、駄目押しとして樹里に狙撃をさせて自分諸共遊真を撃ち抜いている。

 

 あのままであれば樹里の弾幕を正面から浴びていたにも関わらず、である。

 

 これに関しては、念には念を入れた、という言い方が適切だろう。

 

 遊真の生存能力は尋常ではなく、あそこからでも即死を免れるケースは充分考えられた。

 

 その可能性を恐れたからこそ、香取隊は樹里の狙撃という手札まで切って確実に仕留めに行ったのだ。

 

 たとえ瀕死に近いダメージを与えたとしても遊真が生き残ってしまえば、そこから形勢を覆される可能性はあった。

 

 香取なしで相手をするには、遊真は強過ぎる。

 

 既に樹里の近くまで接近出来ていた以上、トリオン漏出で脱落する前に彼女の下に到達する可能性は消えない。

 

 万が一にもそういった事を防ぐ為、あそこで樹里の狙撃という切り札まで切ったワケだ。

 

 何が何でも遊真だけは確実に落とすという、執念を感じさせる立ち回りである。

 

「だが、どうやらそれは修の想定内だったようだ。いや、そうなるように誘導していた、と言うべきか」

「まさか、三雲の奴が単独で木岐坂を奇襲する事を考えてたなんてな。普通、エースを囮にしてまでやるかよ、って感じだが」

 

 あそこまでやんのか、と素直に感心する太刀川。

 

 そうね、と小南も頷く。

 

「けど、有効ではあったわよね。普通に考えれば、弾を撃った直後で狙撃もやった後なら、あの距離で対処する手段は無い筈だもの」

「木岐坂の攻撃手段は、狙撃と射撃トリガーの二種類。狙撃は一度撃てば再装填(リロード)が必要になるし、射撃トリガーは発射までにタイムラグがある。狙撃直後に至近距離まで肉薄されれば、その場で対処出来る手札はない筈だからな」

「そこに、スコーピオンだからな。あれには驚いたぜ」

 

 三人の驚きも、無理はない。

 

 遊真を囮にしてまで樹里の撃破を狙った修の大胆さは、言うまでもない。

 

 それに関しては、理屈は分かる。

 

 樹里の攻撃手段である狙撃と射撃は、どちらも癖のあるものだ。

 

 狙撃は一度撃てば再装填(リロード)が終わるまで使えないし、射撃トリガーは攻撃までにキューブの展開・分割・射出という工程を必要とする。

 

 狙撃という手札を切った状態では、至近距離まで接近されれば為す術がない。

 

 そう考えて実行に移した修の作戦は、悪くはない。

 

 だが、それを潰したのはまさかのスコーピオンという隠し札。

 

 これには、誰しもが驚いた事だろう。

 

「そういや、木岐坂はC級時代は攻撃手だったんだっけか。出水がそんな事を言ってた気がするな」

「成る程、スコーピオンの扱い自体は手馴れていた、というワケか。それを此処で切り札として持ち込んでいたのは、予想外だが」

「そうね。もぐら爪(モールクロー)を使うくらいだから、それなりに使い慣れてた、って事よね。木岐坂さんがブレードトリガーを使うトコなんて、見た事なかったから驚いたわ」

 

 太刀川からの情報開示に、玉狛の二人は得心する。

 

 樹里が最後に使ったもぐら爪(モールクロー)は、スコーピオンの派生技である。

 

 地面や壁を通してブレードを出現させる技法であり、咄嗟に使うには慣れが必要だ。

 

 それを難なく使っていた事を不思議に思っていたのだが、以前に攻撃手であったのであれば頷ける。

 

 レイジも小南も玉狛支部所属であり、ある一件で樹里とは縁深い。

 

 なので多少なりとも気にかけてはいたのだが、彼女がC級時代何のトリガーを使っていたかまでは把握していなかった。

 

 B級になればおのずと話は聞こえて来るだろう、という考えもあった事は否定出来ない。

 

 樹里はC級からB級になるや即座に射手に転向した為、彼女がブレードトリガーを使った事を知っているのは精々C級時代に対戦した相手やそれを観戦していた者のみ。

 

 しかも樹里と戦った相手で正隊員になった人間はほぼいなかったので、情報が広まる事はなかった。

 

 C級隊員は基本的に出来る奴は自然と上がって来るという形でB級に昇格するのだが、そのごく一部を除いた者達はほぼ万年C級といった感じで停滞するのが常だ。

 

 一度躓いた者がのし上がる事は殆どなく、訓練生の数だけが膨れ上がる一方というのが今のボーダーの現状である。

 

 丁寧に教える事に向いている教官でもいれば話が違うのだろうが、自己研鑽を欠かさず自分を客観的に見て何が足りないのかを試行錯誤する事が出来る人間や才覚に溢れている天才でもなければ、今の環境で正隊員になる事は難しい。

 

 そこを個人の能力頼りになっているのが現状のボーダーの課題である事は間違いなく、それもあって樹里と戦ったC級から情報が拡散する事がなかったのだ。

 

 太刀川は樹里の指導をしていた出水経由で偶然知る事にはなったが、そうでもなければ知らなかったに違いない。

 

 レイジ達が驚くのも、無理はないと言える。

 

「ともあれ、修の最後の策はこの奇襲により潰えて試合は終わった。情報不足と言うには少し厳しいところだが、これは初見殺しを活かした香取隊が上手だったと言うべきだろう」

「これ、今後木岐坂に近付く時にも気を付けなきゃならねぇのが嫌らしいよな。狙撃と射撃を掻い潜ってもブレードがあるかもしれねぇ、ってだけで警戒を割かなきゃなんねぇのは鬱陶しいしな」

「木岐坂さんは割と毎回のようにトリガーセットを変えて来るから、ブレードを持ち込んでるかどうかが分からないのも厄介よね。初見殺しじゃなくなっても影響を残すあたり、中々ね」

 

 三人の言う通り、今回樹里がスコーピオンを使ってみせた事で今後彼女と戦う時にはブレードトリガーでの迎撃を警戒しなければならなくなった。

 

 樹里はほぼ毎回トリガーセットを変えて来るのでその戦闘でブレードトリガーを持ち込んでいるか否かは実際に相対してみなければ分からず、場合によっては存在しない奇襲に警戒を割かなければならなくなる。

 

 それだけで相当な負担であり、初見殺しとしての役目を果たさなくなっても「ブレードトリガーがあるかもしれない」という意識を植え付ける事に成功しただけでも大きなメリットだろう。

 

「そして試合は生存点の差で、ギリギリ香取隊が勝利した。玉狛第二も健闘したと言えるが、僅差で届かなかったな。だが」

「目的自体は、達成してるからね。ホント、良くやったわ」

「はい。では、今回の試合結果を踏まえた今期の最終順位がこちらとなります!」

 

部隊順位得点
香取隊 1位51Pt 
玉狛第二 2位43Pt 
二宮隊 3位41Pt 
影浦隊 4位40Pt 
弓場隊 5位32Pt 
生駒隊 6位29Pt 
王子隊 7位29Pt 
東隊 8位29Pt 
鈴鳴第一 9位29Pt 
諏訪隊 10位29Pt 
漆間隊 11位22Pt 
荒船隊 12位19Pt 
那須隊 13位19Pt 
柿崎隊 14位17Pt

 

 桜子の言葉と共に、スクリーンに最終順位表が表示される。

 

 その結果を見てレイジは眼を細め、小南はふふん、と胸を張った。

 

「ウチの子達の順位が繰り上がって、B級二位よ! これで目的達成だわ!」

「試合には負けたが、目的は達成した。今回は、それで良しとするべきか」

「ま、良いんじゃねーの? 最低限の目的は達成したんだし、もっと上を目指すのは次回って事で」

 

 今期のランク戦に於ける玉狛第二の目的は、B級二位以内の達成。

 

 それ自体は、既に遂行されている。

 

 試合には負けてしまったが、そもそも辻を得点させる事なく退場させた時点で目的は達成されていたのだ。

 

 その後の試合はほぼ意地の張り合いのようなものだったので、負けても仕方ないとまでは言わないが許容範囲ではあった。

 

 少なくとも修に関しては、そのように考えている筈だ。

 

 彼に関してはプライドなどに拘る筈がなく、己の定めた目的達成こそが至上であるので今回の結果には満足しているだろう。

 

 目的達成後試合を継続したのも、「今後に向けて少しでも多くの戦闘データが欲しい」という意識でしかなく、最後の策が効かなかったのも良い経験の一つとしてカウントしている筈だ。

 

 遠征へのRTAをしているような感覚であっただろうから、無理もない事だが。

 

 他のチームとは根本的に見ている部分が違うが故の、意識の差と言える。

 

「繰り下がりで、二宮隊がB級三位で影浦隊がB級四位か。これ、今期が始まる前と比べて大分荒れた結果になったなー。ダークホースの玉狛とメッチャ強くなった香取隊の影響がデカ過ぎたな」

「今期はまさに、その二部隊がまさに台風の目でしたからね。とはいえ、ここまで結果を残すというのは中々に予想外でした」

「玉狛第二はランク戦の初参加故の初見殺しを多く持ち込んでいたし、次は難易度が上がる筈だ。今回は、様々な条件が重なったが故の結果とも言える」

 

 とはいえ、とレイジは続けた。

 

「目的達成まで、良く頑張った。その結果は、こうして表れたんだしな」

 

 

 

 

「レイジさん…………」

「何とか、目標は達成出来た。最後の作戦が失敗したのは今後の課題だけど、今はそれで良しとしよう」

 

 修はそう言って、レイジの言葉に感極まっている千佳の肩に手を置いた。

 

 遊真はにこりと笑っており、ヒュースはふん、と鼻を鳴らす。

 

「試合には負けたが、お前は契約通りB級二位以内という目標を達成した。オレとしては文句はない」

「ああ、ヒュースのお陰だよ。ありがとう」

「勘違いするな。オレは自分の仕事をしただけだ。此処までの絵図を描いたのは、お前の成果だ。そこを間違えるな」

 

 素っ気なくしているように見せて修を称賛する内容しか言っていないヒュースを見て、遊真が再びにまりと笑う。

 

 千佳も何処か微笑ましそうな顔で見ているし、生暖かい眼で見られている事を気付いていないのはヒュース当人だけだ。

 

 なお、修は額面通りにしか言葉を受け取らないので、目立った反応は無い。

 

 概ね、和気藹々とした空気が四人の間では流れていた。

 

「これで一先ず目標は達成した。後は、今後の事に意識を向けるべきだろうな」

 

 

 

 

「二宮隊は、今回ほぼ全部隊に睨まれての四面楚歌の状況だったな。常に狙われる立ち位置にいる部隊ではあったが、今回はそれが顕著だったな」

「ヒュースを倒した後は、ほぼ総力戦で二宮を狙われたからな。その前も犬飼がやられてるし、ヘイトを向けられ過ぎてた印象があるな」

 

 話は、二宮隊へと移る。

 

 今回二宮隊は、ほぼ全部隊から集中砲火を浴びせられる形での戦いを強いられていた。

 

 それ故に一点しか取れなかったとも言えるが、それでも点をもぎ取っているあたりは流石と言える。

 

「ウチの子達、というか修がそういう風に誘導してた部分もあるわよね。いえ、元々あった状況を利用して、ってのが正しいのかもだけど」

「そうだな。今回の試合で玉狛第二は二宮隊に余計な点を取られるワケにはいかなかった。だからこそ最優先排除対象と定めて、二宮隊を「落とし易い」状況へ持って行った。元々B級トップ部隊であったから、彼等を倒す経験をしておきたいと考えていた部隊は少なくない。今回は、それを利用した形だな」

 

 今回最も二宮隊にヘイトを向けていたのは、玉狛第二と言える。

 

 彼等にとってB級二位以内という目標を達成する上で一番の障害だったのが、二宮隊だ。

 

 だからこそ、手段を問わずに犬飼を落とした上で香取隊と疑似的な共闘を行う事で女性を斬れない辻を事実上封殺し、二宮を孤立させた上で総力で落としにかかった。

 

 そこまでのお膳立てをしたからこそ、三浦を撃破した際に隠岐がきっちりと辻を始末してくれた。

 

 状況に助けられた部分も多いとはいえ、あの二宮隊に勝てたというのは快挙と呼ぶべきだろう。

 

「もっとも、今回のように巧く行く事は早々ないだろう。来季でも、その強さは存分に見せつけてくれるだろうからな」

 

 

 

 

「とまあ、レイジさんもああ言ってるんだし、気にする事ないよ辻ちゃん。君は、充分仕事をしてくれてたって」

「犬飼先輩…………」

 

 二宮隊の隊室では、そう言って犬飼が辻を慰めていた。

 

 辻は今回自分の女性恐怖症の所為で二宮を孤立させてしまった事を大いに悔いており、その後点を取れなかった事もかなり気にしていた。

 

 いつも涼しい顔をしている為分かり難いが、辻は結構繊細なタイプで失敗も引きずり易い。

 

 失敗自体が少ないので中々露呈しないのだが、今回に限っては自分の所為で負けたという意識もある為か尾を引いているようだ。

 

「辻、お前が女を斬れない事など承知している。それを無理に克服しろと、俺は一度でも言ったか?」

「…………いえ」

「要求していない事を、無理にやれと言った覚えはない。俺はお前の腕を買って、この部隊に入れた。抱えている弱点を、今更どうこうしろとは言わん。お前はお前の出来る領分の中で、最大の結果を出してくれればそれで良い。俺が言えるのはそれだけだ」

 

 なので、今回は珍しく二宮が比較的分かり易い形で辻を激励した。

 

 常に言語が暴言に変換される二宮としては、かなり穏当な言い方と言える。

 

 それだけ、彼も辻の事を気に掛けていたという事だろう。

 

「…………分かりました。今後も、精進させて頂きます」

「それで良いと言っている。分かったら座れ、いつまで突っ立っているつもりだ」

 

 はい、と言って着席する辻を横目で見ながら、犬飼は顔を上げる。

 

「ま、やり口はいやらしかったけど、ホント良くやったよね。玉狛第二も、香取隊も、一先ずはおめでとう。けど、来期はこうはいかないからね。覚悟しといてよ」

 

 

 

 

「生駒隊は、今回ヒュースを倒す為に二人も持ってかれたのが響いたよな。その後も水上がすぐにやられてるし、割と散々だったな」

「だが、得点自体は重ねている。どちらもお膳立てされた状況だったとはいえ、仕事をきっちりこなした事は評価されるべきだろう」

 

 今回、生駒隊はヒュースという大駒を倒す際の戦闘でエースの生駒を含む二名が落とされ、その直後に水上も撃破されている。

 

 ヒュースを倒す為には戦力動員は仕方なかったとはいえ、その割を最も喰った部隊と言っても過言ではないだろう。

 

「今期で順位は大きく落としたが、元々地力の高い部隊だ。来季でどうなるかは、まだ分からないな」

 

 

 

 

「隠岐はよくやったで。隠岐が辻落としてなかったら、俺等二点で終わっとったしな」

「そやな。あそこできっちり落としたんは偉かったで」

 

 生駒と水上はそう言って、隠岐を労う。

 

 労われた側である隠岐は苦笑しつつ、その称賛を受け入れた。

 

「あらら。そんな褒められんと照れてまいますよ」

「アカンやん。隠岐に赤面させたらまたモテるんと違う?」

「いやいや、だからモテませんって」

「その顔でモテへんワケないって。仕事も出来るイケメンとか、ほぼ無敵やない?」

 

 なお、その後コントに続くのが生駒隊らしいと言える。

 

 倍速で話を脱線させた後の彼等がどうなったかは、言わずもがなであった。

 

 

 

 

「色々と波乱に満ちたランク戦も、これで全行程が終了した。皆、よくやった」

「そうね。皆、頑張ったわ。お疲れ様」

 

 レイジと小南はそう言って、参加者全員に労いの言葉をかけた。

 

 太刀川も敢えて言葉にはしないが、静かに頷く。

 

 その様子を見て、桜子が再びマイクを握った。

 

「では、このROUND8の終了を以て今期のB級ランク戦の全試合が終了となります。皆様、お疲れ様でした!」

 

 桜子の宣言により、B級ランク戦の全工程終了が告げられる。

 

 こうして、波乱に満ちたランク戦は漸く終わりを迎えたのだった。

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