香取隊の狙撃手   作:デスイーター

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各章解説・及び裏話/9章

 

 

『第九幕~B級ランク戦ROUND4/Fourth Rank Battle of White Girl』

 

 文字通り、ROUND4の章です。

 

 今回の試合では、生駒隊と鈴鳴の2チームと戦う事になります。

 

 解説に荒船と辻ちゃんを採用したのは、前者は村上と深い関係のある人物であり、後者は生駒さんに関する反応をさせたかったからです。

 

 前者は言わずもがな、後者は遠征試験編での反応を見る限り、辻ちゃんって剣士として純粋に生駒さんをリスペクトしてると思うんですよね。

 

 「生駒さんなら出来る筈」っていうのは相応に相手の事を上位の実力者として認めてないと出て来ない台詞ですし、事実純粋な攻撃手として辻ちゃんとどちらが強いかと言われれば生駒さんの方でしょう。

 

 辻ちゃんとは分野が違うというか、辻ちゃんはサポーターとしての役割に徹しているのに対し、生駒さんはバリバリのエース攻撃手(アタッカー)なので立ち回り自体も違いますが、一騎打ちでどちらが勝つかと言われれば生駒さんの方だと思います。

 

 少なくとも、辻ちゃん側はそう思ってるっぽいです。

 

 なので直接接して正体がバレていない段階に於いては、ある種のファンボーイとして話してくれると思い抜擢しました。

 

 氷見さんが着いて来たのは作中説明した通り、別のオペレーターを宛てがうと辻ちゃんが緊張して解説が出来なくなるからです。

 

 このくらいのフォローは桜子にしろ氷見さんにしろ出来る筈なので、自然とこうなりました。

 

 解説席で荒船さんが語った試合では市街地Bが選ばれましたが、鈴鳴の新戦術に翻弄され成長した柿崎隊が照屋ちゃんの単騎特攻で穂刈を落としています。

 

 鈴鳴の戦術が通った以上このままではどうしようもないと判断した照屋ちゃんが柿崎さんに進言し、それが通った形ですね。

 

 このように描写されていない試合でも、ある程度の内容は考えてあります。

 

 少なくとも解説席等で言及した試合については、考えてあると思って頂いて構いません。

 

 主人公チームに負けた側もその経験を糧にきちんと成長している、という風に受け取って頂ければ結構です。

 

 さて、今回の試合で選ばれた市街地Dですが、知っての通り狙撃手封じの側面が強いMAPです。

 

 前作で実装した市街地E程じゃないですが、このMAPでは狙撃手の出来る事がかなり限定されます。

 

 概ねショッピングモール内での戦闘になるので、高所のビル等に陣取って相手の位置を俯瞰する立ち回りも難しくなりますし、点を取ろうとすれば狙撃手もモール内に入って戦う事が半ば余儀なくされます。

 

 なので狙撃手がいないチームにとってはこのMAPはある種選び得、というワケにはいきません。

 

 何故なら、MAPの特殊性が強過ぎて仕掛けた側も相応の制限を受けるからです。

 

 モール内で戦うのが半ば必須であるこのMAPでは、遭遇戦になる確率が多のMAPよりも高いです。

 

 合流もし易いのでそういう意味では工業地帯と似通っていますが、重要なのは「吹き抜けで上層階まで直接繋がっているMAPの構造」です。

 

 このモールの中央には大きな吹き抜けがあり、上層部に行けばそこから各階層をある程度見回す事が出来ます。

 

 ですが吹き抜けに近付けば当然上下から視認される危険も増す上に、通路がそこまで広くないので一度見つかった場合逃走の難易度が高いんです。

 

 また、機動力の高い隊員であれば原作の遊真やヒュースのように吹き抜けを使って一気にショートカットが出来ます。

 

 ですので機動力が左程高くないタイプの攻撃手が格上の相手と遭遇した場合、そのまま倒されてしまうというケースが十二分に考えられます。

 

 加えて開けた店舗が連なる構造なので壁も破壊し易く、敵に発見され易いMAPでもあります。

 

 なので、機動力が低い駒はこのMAPでは狙い撃ちにされ易くなっています。

 

 要するに、このMAPでは機動力が高く三次元機動が得意な攻撃手の独壇場になり易いんです。

 

 ヒット&アウェイがやり易い上に、狙撃の脅威も他のMAPより低く、何より足場に困らない。

 

 そういった意味で、香取のようなスピードタイプの実力者にとってはかなり戦い易い舞台と言えます。

 

 市街地Dは樹里の超々遠距離狙撃を封じる事が出来るのは確かなんですが、彼女の場合別の活用方法もあるので、鈴鳴がこのMAPを選んだ本当の価値は矢張り太一のスイッチョフ戦術にあります。

 

 とはいえ、それも結局は利用されてしまう結果となるのですが。

 

 今回の試合で戦う鈴鳴と生駒隊について、私なりに解説しようと思います。

 

 鈴鳴は良くも悪くも、「村上というエースが強いチーム」です。

 

 攻撃手(アタッカー)4位である村上の個人戦力は相当に強く、攻撃手同士の戦いであれば大抵はゴリ押せるだけの強さがあります。

 

 彼クラスのエースを擁する部隊が少ないB級中位クラスでは上の方の順位に位置しているのも、納得の強さでしょう。

 

 ですが、極論それだけで他の強みが薄いという弱点があります。

 

 太一は実のところ狙撃手として、そこまで仕事が出来ているとは言えません。

 

 狙撃手の仕事は外岡のように徹底して隠密し、ここぞという時に点を取る。

 

 もしくは隠岐のように素早く高所を取り、俯瞰視点で情報を収集しアドバンテージを獲得する。

 

 大別すれば、この二つに分類されます。

 

 三輪隊の古寺・奈良坂のように攻撃手の援護を二人がかりでやる、というのはかなり特殊な部類であり、尚且つあれは米屋・三輪の前衛が高い対応力を持っている為に成立する部隊単位での個人能力の高さありきのものなので、参考にはなりません。

 

 そもそも相手が迅さんという狙撃無効の相手でなければ状況に応じた戦術を取るでしょうし、あれは特殊な状況下での次善の戦術だったと考えた方がしっくり来ます。

 

 基本的に狙撃手の仕事というのは、隠れて不意打ちで点を取るか、高所からの視認で情報アドバンテージを獲得し部隊に共有する。

 

 この二種類であると覚えて頂ければ結構です。

 

 ですが太一は隠密がそこまで得意と言える描写がなく、何より来馬さんがやられそうになると自分から出て来てしまうという致命的なポイントがあります。

 

 それが鈴鳴というチームであるのは太刀川さんが言う通りなのですが、完全に戦術的な面で見た場合狙撃手として勝利に貢献出来ているかと言われれば怪しいところです。

 

 ですので来馬さんが両攻撃(フルアタック)を解禁して前に出て戦力となり、「守られる案山子」でなくなる新戦術は鈴鳴なりに利に叶った戦術ではあるのです。

 

 彼らなりの最善を尽くした結果であるのは間違いなく、正統な成長と言えるでしょう。

 

 ですが、エースである村上が戦力で劣る来馬さんを庇ってしまうという弱みがなくなったワケではなく、原作ROUND7でもしっかりと修にそこを突かれていました。

 

 ですので原作ROUND3のように物理的に来馬さんと合流出来ない状態になり、敵を各個撃破出来る状態になった方が村上は隙がなくて格段に強く手が付けられません。

 

 村上を落とす場合は、矢張り彼が庇える位置にいる状態で来馬さんを狙うのが効果的と言わざるを得ないんです。

 

 修はそこを躊躇するような性格じゃありませんし、それは香取隊も同様です。

 

 香取が以前に村上と戦って勝ったが記憶していないと説明しましたが、その時はまだ村上がB級に上がったばかりで経験が少なかった為、香取というポテンシャルの怪物に勝てなかったというだけの話です。

 

 村上の強さは再戦時こそ発揮されるので、素の能力値が馬鹿高い香取なら初戦で勝ってもおかしくはないでしょう。

 

 ともあれ、鈴鳴が上を目指すには極論村上が強くなるしかありません。

 

 村上が勝てないエースがいる場合、ジリ貧になって負けるしかないのが鈴鳴の弱みです。

 

 それが分かっているからこそ、原作で村上に対し太刀川は敢えて厳しい言葉を投げかけてるワケですね。

 

 お前達のやり方で上を目指すなら、村上が強くなるしかない、と。

 

 あれは、そういう意味の激励(エール)なのだと思います。

 

 さて、生駒隊ですがこちらは簡潔に言えば総合力の高いチームです。

 

 特に、臨機応変な対応力ではB級の中では群を抜いて高いです。

 

 試合前のミーティングが適当な雑談に見えるのも、「その場その場で臨機応変に」で大体どうにかなるからです。

 

 荒船隊のような一つの得意分野に特化した部隊の場合、型に嵌まれば強いですが、反面不利な条件が重なるとあっさり負ける脆さがあります。

 

 ですが生駒隊はその逆で、極端な得意分野があるワケではないがこれといった苦手分野が存在せず、多少想定外な事が起こってもアドリブでどうにか出来る能力を持ったメンバーでチームが構成されています。

 

 南沢は迂闊な面が目立ちますが遊撃手として優秀で、勢いがあるので場合によっては格上喰いも可能なキャラクターです。

 

 一度はマスタークラスになった事もあるので実力は折り紙付きではあり、特攻癖とも言える「実力があるが為に相手を落とせると思って前に出過ぎる」傾向のお陰で序盤で退場し易いのが難点ではありますが、確かな突破力は持っているので終盤まで残れば原作最終ラウンドのように大駒を落とす役割も任せられたりします。

 

 なので彼の試合を描く時は序盤で落とすか終盤で活躍させるか、そこはある程度決めて置いた方が扱い易いと思います。

 

 迂闊な挙動で落ちてしまった、でもチームプレイで格上を討ち取る、でもどちらも可能なのが南沢のポイントです。

 

 試合展開の調整役としてかなり便利なので、この特性は覚えておきましょう。

 

 隠岐は、序盤で落としておかないと重要な仕事をこなされてしまうタイプの狙撃手です。

 

 彼の役割は速攻で高所を取り、スコープ越しの視認で敵の位置を把握して情報アドバンテージを獲得する事が第一です。

 

 いけそうと思ったら割と躊躇なく撃つタイプではありますが、同時に必要なら静かに隠密を継続出来るキャラでもあります。

 

 グラスホッパーを使えるという事は身体センスもかなり高いと見るべきですし、隠密能力もしっかりと高水準なのが原作最終ラウンドで確認出来るのでかなり優秀な隊員です。

 

 生駒隊の特徴である臨機応変をしっかりと体現しており、その場その場で最適な行動を行い頭も柔らかく機転も利きます。

 

 チームに欲しい狙撃手は、と聞かれたら荒船と並んで上位に来る駒でしょうね。

 

 生駒さんは、生駒旋空という超射程の防御不能技を繰り出す凄腕剣士です。

 

 障害物を貫通して一刀両断するその斬撃の脅威は半端ではなく、原作でも二宮さんを一度撃破しているらしいので、生駒隊を相手にする上で真っ先に警戒しなければならない相手でしょう。

 

 ですが、強みが生駒旋空だけというワケでは勿論なく、白兵戦能力も相当に高く学習能力も高いです。

 

 近界の傭兵だった遊真の動きも一度見ただけで見切っていますし、伊達に二宮さんに続いて遊真のキルに成功しただけはあります。

 

 遠近両方に対応出来る上、平均点な能力が高い。

 

 理想的なエース攻撃手(アタッカー)と言えるでしょう。

 

 ちなみに生駒旋空は連射出来ないので、描く上でそこは注意です。

 

 連射をするのであれば通常の旋空の方を使わないといけないので、間違えないようにしましょう。

 

 水上は原作遠征試験編で描写された通り、かなり頭の回るブレインです。

 

 読みが鋭く、相手の作戦を利用するなんて真似も平気でやれます。

 

 何より生駒隊は一体感が半端ないので、水上の指示が実行に移されるまでのタイムラグがほぼありません。

 

 伊達に原作で二宮さんから能力面を評価されて「一緒に遠征に行きたい隊員」に選ばれてはいません。

 

 今作の大規模侵攻で二宮さんがああいう対応をしたのは、水上を評価していると情報があった為ですしね。

 

 これらの情報の下で試合を解説しますが、香取はこのMAPが自分にとって相当に都合が良い場所である事は既に承知していました。

 

 他ならぬ樹里との試合で使ったので、その特性を知っていたのも大きいですね。

 

 なので南沢を罠にかけられればそれで良し、乗って来ないなら別の手を使うつもりでしたが、十中八九乗って来るだろうとは思っていました。

 

 今回の参加者の中でも南沢は前述の通り相当に勇み足なタイプであり、いけそうと思ったら迷いなく飛び出して来ます。

 

 そういう特性込みで、香取隊は「狙い易い相手」として彼をターゲッティングしたワケですね。

 

 荒船が解説した通り、ランク戦は点取り合戦なので「誰が落とし易いか」と見極めるのは重要です。

 

 誰を落としても得点は変わらないのですから、楽に取れる点があるならそちらを狙った方が良いに決まっています。

 

 そのあたりが上手なのが王子隊であり、それのみに特化した戦術を取るのが漆間ですね。

 

 香取隊のように格上喰いも可能な構成のチームや二宮隊のように普通に蹂躙すれば勝つチームはまた別の視点もあるのですが、一般的には荒船の考え方が常道でしょう。

 

 ですので、鈴鳴も同様に南沢に狙いを定めており、まんまと横取りされました。

 

 消灯戦術が炸裂し、急いで暗視を適用した直後の点灯で眼を晦ませて隙を突いて落とす。

 

 これを喰らって即落ちしないのはそれこそ影浦でもなければ無理でしょうから、問答無用で落とされました。

 

 ですが、香取は即座にこの戦術を利用します。

 

 再点灯を見越して暗視を適用せず、オペレーターの指示に従って電気室に移動。

 

 スイッチ操作係をやっていた太一を撃破し、鈴鳴の作戦を破綻させます。

 

 その後は天井裏に控えていた隠岐の観測情報により、生駒旋空が炸裂。

 

 来馬さんの片腕片足が落とされます。

 

 これで来馬さんは機動力を削られた上に両攻撃(フルアタック)も出来なくなり、一気に苦しくなりました。

 

 銃手が射手に劣る点として、身体の欠損が直に戦力低下に直結する事があります。

 

 射手は極論生きてさえいれば幾らでも弾を撃てますが、銃手は銃を握る腕がなければ何も出来ません。

 

 加えて腕が銃を持つ事で物理的に埋まる上に銃身には弧月のような強度もないので、攻撃手に懐に入られれば詰みます。

 

 距離を詰められれば弱いのは射手も同じですが、置き弾等の絡め手も使えない点で腕の欠損が無視出来ない戦力低下に繋がるのは間違いありません。

 

 しかも片足がなくなれば機動力は相当に削がれるので、敵としてはかなり狙い易い相手となってしまいます。

 

 事実上、これで鈴鳴は詰みに限りなく近くなった状態と言えるでしょう。

 

 来馬さんが生きている限り村上は彼を庇ってしまうので、それを利用しない手はないでしょうから。

 

 加えてその後隠岐が落とされたものの、生駒さんと村上の一騎打ちが発生します。

 

 横槍ありなので正確に言えば一騎打ちとは言えませんが、これで村上は手一杯になってしまいます。

 

 これで処理能力が限界近くまで圧迫された上で個人技で生駒さんを上回りかけたのは流石と言えますが、香取隊が仕掛けた消灯戦術によって隙が出来て落とされてしまいます。

 

 水上は「折角スイッチ操作役を排除したんなら利用しない手はないやろ」と香取隊が鈴鳴の戦術を利用するだろう事を想定しており、その上で作戦を組んでいました。

 

 それで見事鈴鳴を撃破したワケですが、生駒隊の誤算はこの時のスイッチ操作役を若村だと誤認した事です。

 

 これまで試合中影も形も見せず、戦力的に特筆したものがあるワケでもない若村を使うのであればそこだろうと、当たり前の推測をした結果ではあります。

 

 普通なら狙撃手を狙撃もせずに位置を露見させるような真似をするワケではないので、当然ですね。

 

 ですが香取隊はそんな評価こそを逆手に取り、樹里を自然な形で一階に待機させる事に成功しました。

 

 狙撃手の樹里をまさか一階の隅に置くというのは常識から考えると有り得ない配置であり、完全に失念していたのです。

 

 ですが、樹里は知っての通り射手としての性質も併せ持つ特殊な狙撃手です。

 

 彼女自身狙撃手の常道に拘りはなく、自分がやりたい動きや指示された動きを躊躇なくこなします。

 

 そこが、水上の計算違いだったワケですね。

 

 当たり前の計算をして、外れ値を引いてしまった形です。

 

 加えてこれまでの試合での樹里の派手な爆撃をログで見ていたので、仕掛けて来るならモールの外からだろうと外ばかりを警戒していた為でもあります。

 

 だからこそ不意に現れた若村への対応が遅れ、樹里の狙撃による介入で香取の勝利に終わったワケです。

 

 あの状況では一階へ向かう事の出来る駒はおらず、目視での確認が不可能な状況だった事もポイントですね。

 

 今回の試合では鈴鳴と生駒隊、双方が想定外のミスによって墓穴を掘ってしまった形となります。

 

 鈴鳴は作戦は悪くなかったのですが、文字通り相手が悪かった。

 

 生駒隊は純粋に樹里に対するデータが足りず、判断を誤った。

 

 この二点に尽きます。

 

 ちなみにこの試合はMAP選択や鈴鳴の動きを見て分かる通り、原作ROUND7のオマージュでもあります。

 

 影浦隊の代わりに生駒隊を入れたらどうなるか、というシミュレーションでもありました。

 

 生駒隊はどのMAPでもマイナス補正がつかないタイプの部隊なので、その強みを活かした描写を心掛けたつもりではいます。

 

 さて、試合後に千佳が不完全ながら人を撃てるようになった事が判明します。

 

 但し、見て分かるように人に「向けて」撃てるようになっただけで、完全に「人を」撃つ事が出来るようになったワケではありません。

 

 ですが相手からしたら超威力の弾がガンガン飛んで来るので、対応を余儀なくされる意味で充分以上の脅威であるのは間違いありません。

 

 その後、試合ログを見たユズルが千佳に接触します。

 

 原作でもユズルが千佳に興味を持ったのは、師匠である鳩原と似たものを感じたからでもあるのでしょう。

 

 実際に彼が千佳が人を撃てないと知ったのは知り合った後ですが、重ねて見ていた部分があったのは否定出来ないと思います。

 

 その千佳が人を撃てるようになったと思われる製造を見て情緒がグチャグチャになり、偶然会った本人の答えを聞く中で、鳩原失踪直前の自分の発言を客観的に振り返る事になりました。

 

 あの時のユズルの発言は「いずれきっと撃てるようになる=頑張っても撃てない人は一生撃てない=お前に遠征は無理だ」と言っているに等しく、あれが鳩原の精神へのトドメになった可能性は否定出来ないでしょう。

 

 そうなるとユズルが一方的に抱いていた二宮への敵意も見当違いだった可能性が出て来たので、居ても立っても居られず二宮の所に特攻したワケです。

 

 二宮はユズルの返答次第では追い返すつもりでしたが、真摯に自分の気持ちを伝えて来た事で鳩原の真実を話します。

 

 作中で話した通り、二宮さんは千佳の変化を見てユズルが何らかの行動を起こす事を予見して、上層部に情報開示の許可を取っています。

 

 あれで二宮さんはユズルの事について相当気にかけており、彼が千佳と接触した事も把握していました。

 

 なので千佳の変化を見てユズルも変わる可能性があると考えて、上層部に直訴したワケです。

 

 勿論相当渋られましたが、「万が一の時は自分が責任を取る」「他の者には影浦隊を含め一切情報を伝えない」事を確約する事でどうにか許諾を得た形です。

 

 今作では最終決戦に両者を参戦させる都合上、二人の蟠りはどうにかしておきたかったので起こしたイベントですね。

 

 元々面倒見の良い性格を言動で台無しにしているのが二宮さんなので、機会があればこういった行動を起こしてもおかしくありません。

 

 原作でも鳩原の件で上層部に直訴に行くくらいですし、そういった行動力はしっかりとあると思います。

 

 これでユズルが遠征に行く明確な理由が出来た為、二宮との約束を守り影浦達に内情を伏せたまま協力を要請します。

 

 事情を話せない事を含めて副作用(サイドエフェクト)込みで察した影浦は勿論承諾し、影浦隊も遠征を目指す流れとなります。

 

 こういう流れがあったので、最終決戦での彼等の参戦がスムーズに行えました。

 

 影浦隊としても遠征の成否に関わる上層部にポイントを稼げるであろう任務には乗り気であったという理由もあり、あの流れに繋がったワケですから。

 

 それを未来視で知っていた迅が裏で動いていたというのもその後分かるので、敢えて説明するまでもないかもしれませんが。

 

 そして最後に、この章である意味最も重要な場面。

 

 エネドラッドによる、ククロセアトロの情報開示ですね。

 

 ですがこれは少々長くなるので、次の裏話解説「ククロセアトロ戦役編」に回します。

 

 ククロセアトロのバックボーンも含めて色々と説明するので、お楽しみに。

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