『第十二幕~B級ランク戦ROUND6/Sixth Rank Battle of White Girl』
というワケで、ROUND6の章です。
対戦相手は、玉狛第二と王子隊。
それぞれ、因縁の相手との再戦となります。
今回はヒュースが加入した玉狛第二の初戦ですし、王子隊はROUND2の件で少々借りがあるので少なくとも香取は強く意識しています。
要するにどちらも香取からの警戒度MAXの部隊長を有している、という事です。
そういう意味で香取隊は今回、かなり気合いを入れて挑んでいます。
さて、今回実装した市街地Fは前作にも出していない初登場のオリジナルMAPです。
こちらもワートリ創作者で使いたい方がいれば、使って頂いて構いません。
実はこのMAPは私の地元の県のとある市をモチーフとしており、駅舎内の描写から分かる人には分かるかもしれません。
元々このMAPは「駅舎」として実装予定だったのですが、色々と考慮を重ねた結果駅舎を内包する市街地MAPとしての実装と相成りました。
簡単に説明すると、「駅舎」と「線路」、そして駅舎奥の高台にある展望ビルが設置された市街地Aと考えて差し支えありません。
市街を一周するように線路が敷かれており、電車自体も定期的に自動で動くようになっており、本来は電車上での戦闘も考えていました。
しかしシミュレーションの結果電車戦闘が起きる事はなくお蔵入りになったので、前々から電車の上での戦闘は描きたいと思っていたので、そこは少し残念です。
番外編として書いても良いかなぁ、とは考えています。
それから肝心の駅舎内ですが、構造的には正面入り口から入ると様々な店舗が並ぶ横に長い一階の売店フロアがあります。
電車の乗り場には二階から向かう事になり、一度二階に上がってから各乗り場へと降りて行く事になります。
二階は天井が高く大きく開けたフロアがあり、壁際には複数の店舗が並んでいます。
そこを通り抜けると通常の電車乗り場へ、エスカレーターで上に上がれば新幹線乗り場へ向かう事となります。
一階は複数の店舗がひしめき合い、通路は狭く、閉所戦闘を強いられる事になります。
中央には二階行き及び地下に降りるエスカレーターがあり、そこから降りると駅地下になるので市街地Eのような戦闘領域となります。
一階の右端にも階段があり、二階及び地下に向かうにはこの二ヵ所のうちどちらかを使用するしかありません。
なので閉所戦闘をやりたいのならば一階で、ある程度開けた場所での屋内戦闘がしたいのであれば二階へ、電車の並んだ特殊な場所で戦闘をしたいのならば乗り場へ向かう事となります。
駅地下での戦闘となるケースもあるでしょうが、市街地Eと異なりこのMAPは地下戦闘が強要される構造ではないので、駅地下での戦闘が描きたい場合は素直に市街地Eを使用した方が良いでしょう。
それから二階へ上がって乗り場に向かわずに直進すれば、展望ビル前の広場へ直通する通路があり、そこを通ってビルに向かう事が出来ます。
MAP最奥にある展望ビルはかなりの高層ビルであり、上層階からは市街全域が見渡せます。
しかしあまり上に登ると狙撃手でも射程外になる可能性もあるので、樹里のような高いトリオンを持ちえない狙撃手の場合は場所取りは考えなければならないでしょう。
以上が、簡単な市街地Fの解説となります。
使用する場合は「駅舎での戦闘が描きたい」「電車を使った戦闘がしたい」「展望ビルを戦闘に利用したい」等の思惑が考えられるので、各自有効的に使って頂ければ幸いです。
さて、試合解説に戻ります。
今回は実況者として桜子、解説として出水・天羽を配置しました。
桜子はこれまで色々理由があって出番を先送りにしていましたが、満を持しての登場です。
新MAPの実装回、及びヒュースの初陣という事もあり、彼女にご足労願いました。
なんだかんだ彼女が最も実況者として手馴れているので、新しい要素を出したい試合や特に目立たせたい試合の時に配置するのがベターだと思います。
マイクパフォーマンスは一番巧いですし、実況者としてのTPOや場の盛り上げ方をしっかりと心得ているので、どんな役柄でも卒なくこなせますので。
ちなみに解説がこの二人なのには、当然理由があります。
出水は言うまでもなく、今回初実装する
これは彼にしか出来ない事なので、問答無用の選出です。
天羽の場合は、原作で若村との親しい関係を匂わされたので書くしかないと思って書きました。
あんなん見せられたら書くしかないだろう、というのは二次創作者ならば共感して貰えると思います。
閉鎖試験でのやり取りからパーソナルもある程度推測出来たので、それを元に彼の会話データは構築しています。
試合ではまず全員がバッグワームを纏って隠密状態ですが、原作で「狙撃手がいると開始直後からバッグワームを着るのは
何故なら樹里はトリオンが高く、生半可な防御では撃ち抜かれてしまうからです。
しかも質の悪い事に彼女は毎試合のようにトリガーセットを変えて来るので、アイビスを採用しているかどうかが不明なのです。
加えて強化視覚による直接視認がある上に射程がMAP全域に等しく、小さな穴や建物の隙間でさえ弾道を通して来るので、一度見つかれば何処から射線を通されるか分かったものではないので、バッグワームを外せばその分だけ捕捉される危険性が高く、
更に言えば、この試合には規格外のトリオンを持つ千佳も参戦しています。
彼女の前に防御は意味がないので、この傾向が更に後押しされています。
また、王子隊は他の二部隊と比べて「突出したエースがいない」という事情があるので、正面からぶつかるのは絶対に避けたいという思惑もあり、潜伏一択です。
前作でも描写しましたが、B級上位の戦闘に於いて「エースがいない」という王子隊の弱点は、結構大きなものだと考えています。
他のB級上位の部隊はその殆どが「一人で戦局を覆し得るエース」が在籍していますが、王子隊にだけそれがありません。
二宮さんは言うまでもなく、カゲさんは対策をしなければまず攻撃を当てる事さえ難しい厄介な駒ですし、弓場さんの早撃ちと格闘能力は脅威です。
生駒さんは平均して能力が高い上に生駒旋空という必殺技がありますし、東さんは東さんです。
香取も安定感はありませんが爆発力は非常に高く今作に限っては二枚目のエースである樹里もいて、玉狛第二の二人は事実上A級クラスです。
この状態で突出したエースのいない王子隊の勝ち筋は、機動力を用いたゲリラ戦法、要するに「獲れる駒を取る」戦法になります。
なので漆間隊とコンセプト的には非常に似ており、生存点はそこまで狙わず、獲れる駒を取って得点を稼いでいく、というのが基本スタイルです。
基本的に大駒を狙う事は少なく、原作ROUND6のように止むを得ず接敵してしまった場合や何かしらのチャンスが生まれた場合でしか、王子隊がエース級を狙う事はないでしょう。
代わりに、修のように「指揮能力等は高いが単体としては弱い」駒は積極的に狙います。
誰を落としても得点は変わらないので合理的な戦法であり、彼等の手札で勝利を狙う以上この方針は崩せません。
なので王子隊は安定して得点を稼ぐ事は出来るものの、一位を狙う、となると途端に難易度が上がるでしょう。
それこそ王子隊が上に上がる為には、突出した四人目の「エース」が不可欠となる筈です。
一人でも戦局を左右し得る駒がいるといないとでは、矢張り取れる選択の幅が全く違って来ます。
原作で修が勝ち進めたのも、遊真とヒュースという「絶対的なエース」がいてそれを巧く活用出来たから、という要因もあります。
切り札の有無というのはB級上位のランク戦では結構響いて来る要素なので、残念ながら現状のままですと王子隊が影浦隊・二宮隊という実質A級な部隊を超えるのは難しいと言わざるを得ません。
ちなみに原作最終ラウンドで上位入りした原作の那須隊ですと、エースの那須さんは問題なく上位でもやっていける
加入予定の出穂ちゃんも未知数ですし、現状のままでは来季の上位残留は厳しいかもしれません。
那須隊の最も効率的な強化については前作「痛みを識るもの」で散々見せた通り、くまちゃんの戦力強化と那須さんに付いて来れるスピードタイプのエースの増員となるので、原作那須隊の今後は出穂ちゃんに懸かっている部分が大きいかもしれません。
とまあそんなワケで、今回の試合でも王子隊の狙いは「獲れる駒を取る」事になりますが、そんな王子隊が狙っているのは主に三名。
即ち、修・若村・三浦になります。
修は言わずもがな単独で普通にやれば勝てる相手であり、若村と三浦は成長はしていますが個の駒として突出しているワケではないので、変わらずターゲットになっています。
千佳ちゃんについては「狙えれば狙う」程度であり、王子としても修が千佳を易々と無防備にさせる筈がないと考えているので、機会が来なければ見送る予定でした。
今回はそんな王子の目論見を、修が見破る所から始まります。
修はランク戦が始まるまでの短い期間とはいえ、少なくない時間を王子と共に過ごしました。
なので彼の思考パターンも自然と頭に入っており、王子が考えているであろう事を推測して「爆撃による炙り出し」が最善手であると導き出します。
王子隊としてはこれは一番困る展開であり、タイミングも最悪でした。
早期にこれをするならばそれはそれで利用出来ると考えていましたし、場が煮詰まった後であればどうにか切り抜ける事は出来るだろうと思っていました。
しかし修は王子隊がある程度駅舎に近付き、他の部隊もそれなりに移動したであろうタイミングで爆撃を開始した為、目論見が崩れる事となります。
最終的に爆撃をして来るだろうというのは予想していましたが、タイミングに関しては想定を上回って来たワケですね。
まあ、それでもただでは転ばないのが王子たる所以で、樫尾を囮とする事でヒュースを引っ張り出し、修の撃破に繋げました。
玉狛第二はヒュースが増えて戦力が大幅に増強されましたが、今回は遊真が爆撃を行う千佳の護衛に付いた事で「使える戦力」が限られてしまっていました。
なので爆撃で炙り出した相手を獲りに行くのは必然的にヒュースの役目になり、彼が出て行けば爆撃を続けても旨味がないのでそこで千佳は引っ込みます。
そしてその隙に修は駅舎への到達を狙うので、それを待ち伏せて倒した、という寸法です。
ヒュースは確かにトリオンが多い上に手札が多彩で生存能力も高く、一つの駒として見るなら破格ですが、それでも手の届く範囲しか干渉出来ないので、こうして他の隊員と離してしまえばその隙に仕事をこなす事も可能、という事です。
まあ、囮として使った駒は高い確率で獲られてしまうので、それを必要経費として許容出来るかどうか、が鍵となると思います。
そしてヒュースを描く上で忘れてはいけないのは、エスクード無双の影響です。
ヒュースのエスクード乱舞を見た上で充分な洞察力があるなら、「閉所でコイツの相手をするのはヤバい」と気付く筈です。
原作ROUND7でやったように、閉所ならばエスクードで文字通りの「壁」を作り出し、自由自在に戦場を作り替える事が出来てしまうからです。
最悪エスクードに閉じ込められた上で旋空で纏めてぶった斬られるので、今回の市街地Fの駅舎や駅地下のような狭い空間では彼の独壇場と化します。
当然香取はそれを察知したので、閉所ではヒット&アウェイを徹底した上ですぐに外に離脱できる位置に陣取り、奇襲をかけたワケです。
その上で目的を果たしたならば長居は無用と、さっさと移動した次第です。
あそこでは本来若村か三浦にサポートをさせるつもりでしたが、それよりも速く王子が遠隔シールドで援護したので、王子隊の意図に気付いて利用する事となりました。
正直な話、ヒュースをどうにかするには複数の部隊で狙う他ありません。
彼の生存能力は並大抵ではなく、普通にやれば大損害を出した上で漸く討伐出来るかどうか、という所なので、彼を倒すには疑似的な共闘は必須でした。
近接戦闘力が高い上に射撃もあるのでやれる事が手広く、エスクードによる盤面干渉能力もあるので放置すればどれだけの被害が出るか分かったものではありません。
それこそ、無双した原作ROUND7や囲まれた上できっちり大駒を落とした原作ROUND8を見れば分かる通り、彼が単独でもどれだけ活躍出来るかは分かると思います。
王子隊としてもヒュースがいる限り取れる点も取れないので、その排除の為に香取隊と疑似的な共闘関係を結んだ、というワケです。
勿論、その後でヒュースの討伐後で疲弊した隙を狙って三浦か若村を獲る気満々ではありましたが。
まず、彼を倒す上で機動力を削ぐ事は必須です。
足が自由な状態ですとエスクードの影響もあって縦横無尽に動き回り、不利な戦場からは逃げられてしまうので、彼に比肩するエースが複数いない状態では足を奪わなければそもそもスタートラインにすら立てないと見て良いでしょう。
ちなみに散り際に三浦を撃退したデリンジャーは、前作では荒船が使った銃です。
デリンジャーは連射性能や威力を投げ捨てて携行性に特化した銃であり、奇襲性という意味で随一です。
当然その分基本性能は他の銃手トリガーに劣る部分が大半ですが、トリオン体の強度はトリオン量に関わらず一定なので、不意打ちで一発当てられれば充分仕事は出来るので、初見殺し性能は高いです。
但しあくまでも初見殺し特化なので、一度見せてしまえば次は対策されるので、一度きりのカードではあります。
だからこそここぞという時で切り、見事得点を挙げたワケです。
さて、そのヒュースの意表を突ける例外的手段として彼にとって「全くの未知である攻撃」があります。
今回の場合、初披露となった
如何にヒュースとはいえ初見のものであれば対応が遅れ、加えてそれが致死性のものであればそのまま倒す事も可能でしょう。
ですがあくまで「彼にしては」対応が遅れるといった程度で、他の者から見ると隙は殆どないも同然です。
なので今回のように、完全に初見且つ初見殺し性能が高いものをぶつける事が出来たのは例外中の例外でしょう。
その
作中で開設した通りこれは、
原作では登場していない弾種ですが、
誘導性能の付いた貫通弾という事で、分かり易い能力ですしね。
ちなみにワートリの合成弾はカクテルと武器、両方に名前が存在するネーミングである、という共通項があります。
モスキートもそういう名前のカクテルがありますし、デ・ハビランド・|モスキートという戦闘機があったそうなので条件はクリアしています。
この合成弾に関しても、使いたい方がいれば使って頂いて構いません。
ただその場合、一声頂けると有難いです。
今回合成弾を実装させるにあたり、樹里本人に開発させるのではなく、あくまでも出水に開発して「貰う」という形にしました。
これは合成弾の開発は出水のユニークスキルのようなもので、それを差し置いてオリ主に作らせるのはどうか、という事でアイディア提供に留まりました。
原作でこれが作られていないのは、偏に出水にとっては
なのである意味アステロイドはバイパーの素養がない者向けに開発したコブラ、と言えなくもありません。
ちなみに樹里が合成弾を混ぜる時に使っているイメージは、「色の違う泥団子を捏ね合わせて濃い色の泥玉を作る感じ」です。
知っての通り彼女に家事スキルは皆無な上に面倒臭がりなので料理関係から発想はそもそも出て来ないので、幼い頃遊んだ事のある泥団子モチーフとなっています。
樹里は香取と出会う前は碌に友達がいなかったので公園で適当に泥団子を作って遊んでいたのですが、香取がやって来て「アンタ、それきれいにできてんじゃん。どうやって作んの?」と声をかけた事で交友が始まり、幼馴染の関係となりました。
香取家は知っての通りあまり裕福な家庭ではありませんが人格は折り紙付きだったので、樹里の両親とも知人となり両者は有効的な関係を築く事になります。
華の両親、特に父親ははそもそも他の家とあまり親しく付き合うつもりがなかったので、そんな両者の関係については興味を持ちませんでした。
ですが香取が折角出来た友人を華に紹介しない筈もなく、樹里は香取を通じて華とも幼馴染の関係となり、華の父親も樹里の両親がそれなりに裕福で力のある家庭だったので香取家にしたような干渉は行えず、香取の家で会えなくなって以降も樹里のマンションを溜まり場にする事もありました。
樹里の両親はおおらかな性格で子供の自主性に任せつつもしっかりと彼女に愛情を注いでいたので、快く自宅を遊び場として開放していました。
彼女の住んでいたマンションは比較的裕福な家庭が集まる場所でもあったので、マンションでありながら内装は広く、ゲームもそれなりにあったので遊ぶ場所としても申し分ありませんでした。
そういった意味で泥団子というのは樹里にとっては印象深いものなので、合成弾のモチーフとなったワケです。
試合の話に戻りますが、この合成弾がお披露目された事で否応なく敵チームはその存在を意識する事になります。
何せ、見た眼からは弾種が分からないのが射撃トリガーです。
爆撃を防ぐ為にシールドを広げたところでモスキートを撃ち込まれれば貫通されてやられますし、貫通弾を凌ぐ為に集中シールドを張れば爆撃で吹き飛ばされる危険があります。
なので樹里が二種類の合成弾を使えるようになった事で、敵チームは合成弾に対し非常にシビアな対応を迫られるワケです。
当然そんな相手に蔵内が保つ筈もなくやられましたが、最後の足掻きで爆撃を敢行し王子に繋げます。
此処は樹里が狙撃手としての腕がしっかりとしていれば一撃で急所を撃ち抜いてそんな事をさせる時間は与えなかったでしょうが、彼女は狙撃手に転向してそこまで時間が経過していない為、こういった隙を作る事になってしまいます。
一撃で急所を破壊されれば即座に
その間にどうにか最後の一発を撃てた蔵内は、かなり健闘したと言えるでしょう。
ですが王子の狙いは暴かれており、遊真に返り討ちにされます。
遊真が前線に出た事で千佳は駅舎三階の新幹線乗り場に隠れていたのですが、王子はそれを見抜き蔵内の作ったチャンスを逃さず接敵。
しかし、目論見は果たせませんでした。
王子はチャンスをあれば千佳を狙うだろう事は、修も読んでいました。
千佳は確かにトリオンは高いですが修同様戦闘は素人同然であり、咄嗟の機転にも限界があります。
遠距離攻撃ならば無敵のシールドでどうとでもなりますが、近付かれればまず詰みです。
なので王子としても接近に成功すればどうにかなる目算でしたが、そこを読まれて修から「攻撃されたら固定シールド」という指示を受けていた千佳に時間を稼がれ、遊真に落とされます。
王子の攻撃手段は弧月、スコーピオン、ハウンドの三種類です。
そのいずれも、千佳の固定シールドならば防御可能と踏んで予め修は千佳に指示していたワケです。
千佳は予め命を受けていればそれをこなす事自体は問題なく出来るので、反射的に固定シールドを張る事には成功したのです。
もしも王子が旋空の名手であれば固定シールドごと斬り裂けたでしょうが、生憎彼は隙の大きい旋空をあまり多用したがらないので、そこまでの練度はなく失敗に終わります。
仮にここで旋空を使ったのが生駒や太刀川であれば、千佳はシールドごと斬られていたでしょう。
旋空を狙った場所に当てるというのは思った以上に難しいものなので、これは仕方が無いと言うべきです。
こうして戦況は香取隊と玉狛第二の一騎打ちとなり、残ったのは前者が香取と樹里、後者が遊真と千佳になります。
ここで遊真は千佳を抱きかかえながら彼女の爆撃を連打する高速爆撃機のような戦法を取る事になり、香取を相手取りながら樹里の陣取る展望ビルを目指します。
近接特化の香取と遠距離特化の樹里が生き残っている以上、千佳は一人にすると瞬殺されます。
かといって彼女を見捨てて一人で戦うのは、流石の遊真でも分が悪いです。
なので自然とこのスタイルになり、丁度二人がかりで前作主人公の七海のような戦闘方法となりました。
ですが千佳には流石に移動中に正確な爆撃を出来る程射撃トリガーの練度はなく、爆撃の瞬間だけは足を止めざるを得ないのでそれが隙となり、状況は膠着します。
樹里の機転で戦況が変わり、最終的に千佳の最後の狙撃で樹里は足場を失い落下。
そこを遊真が狙いますが、最後は樹里の時間差攻撃で敗れました。
今回のケースですと、展望ビルがあまりにも高かったので樹里まで到達するまで時間がかかった点、そして樹里が見えない場所で何をしていたか不明な状態で尚且つ高所に陣取られていた事で、相当に不利な条件で戦う事になったのが敗因と言えます。
樹里に展望ビルに陣取られた時点で、かなり厳しい戦いになったワケですね。
ビルから落下しながら、或いは駆け上がりながらの戦闘は書いていて楽しいので、そういう意味でも満足でした。
試合後には樹里が再び千佳にちょっかいを出し、彼女が本当の意味で「人を撃てる」ようになる契機となりますが、これは直接やり合った事で千佳の戦い方を「勿体ない」と感じた樹里が要らぬお節介をかけた結果です。
樹里は千佳に対し「どうせなら正面から撃ち合いたい」と思っており、その結果の行動で別段深い考えはありません。
ただ、千佳の内面を言語化する
長くなりましたので、12章前半の解説はこれで終わります。
次回は12章の後半の解説となりますので、お楽しみに。