竜虎相搏つ
王国・王都リ・エスティーゼにて──
「『森の一撃』!」
ミスリルコーティングの施されたショートソードで食屍鬼を貫く。
左右から迫る百足状の骸骨を、神官が手に持った棍棒で叩き潰し、上空から強襲してきた骨のハゲワシを、戦士が火の魔力を纏った長剣で両断する。
王都に大量のアンデットを主としたモンスターの大群が出現してから一体どれだけの時が経過しただろうか。
竜王や、この世界の頂点たちが参戦したことで戦況は持ち直したとはいえ、未だ予断は許さない状況だ。
ミスリル級冒険者「クラルグラ」のリーダー、イグヴァルジは、大量のモンスターを相手にするという通常じゃありえない戦場でも、パーティ結成以来一人の死者も出さなかった優秀なその能力を遺憾なく発揮して、すでに100を優に超える数の不死者を討伐していた。
(後ろから足音が三つ…感覚的に人型ではないな。骸骨騎兵…前からは引きずる音… 膨れた皮だな)
「後方、騎兵3、前方に膨れた皮4、予想接敵時刻、騎兵は5秒後、皮は40秒!」
ここは森ではないとはいえ、 フォレストストーカーのレンジャーとしての能力を活用して、常に敵相手に先手を取り続け、勝利を収める。
ミスリル級としては十分すぎる成果を上げながら、少しづつ魔術師ギルドを中心に築かれた陣地を拡大してゆく。
目の前に飛び込んできた狼の動死体を叩き斬りながら、知った顔の魔法詠唱師が後ろから骸骨に襲われそうになっているのを発見する。
(あれは漆黒の剣の………クソ、気づいてねえ!あいつらの斥候は何してるんだ!自分も戦闘中だから仕方ないは通用しねえぞ!)
「避けろ坊主!『飛来する木の矢』」
フォレストストーカーとしての特殊技術を発動し、魔法詠唱師を不意打ちしようとしたスケルトン・ソルジャーの頭部を破壊する。
打撃属性の矢を打ち出す、2分に一度だけ使える特殊技術。威力は低いが、難度10程度のアンデッドならこれでも一撃で倒せる。
「助かりました!………ひょっとして『クラルグラ』の!?どうしてここに!?」
「ちょっと野暮用でな…それにしても、エ・ランテル第二の英雄様が俺なんかのことを覚えていたか、光栄だね…ぇっ!」
波のように襲いかかる不死者を薙ぎ払う。
「えぇ、流石に自分のホームタウンのトップの冒険者ぐらいはわかりますよ!《魔法の矢》」
比較的上位のアンデッドである幽霊系のアンデッドを一撃で複数体持っていく実力に少し嫉妬してしまう。
「流石は英雄様だなぁ!その実力、やっぱ才能が違うとこうも違うんかね?」
「はは…墓場でのアンデッド騒動に、合同依頼とはいえカッツェ平原でアンデッド師団の討伐にゴブリン氏族連合の殲滅依頼、それに加えて悪魔騒乱に今回のこれ!こんだけ修羅場を短期間で連続して経験してたらそりゃある程度は強くなりますよ!…そういえばさっきまで3発だった魔法の矢も一本増えてるな…」
「それもそうだな…おい、油断するんじゃねえぞ坊主。お前らはオリハルコンとはいえまだまだ新米だ。今も少し油断してただろ。後衛だからってこの360度どこから敵が来てもおかしくない状態なんだ、ちゃんと気を張っておけ!」
仲間の一人が骸骨の頭を叩き潰した。
自分が冒険者になった理由はなんだったか。
確かあれは──村にきた吟遊詩人の語った英雄譚。そこに出てくる英雄たちのようになりたかったから。
だが、俺は英雄にはなれなかった。
ミスリル級冒険者「クラルグラ」のリーダー、イグヴァルジはふと、そんなことを思う。
これでも、自分のいた街じゃこれでもトップクラスの冒険者
ぽっと出の新人が気づいたらアダマンタイト級、憧れだった英雄の域に辿り着き、歯牙にも掛けていなかった後輩は気づいたら自分よりも上の、オリハルコンへと至ってしまっていた。
嫉妬した。悔しかった。不甲斐なかった。殺意さえ抱いた。
そして、日に日に腐っていく自分に耐えられず、仲間たちと共に街を出て、王都で、よりレベルの高い環境に身を置くことで変わろうとした。
そして、自分は英雄にはなれないと再認識させられた。
英雄たちの本当の実力。人を超えた人外の領域を踏み越える本当の実力者たち。
今だって、戦場の主役は人外の領域の英雄たちだ。
「はは、これ。勝っても負けても世界滅ぶんじゃねえか。」
近くの別の冒険者パーティの誰かが、そう言った気がした。
「超技!
空を極太の光線が貫く。遅れて何重にも爆発が起き、アンデッドの群れに穴が開く。
「魔銃装填──全武装一斉解放!」
紅の鎧のような何かに身を包んだ人型が地上めがけて鉄の雨を降らせ、同時に爆発する筒状の何かを大量に投下する。
耐えれる者などいないような暴虐が地上に吹き荒れる。
「降り注げ、終わりの時だ!あの時は集団戦だったから使えなかったが、今は存分に使わせてもらうぞ!《魔法三重効果範囲拡大最強化・水晶の彗星群》」
空から光り輝く星々が降り注ぎ、もう街を守っているのか破壊しているのかわからない規模でアンデッドが消滅させられていく。
巨人のような動死体も、魔法に絶対耐性を誇るはずの骨の竜さえ粒子になって消えてゆく。
さらにその奥では、天を貫く巨大樹が、その触手を薙ぎ払い、その体内からは雷や炎など様々な魔法──それも全てが自分の知らない高位の魔法──が放たれる。大いなる竜の王たちが、地上の化け物を薙ぎ払う。伝説に唄われる始原の魔法の煌めきが、偽りの魂を砕く。
しかしながら、それを耐え抜く本当の化け物、自分じゃ到底叶わないようなモンスターも存在する。
そんな存在が複数体。
自分がいてはいけない戦場に感じる。自分の存在など無意味に感じる。
そうでなくとも、ミスリル級程度なら両の手でも数えられないほどの数がいる。
自分たちなど、所詮英雄譚の隅っこに出てくる、その他の大多数の一人。
だが、だけど──
(俺は、英雄にはなれないかもしれない…だが!「名もなき勇敢に戦った戦士」ぐらいにはなれる!)
王都に来てから経験した2度の戦いで知った。
英雄には英雄の、その他にはその他の役割がある。銅級の冒険者だって、少しでも物語をハッピーエンドへ近づくための手伝いぐらいはできる。自分は主人公にはなれない、それの何が悪い。端役は端役なりに戦ってやろうじゃないか。
突如として、目の前に骨で体が構成された竜が降り立つ。
その背に乗っているのは、他のアンデッドとは一線を画した骸骨。
どちらも単体ならミスリル級で十分勝算のある相手。しかし、それがコンビで、しかも大量の下級アンデッドと共に出現。
(いや…やってやる、やってやるぞ!)
「神官は俺と戦士にバフを。弓兵は骨の竜の羽を落とせ。戦士は俺と一緒に速攻で骨の竜を潰して魔法使いを叩くぞ。」
さぁ、やるぞ!
冒険者たちの戦いは終わらない。
帝国・帝都アーウィンタールにて──
「なぁ爺。これは幻術ではないのか。」
「ジル。気を強くお持ちなさい。これは紛れもない現実ですぞ。」
「なぁ爺。爺がやっとの思いで使役できるようになった死の騎士が何百もいるように見えるのだが。」
「いやはや。なかなか滅ばない帝都に郷を煮やしたのか、急に数が増えましたな。まぁ今の私なら死の騎士以上のアンデッドも使役できますが。ジル、実践とはなかなか馬鹿にはできませんぞ。理論を一定以上修めたら後は実践とは本当ですな。試しに前線で戦ってみては?私も第八位階まで一瞬で至りましたし、実践とは馬鹿にはできませんぞ」
「ど阿呆。皇帝が前線に出てどうする。一瞬で死ぬぞ。」
皇帝は顔を顰める。
だが、その顔につい先程までの絶望感はない。髪の毛が抜けるのも止まった。彼の毛根は救われたのだ。
彼の毛根、そして帝国を救うかもしれない。そんな集団の出現。
周辺の都市のアンデッドを全て殲滅し、帝都に参戦したという白金の竜神教の使徒たち。
あまりも胡散臭く、いつもならその手は取らないが、一か八かその手を取った。そして、そのあとすぐにその選択肢は正解だったと思い知ることになる。
よくある狂信者のようにこちらの指示を無視するようなこともなく、その上全員がアダマンタイト級の実力を持つときた。いや、フールーダのような逸脱者級や、それを超えた存在もいる。
その上、戦いが始まってから、妙に頭の冴えがいい。
初手で大元帥が暗殺された時は「あ、終わった」と思ったが、まだ戦える。
戦場の指揮は内政と比べれば専門外だが、何故か自分か指示する部隊が予想の数倍の戦果を上げてゆく。敵の動きが手にとるようにわかってしまう。
ジルクニフは知るよしもないことだが、内政系、そして指揮系のクラスは自分の指揮下の存在が戦場で成果を上げると微弱な経験値を獲得できる。帝国全土で大規模な戦闘が発生し、指揮下にある騎士団、そして一時的に指揮下に入った使徒や冒険者たちがそれを討伐してゆく。
それらから集まる経験値により、今やジルクニフは、いわば為政者として、指揮官としての逸脱者級とでもいうべき域へと到達していた。
指揮官バフというのは侮り難い。それこそ、特化したカンスト級が使ったものであれば、魔法妨害などの高度な妨害をレベルが半分にも満たない存在がカンストプレイヤーへ通せてしまうほどまで能力を昇華させてしまう。
今や、ジルクニフは歴代、いや史上最高の為政者へと至っていた。
「なぁ爺。お前のことなら、これだけのアンデッドを操作できる存在がいるなら、帝都を放ってその存在の秘密を奪おうとすると思っていたが」
「なに、私は本当の魔法の極地を知っていますからね。この程度、確かに規模は凄いですが、かつてみた彼の竜の魔力と比べたら…」
「そうか。ふむ。さて。フールーダ。出陣だ。お前は…この地区に3発火属性の範囲攻撃、その後南西の4-9地点に合流後、そのまま東へ進軍してそこの大通りを解放しろ。白銀近衛から一小隊付ける。」
「ふふ…ジル、随分と頼もしくなって。昔の皇帝も貴方のような人だったら、魔法の研究ももっと早く進んだのでしょうな。」
ジルクニフは、帝城から指揮棒を振るう。
そして敵を飲み込んでゆく。帝国の反撃が始まる。これが歴代最高と呼ばれる鮮血帝の戦い方。謀略ではどうしようも無い状態に弱かったが、それさえも克服して、力を操る術と、知恵を操る術、その両方を人類最高峰の水準で身につけた彼の戦いが始まる。
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「糞、奴らやりやがった!いくらなんでも滅茶苦茶だ!この世界と共に心中するつもりか!」
漆黒の鎧に身を包む戦士が壁を殴る。
超越者級の戦士の殴打は、魔法障壁が幾重にも貼られた壁を凹ませる。
「全人間種国家と評議国への同時攻撃、主要街道を封鎖するどころかマップ全体エネミーで埋め尽くすとか、気が狂ってるんじゃ無いかしら…いくらアンデッドが大量召喚が容易な種族とはいえ。各種聖典に、秘蔵の主天使の軍隊も全部放出してるけど正直数が多すぎて他国まで手が回らないわよ。」
「評議国も同様。大量のアンデッドが壁になって国境沿いの都市の奪還はできても、さらに奥に切り込もうとすると流石に時間がかかる。」
窓から首を突っ込む竜と、全身を薄い装甲で覆った戦乙女が悩ましげに吐露する。
「それに関しては問題ない。問題ないと思うしかないのが現状だが。そろそろ竜王たちと、我が国の精鋭たちが到着しているはずだ…本当は投入したくないんだがな…」
白金の竜神は、自分たちも戦うと言って聞かなかった彼らのことを思い出す。
本当に、この世界は強くなった。
「で、だ。今から敵の本拠地に向かうわけだが…十中八九罠だろうな。これ。」
「表層がまるで荒野のようになっている…ナザリック1500人攻めで、部隊が全滅させられたナザリック地下大墳墓第八層と外見はほぼ同じ。何かしらの手段で階層を入れ替えた?ありえるとしたらワールドアイテム。そして意味深に置かれたオブジェ。どう考えてもこれセフィロトの樹でしょ。」
水晶の画面に映るのは、だだっ広く広がる荒野に、その中心に置かれた玉座に足を組んで座る死の支配者。
周囲には誰も居なく、背後には
「情報系魔法対策もしていない、これで罠じゃないわけないでしょう。それに、向こうも切り札の種が割れているのは気づいているはず。」
「ただ、現状こちらも罠と分かっていても正面から食い破るしか手段がないのは事実。あの荒野は全域がギルド内部の判定らしくて、世界の守りのせいで遠距離から一方的に破壊することも出来ないからね。」
「さて、作戦は皆理解しているね?」
「まぁ作戦もクソもない、ただツアーが敵の主力を壊滅させるまでの露払いなんだがな。」
「食事バフは、装備は、ポーションは?各種アイテムは準備おk?」
「あ、すまん誰かクリ率1%のクリスタル余ってないか?残りデータ容量、組み替えてたら微妙に空いたんだわ。」
「あぁもう締まらないなぁ!ほら、それぐらいなら1ダースぐらい余ってるから!」
扉を開け放ち、全員が完全武装で外に出る。
「じゃあ、行こうか。『世界移動』」
「…来たか」
ユグドラシルのギルド制作時、運営から『システム・アリアドネ』という制約が課される。
入口からダンジョンの心臓部まで一本の糸で繋がっていなくてはならない。
内部を歩いた際の距離が規定距離以内で、扉の枚数は規定枚数以下か。他にも多岐にわたる条件があるが、一つだけ絶対の規定がある。それは『あかない扉を作っては行けない』ということ。しかしひとつだけ、条件を満たさねばあかない扉のようなギミックを作る手段がある。それがワールドアイテム。
モモンガの持つ『知恵の実』を象ったワールドアイテム。通称モモンガ玉に結び付けられた第八階層は、第八階層内部にセフィラーの十天使たちがいる限りそこから先には進めない。
敵も、1500人攻めの映像でそのことを知っているはず。だから決死の覚悟で攻撃してくるはずだ。
唐突に、転移の反応が荒野の真ん中に発生する。
数は…7。いや8?
「では…行け!マーレ!」
あえて無詠唱化しなかった伝言で第一階層で待機していたマーレに指示を飛ばす。
背中に巨大な巻物をくくりつけたダークエルフの少年が飛び出し、集団へ向けて突撃する。
「起動『山河社稷図』!」
マーレが巻物の効果を起動した瞬間、転移してきた存在たちが目くばせする。
全員が起動した瞬間には転移せず、一拍遅れて一部が巻物により作られた内部の世界へ送られる。
(全員世界級持ちか…だが、目的が目的なだけに無視することはできまい)
山河社稷図の世界に敵を送り込む。
正直勝てるとは思っていない。内部に居る領域守護者を含めたとしても、数で負けている上に世界級を持っているような廃人プレイヤー相手。だが、こちらが竜神を殺すまでの時間を稼ぐことは十分にできる。
捨て駒のように使うのは心苦しい。しかしそんなことを言っていられる状況ではない。
「『
上空から混沌のエネルギーの奔流が放たれ、同時に3発の酸の霧を纏った火球が着弾する。
エネルギーの先にいるのは、大剣を振り抜いた暗黒の騎士。
「防げ。」
地面から這い出してきたボス化したシモベたちが攻撃を体で受け止める。
数体が消滅するが問題はない。まだ数十体残っている。
地面から這い出たシモベ達と、中位アンデッドの群れが、三つ首の竜の背に乗る二人のプレイヤー目掛けて殺到する。
向こうも、自分の役目はあくまで足止めと言わんばかりに、シモベ達を惹きつけて全力でこの場から離れる。
(これで敵の第一陣は終わり、か…?)
「白金の竜神… ツァインドルクス=ヴァイシオン。ここに来たということは…っ!パンドラ!」
背後の空間が揺らいだかと思うと、両手に別々の大鎌を持った戦士が不意打ちを仕掛けようとしてくる。
一撃目の攻撃を死の騎士でいなし、もう1発は破壊不能オブジェクトである玉座を盾に防ぎきる。
手に持っていた武器を大剣に変えた全身鎧に身を包んだ戦士の攻撃を既の所で回避し、今自分が消耗することもできないため、影の中に潜ませておいた『弐式炎雷』の姿に変身したパンドラを当てる。
「いきなり不意打ちか。キングはいきなり取れんよ、竜神。」
「どうやらそのようだね。一応形式上聞いておこう。死の支配者よ、降伏する気は無いかい?」
「断る。何よりお前たちはそれを認めないだろう。では、此方からも一応聞いておこう。竜神よ、我が軍門に降る気は無いかね?その時は世界の半分をお前にやろう」
薄ら笑いを浮かべながら──骸骨に表情はないのだが──死の支配者がいかにもな冗談を放つ。
「はは…古典的魔王じゃ無いんだから。私たちは互いに殺し合うしか無い。そうだろう?」
「そうだな。さて──起動せよ!『セフィロトの樹』よ!」
死の支配者が腕を天へ向けて突き出すと、背後のオブジェが崩れ去り、中から10の光の柱が現れる。
「《魔法三重最強化・聖なる極撃》!…無効化かッ!」
竜王の放つ魔法は、死の支配者の前に障壁があったかのように防がれる。
「セフィロトの樹において、ダアトは他のセフィラに隠される…全ての天使を倒さねば私の首は取れんぞ、竜神ッ!」
二人のハーフエルフが、溶岩に囲まれる様に巨大樹が聳え立つ異様な世界で、巨大な溶岩製のスライムと、杖を持ったダークエルフと対峙する。
同じ空間で、至高天の熾天使と、戦乙女が厄災を司るスピネルの少女と対峙する。
外では無数の化け物の集団と二人の英雄が対峙し、そして───
「あなたが私のお相手?」
「ええ。そうですよ、
この世界の英雄達の力をその身に宿す絶死の少女と、ヒュギエイアの杯の力により完全な状態でプレイヤーの力を操ることの出来る舞台役者が対峙する。
少女が大太刀に武器を持ち替え、役者の姿が勇ましい武士へと変貌する。
似たようで違う性質の力を持つ二人が視線を交わし──そして激突する。
「「『不動明王撃』!」」
おまけ
全身から純光を放つ竜の背に乗り、聖騎士は戦場を駆ける。
レメディオス・カストディオは、聖王国最強の名に恥じない活躍をしていた。
倒したアンデッドの数は一人で一国の軍隊に相当する。対悪に特化した聖騎士だからこそできるこの芸当。
そして、長期にわたって戦い続けることを可能にするのは、今レメディオスがその背に乗る竜王。
癒しと光を司る竜王の背に乗り、不死者を次々と撃墜してゆく。
「おいドラゴン!一度着陸、あの辺が崩れそうだ!」
「俺に命令するな女!あと名前は教えただろう!言っておくが、今お前に従うのは竜神様が命令したからだ!」
「ふん!私もお前に気を許したつもりは無いぞ!カルカ様が命令したからだ!」
「最高に気が合わないな!俺たち!」
「そうだな!」
聖剣の煌めきが敵を打ち倒し、竜の吐息が化け物を薙ぎ払う。
それを聖騎士達に守られながら見守る聖王女── カルカ・ベサーレスはこう思う。
別に仲裁しなくてもいいなこれ。放置していれば勝手に競い合ってどんどん敵を倒してくれだろうなぁ、レメディオスはココロヅヨイナー、と。
実際、言い合いの間にどんどん敵が消滅してゆく。
そしてケラルト・カストディオはこう思う。さすが姉様の馬鹿力だ、と。
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感想、評価などありがとうございます!励みになります!
次話でようやく一番描きたかった対戦がかける…けど時間がかかりそうなので来週更新できるかが怪しいです。申し訳ない…
アインズだったものは、まぁそれこそキュアイリーム戦以上に伏せ札は用意していますね。それはツアーも一緒ですが。
漆黒の剣が強化されたのはまぁ死線を何度もくぐり抜けたからですね。経験値を貰える機会がいっぱいあったから。