巨蟲列島   作:ダーク・シリウス

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進展2

普段ならば幼い子供達の声で賑やかなはずの学校が、いまでは巨蟲によって静寂に包まれた。怪我人を着いた学校の保健室で治癒魔法を施し、怪我の修復をした。

 

「嘘みてぇだ・・・・・完璧に治ってる」

 

「一体どうなってんのや? これじゃあ医師の立つ瀬がないぜ」

 

唖然とする怪我人とその手の専門大学の卒業生だという男から目を離し、京介に視線を送る。

 

「・・・・・終わった」

 

「ああ」

 

それだけで会話が途絶え、ついで生存者の発見の報告がされる。

 

男女の老人、この学園の教師とまだ幼い男女の子供、市役所の女性職員がこの学校に避難していたと。

 

「・・・・・誘導、お願い」

 

「あの海保の役目なんじゃないのかよ」

 

「・・・・・それ以前、余所者、信用されていない。同じ場所で生まれ育ち者、信用されている。適材適所」

 

「確かに通りが適ってるな」

 

「身の程弁えている奴はキライじゃないぜ」

 

納得してくれた二人は生存者に話掛け、学校から離れ島から出て避難しようと説得を試みる。

 

「外の余所者の船なんかにのりゃあせんわ!! そうやってわしらを助けようと騙して何かを企んでるに違いないんや!!」

 

・・・・・前途多難。乗ってきた船、ダメなら・・・・・。

 

「・・・・・他の船、ある話だった」

 

「ワシらの仲間がボロ船を修理しとるんや。それだったら乗ってもらえるんならええけど」

 

鶏冠頭の男がまだ生存者がいることをまた当然のように言い出す。

 

「どうする?」

 

「放っておけんやろ。漁港のところに連れていかんと」

 

「そうやな。船が直ったら・・・・・」

 

入れない会話に蚊帳の外に置かれた。話し合いの末に京介が提案してきた。

 

「生存者をおれ達の仲間がいる漁港に連れていく。そこで修理してる船がある。それなら乗ると島から脱出することを受け入れてくれた」

 

「・・・・・そう、わかった」

 

「異論はないんだな」

 

「・・・・・手段、多い方がいい」

 

「よし、なら一刻を争う。今すぐ行動するぞ。びぃびぃ達を背負ってくれ」

 

四人の老人と子供は教師と職員の二人とガタイのいい男二人が背負い、駆け足で校舎から飛び出した矢先、空から飛び掛かってきた複数のカマキリが姿を現した。

 

「ひぇええええっ!?」

 

「・・・・・魔剣創造」

 

悲鳴をあげる老人の声を無視、地面から数多の刀剣類が飛び出して全てのカマキリの身体を串刺しにした。成長したカマキリ以外、一網打尽。

 

「ぶ、武器が地面から出てきたぞっ!?」

 

「どうなっとんのこれぇっ!?」

 

驚愕も無視。手近の武器を掴み取るおれに「ワシも取ってええん?」と聞く鶏冠頭が。首肯すると槍を手にした鶏冠頭に渡し、姉妹も欲しいと望む武器を渡して装備させる。

 

「おい、また現れたぞっ!!」

 

「・・・・・走る」

 

「この武器の威力を知る機会やな!」

 

「今は守らなあかんって!」

 

漁港まで走る。横から迫ってくる小さいカマキリは与えた武器で戦う姉妹と鶏冠頭と共に対応して道を切り拓いていく。獲物を捕まえるカマごと袈裟斬りで両断、槍の先端がカマキリの頭部を貫き、炎と雷属性の双剣で焼き焦がしていく。・・・・・意外と使える。

 

「強い・・・っ」

 

「・・・・・戦う意思と武器があれば、生き残れる」

 

それを証明するように最後のカマキリを倒し切ったことで、目的地である漁港への活路が確保できた。成長したカマキリ・・・・・? ・・・・・もう俺が氷漬けにした。

 

 

織部睦美side

 

「Dさん達は修理中の船で生存者の方を乗せて脱出するみたいっスよ」

 

「修理中の船?」

 

「何でも、余所者の船には乗りたくないとダダを捏ねた生存者がいるらしく、この島の船だったら乗るという事で漁港に移動したって」

 

その理由で止むを得ずとDさんと涼子さんは巡視船に戻らず、しばらく別行動を取ると三下ミツオさんが言う。

 

「他に船があったんですか?」

 

「俺も初めて聞いたところや。なぁ、この船で京介さんらがいる漁港まで進めへん? あの化けトンボが襲ってきても中にいりゃあ安全やろ?」

 

「そうですね・・・・・」

 

そういう手もある。甲斐さんに視線で判断を仰ぎ、無言で頷いたのでおやっさん達にも相談する。

 

「坊主達がいる漁港に行くのは反対はしねぇが、坊主本人がいないこの船を動かせるのか?」

 

「えっと、どうですか? 分身体のDさん」

 

「・・・・・できる」

 

「よし、そんじゃあ決まりだな。出港するぞ。坊主頼んだ」

 

善は急げと分身体のDさんに催促することで、巡視船が久し振りに動き始めた。ヤンマの襲撃に備えて船内へ隠れるように入る。すると、千歳ちゃんから質問された。

 

「睦美、島から離れるの?」

 

「ううん。他の生存者の人達がいるところに向かうだけだよ」

 

「他にもいたのね」

 

「でも、生存者の人が私達の巡視船には乗りたくないって、だから修理してる船が直るまでまだ留まらなくちゃいけないかな」

 

私の親友は困ったような表情を浮かべた。命の危険な時に、なんて思っていそうだ。

 

「なんとかなるわよね?」

 

「私達が心を閉ざしたままじゃ、何もできないから信じよう」

 

きっとDさんもそうしていると思うから・・・・・。

 

 

涼子side

 

 

船がある辰野漁港のドックまで、力をあわせた彼らの尽力により無事とは言えないけれどたどり着くことができた。中には工具を持って船に向かって修理している大陽の紫外線で小麦色に焼けた男性がいた。彼が最後の生存者なんでしょう。

 

「おん? もう来たんかぁ!?」

 

溶接作業の手を止めて近付いてくる。京介さんが船を見上げて訊ねた。

 

「どのぐらいまで終わってる」

 

「そうやな。今日中には終わらせたる。んで、船に乗せるモンは?」

 

「ああ、同じ島のモンだけでいい。あそこにいる二人は自分の船に乗ってもらう予定だ」

 

閉鎖的、ここまで一緒に行動してきた人とは思えない発言は遺憾だ。けれど、この島で遭ったことを考慮すれば仕方ないとも思えなくもないのに・・・・・。

 

「どんぐらいの船で来たんや」

 

「本土の巡視船だ。この船より頑丈で大きいぜ」

 

「えええ? そら、ほんとならそっちの方がええんや。俺のやってること無駄やん」

 

「そうでもない。島の船で脱出してぇって言われたからな。だから修理を続けてくれ」

 

京介さんの催促で修理が続けられる。私達は本当の意味で一息が吐くことができそれぞれ腰を落とすか、壁に背中を預けたり、椅子に座ったりしてしばらく落ち着いていると倉庫の扉が開かれた。

 

「京介、おるか!」

 

「無事だったか無雲」

 

別行動を取っていたお父さん達がどうしてここに? 私達の巡視船をここまで移動させた? 思わずD君を見て呼んだのかと訊いたら首を横に降られた。船を動かしたのは間違いないが、判断は織部睦美さん達らしい。

 

「おおっ? 可愛い子らがぎょうさんきよったな」

 

先にそんな反応をする彼に少しばかり警戒感を抱く。私の目の前で織部さん達に話し掛け、あっ、セクハラを働こうとした手がD君に邪魔された。彼も警戒していたのね。

 

「だがな京介。問題が一つだけある」

 

「なんだ」

 

「バッテリーがあらへんのや」

 

その事実に皆さんが驚いた。

 

「バッテリーが無かったらレーダーも無線も使えんぞっ!?」

 

「大丈夫♪ バッテリーは水産試験場にあるっ!俺は修理が忙しいんや!取ってくるだけやから暇なヤツが取ってこやええ」

 

そう言う彼に京介さんが鏡さんにバッテリーを取りに行かせる指示を出す他所に、Dさんはまだ名前も知らない彼の顔を覗き込んだ。

 

「・・・・・バッテリー、ない?」

 

「今言ったばかりやろ。ここにはないんや」

 

「・・・・・」

 

「なんや、島の外のモンは信用してくれないんか?」

 

「・・・・・」

 

彼の顏、目をジッと見て窺うDさんがドックの中を見回して漁船を出す扉以外の個室の扉を見つけ、鏡さんを指名して一緒に個室へと向かって行った。

 

「下総ぁっ!!!」

 

少しして、重たそうな箱みたいなのを二人で二つずつ持って戻ってきた。鏡さんは凄く怒った顔をして彼に怒鳴った。大股で下総と呼んだ彼に詰め寄りながら怒声を荒げた。

 

「なんにバッテリーがないんや!! しっかりドックの中にあったじゃないか!!」

 

「あぁ~あ。もう見つかっちゃったか」

 

「どういうことだ下総~~~っ!!!」

 

京介さんも激怒して銃を彼に突き付けた。

 

「待つんや京介!! 子供らが見てる手前やで!!」

 

「っ!!?」

 

怖い形相を浮かべている大人を怖がっている子供達が先生に抱き着いている。その様子を見て湧き上がる怒りを堪えて銃を下ろした京介さんは、Dさんに言われた。その目はどこまでも冷たく、人を人として見る目ではなかった。

 

「・・・・・信用、虚言で無くなった。最後に仇で返された」

 

「す、すまん!!」

 

「・・・・・謝罪、無意味。言葉より行動」

 

「どうすればいい」

 

「・・・・・一回、こいつ、虫に襲われても見捨てる。それ以降、助ける」

 

最初の一回だけは絶対に何が何でも助けないと断言したDさんの言葉に信じられなかったけれど、それと同じぐらい京介さんが頷いて了承したのも信じられなかった。

 

「それでお前の気が済むなら構わない」

 

「おんしも、俺を見捨てる気かいなっ!!」

 

「黙れ!! 仲間の俺達まで騙しくさったおんしのせいで信頼と信用を失ったんだぞ!! たった一度ぐらいおんしの力で化け虫共から生き延びてみせろ!! さっさと修理しろ!!」

 

そんな殺生な~と軽薄な笑みを浮かべる下総さんに味方する人は誰もいなかった。

 

「Dさんが怒るなんて二度目っしょ」

 

「前の島でどっかのバカが勝手にサカって勝手に死にかけた以来だな」

 

「自業自得ってこういうことなのでしょうか?」

 

「あってるよ」

 

一度でも道徳に外れた人は報いを受ける。それを目の当たりにした彼等彼女等も一度だけ覚えがあるようでした。

 

「・・・・・織部睦美、ヤンマ、くる?」

 

「はい、ヤンマの縄張りは広いです。この漁港も彼等の縄張りになっていてもおかしくないです」

 

「・・・・・人でもヤンマ、無力化、可能?」

 

「昔からトンボを捕まえる方法はありますので、その応用を利用すれば」

 

「なんや? あのデカトンボを倒せる方法があるんか? 是非とも教えてほしい」

 

織部さんの虫の知識は脱帽します。普段は役に立たない知識でも、いざこういう時になると人が生き伸びる為に発揮するなんて。

 

「・・・・・準備」

 

「わかりました。では皆さんも手伝ってください!! 多く用意しておいても困りませんから!!」

 

漁船の修理が終わるまでもうしばらく待機する。その間にやれることをやろうとするDさんと対抗策の知識を持っている織部さんを中心に手持ち沙汰だった人達が動き始めた。

 

「ところで、他のバッテリーがある試験所って何なんっスか?」

 

「よう分らんが魚が海水でも淡水でも住めるように研究しとるらしい」

 

「魚やなぁ!! エビカニの研究や!!」

 

甲斐君の質問に鏡さんの答えに、姉妹の人が間違いを訂正した。エビカニ? エビとカニのこと?

 

「・・・・・Dさん、ちょっとその試験場連れて行ってもらえないっスかね~?」

 

「・・・・・奇遇、同じ考え」

 

エビとカニを研究している試験所に何かあると思ったらしい甲斐さんの要望に、応えるDさん。

 

「僕も一緒にいい? ずっと船の中にいたからこの島の危険な映像を取れなかったし」

 

「試験所に行くんなら私が案内するよ。京介に頼まれたことだし」

 

伊能愛さんと鏡さんも同行に挙手する。織部さんも同行しようとしたけれど、直ぐに戻るという理由と、虫の襲撃に対する備えとして残って欲しいという理由で4人のみドックから離れた。

 

 

甲斐side

 

 

燦燦と熱い日差しが舗装された道を歩く俺達に降り注ぐ中、空にヤンマが飛んでいないから歩きやすくていいけど、やっぱり暑いっしょ。それにこの島でもカニを大きくする研究をしているなら何かあるはず。前の島から持ち込んだデータも調べられそうだし。

 

「ここや」

 

門は施錠されて然り閉ざされてるのに、裏の扉は鍵がかかってなくてすんなりと中に入れた。試験場と言うだけあって四方形の囲いに水が溜まっていた。

 

「淡水と海水のプールが分かれているんだね」

 

カメラを回す伊能ちゃんが呟く。俺的には目的の施設があるようだから真っ直ぐそっちへ向かった。なんせ・・・・・。

 

「・・・・・水中に虫がいる」

 

Dさんの探知機が反応してるっスからね。余計な事せず無駄な事せず、ここに来た理由を果たすっしょ。

 

「・・・・・パソコン」

 

「早速調べるっス」

 

前の島は落ち着いて調べる心の余裕がなかった。今ならSDカード内のデータをこうして閲覧できる。

 

「・・・・・これは?」

 

「中に入っているのは・・・エビ・カニを短期間に大きく成長させた累代研究のようっス」

 

「じゃああの巨大ガニを作ってたのはっ!?」

 

前の島ではガザニやシオマネキに襲われた記憶がまだ新しいっスからね。伊織ちゃんの言いたいことは全部言わなくても察するっスよ。

 

「多分そうっしょ。この画像を見てよ」

 

画面を切り替え、カニの成長記録の研究データ、生後1ヶ月後のを表示する。

 

「これから起こるであろう食糧危機に備えて、カニの成長速度を上げているようっス」

 

「たった1ヵ月で10倍になっとるやないかっ!?」

 

鏡さんが素っ頓狂に驚く。これは俺も同意見っしょ。さらに調べると与える餌をカニにとって毒性の低いモノに変えていったようっス。だけどそんなことしてカニを短期間に成長速度上げる理由がさっぱりで・・・・・。

 

「これ以上は俺も分からないっス。生物的な専門知識は睦美ちゃんじゃないと」

 

「・・・・・こうする」

 

Dさんが何かしようとする。振り返ればこの部屋の誰もいない方の空間が渦のようにぐにゃりと歪み、穴のようにぽっかりと開いたら漁港のドック内と睦美ちゃん達の姿が見れた。

 

「はいっ!!?」

 

「え、どうなってるの?」

 

「なんやこれ・・・!?」

 

他の二人も驚きの声を上げ、俺達の声が聞こえた睦美ちゃん達も目を丸くしてこっちに来た。

 

「・・・・・織部睦美」

 

「え、あの? これ、どんな現象ですか?」

 

「・・・・・別々の空間、開いて繋げた」

 

言葉にするのは簡単っスけど、安全性は・・・睦美ちゃんの方へ手を伸ばして掴むとこっちに引き寄せた。

 

「・・・・・理解、可能?」

 

「・・・・・え、あ、は、はい」

 

「・・・・・知識、求む」

 

当惑している彼女を俺のところに連れてきてパソコンの画面を見せる。睦美ちゃんは切り替えが早くて研究データを見るなり、ここに連れて来られた理由を悟ってくれったっス。

 

「睦美ちゃん、毒性の低いエサを与えて成長する理由は?」

 

「はい。私の先生に聞いた話なのですが人間でも、食物には多かれ少なかれ毒が含まれているんです。体内で簡単に解毒できる物は食べ物で、できない物は毒物なんです。解毒できる物でも過剰に摂取したりして体内での解毒が追い付かなければ毒物に変わってしまいます」

 

「ソレが巨大化と何の関係が?」

 

鏡さんの疑問は最もっス。それとカニの成長と繋がらないというか解らないっしょ。

 

「解毒にはカロリー・・・体内に蓄えたエネルギーの多くを消費してしまうのです」

 

「解毒にエネルギーを消費するのかっ!?」

 

二人の話を聞きながら漁港のドック内と繋がっていると思しき空間の穴の方を見れば、手を突き出して安全かどうか不安そうに振って確かめたり、恐る恐ると足を伸ばしてこっちの施設の床を踏み込もうとする皆がいた。・・・見ていて面白いっしょ。

 

「本来得られるはずの何%かのカロリーは解毒で消費されます。カロリーを解毒に使わず成長に回すことが出来たなら・・・・・」

 

え、マジっスか睦美ちゃん? それってつまり・・・・・。あ、Dさんが外に出た。

 

「―――短期間で巨大化する・・・」

 

「蟲に関するデータはないの?」

 

「このデータから見ると巨蟲の研究はしていないようです。他にも淡水と海水の両方での生活ができる生物の研究もしてたみたいですけど、この先はロックがされて見られません」

 

これ以上の調査は解除しない限りはお手上げっスか。

 

「あれ、Dさんは?」

 

「外に行ったよ。プールの中に虫がいるみたい」

 

だから、俺達は部屋から外を窺うとプールから出て来たカマキリを氷漬けにしたDさんと、突如ブブオオオンと聞こえる音と共に空からプールに落ちてカマキリを捕まえた何か大きなモノが視界に入った。

 

「む、睦美ちゃん・・・・・?」

 

あの虫は何なのか教えてもらおうと振り返った。睦美ちゃんは戦慄した面持ちで身体も振るわせて口にした。

 

「あ・・・あれはっ!? あの巨体で天空を舞い水中にも優雅に潜る最大の水生昆虫・・・・・タ・・・タガメっ!」

 

・・・・・タガメ?

 

「アレがタガメかっ!? 私の知っているタガメはこんくらいのヤツや。子供の頃は山の湿地でよお捕まえとった」

 

「山の湿地が彼等の繁殖地なんですね!?」

 

「何年か前はよぉけおった」

 

てっことは・・・たくさん巨大化したタガメがいるパターンっしょこれ。

 

「まずいです。山の湿地で数を増やしていたとするとタガメが共食いを防ぐために新たなエサ場としてこの水産試験所に目をつけ始めたのかもしれません」

 

「ホントかっ!?」

 

「でもココには先ほどのカマキリ・・・おそらくミズカマキリが多く生息しています。まだ集団で来ていない証拠です」

 

集団って、囲まれるのだけは勘弁だねぇ~。

 

「タガメは国内最大級の水生昆虫で前脚の力はカブトムシより強いとさえ言われています。捕まったら人間の力では脱出不可能です」

 

カ、カブトムシよりかぁ~。

 

「ですがまだ私達に分があります。タガメは暑さが苦手なんです!! 現在外気温は34℃! 水中でタガメと出会ったらまず逃げられませんが陸上なら話は違ってきますっ!!」

 

「なんでや?」

 

「タガメは陸上でも活動できますが動きが水中と比べると遥かに遅いんです。でも数が増えれば逃げるコトも出来なくなってしまいます」

 

だ・よ・ねぇ~? でも、ごく一部の人? はそうじゃないみたいっスよ睦美ちゃん。そのタガメの両方の前脚を掴んで思いっきりぶん回してどこかに投げ飛ばしちゃった。あ、戻ってきた。第一声は・・・・・。

 

「・・・・・イルカがいた」

 

「「「イルカっ!?」」」

 

いや、蟲のことじゃなくてイルカの存在っスか? 女子達がイルカ見たさに危ない外へと行ってしまったし。

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