総武高校2年F組、ここは奉仕部に在籍し、代表的な功績で言うと文化祭で総武高校の信用の危機を救い、修学旅行で半径5ⅿの信用の危機を救った比企谷八幡の所属するクラスである。
只今、土曜日午前九時。特別なイベントでもない限り教室はもぬけの殻のはずであるがそのドアには“男子禁制!”の張り紙がしてあった。
そして教室内には机を細長くつなげて並べてあり、その一番黒板に近いところはいわゆる“お誕生日席”のような形にしており、そこには腕を組み顎を乗せる某司令のポーズをした女子が座っている。黒板には“女死会”という文字がやけにデコレーションされて描かれており室内は異様な緊張感に包まれていた。
そしてその司令ポーズの女子が口を開いた。
「諸君、ではこれから第一回“モブのモブによるモブの為の裏女子会”、略して“女死会”を始める。議長は私、オリキャラ佐藤が務めさせていただこう」
「いやちょっと待って!急に呼び出したと思ったら何これは!?モブのモブによるモブの為の裏女子会って何!?何で略したら女死会になんの!?」
そのあまりに突拍子の無い発言に青い髪と涙ぼくろが特徴的な川崎沙希がツッコミを入れた。すると十数人いる女子の中の一人が眼鏡をクイッと上げながら挙手をした。
「議長」
「なんだね宇佐美君」
宇佐美と呼ばれた女子は如何にも遺憾という風に答えた。
「なぜここに川崎さんがいるのでしょうか?彼女は原作で主人公である比企谷様に助けられており、その後も妹のけーちゃんや弟の大志くんと共に数度出演しております。モブと呼称するには出番が多すぎる上に我々の多くはオリキャラ......しかもキャラ付けも下の名前が神奈川の地名という薄いもの、そんな中に彼女が入るのは不自然かと」
「え、私の話だったの?このイカれた集会のことについての話じゃなくて?しかも序盤からメタ発言してるしアンタも十分濃くない?」
すると佐藤はにやっと笑って言った。
「確かに普段はモブではないかも知れない。だが彼女はこの修学旅行からクリスマスまでの間かなり影が薄くなる、そこにいる相模君たちのようにな」
「成程、承知です。」
「そろそろ本題入らない?ウチら待ちくたびれたんだけど」
すると相模が腕を曲げながらだらしなく挙手をした。
「それもそうだな......じゃあこのめんどくさいしゃべり方なしで!メタい設定もここが小説だってことも忘れて、女子会はっじめまーす!!」
「「「「「イエーイ!!」」」」」
(帰ろうかな......あ、私川崎です)
そして緊張感の解けた教室で本題の会議が始まったのであった。
「じゃあ一個目の議題だけど......いきなり行こっか、恋バナ!!」
「イエーイ!!」
「待ってました!」
「は、恥ずかしいな......//」
川崎沙希は“あ、ホント帰ろっかな”という思考まで出ていた。だが退出を申し出る前に議題が始まってしまった。
「じゃあ私から!」
「どうぞ佐々木さん!」
佐々木と呼ばれた女子はモジモジしながら話し出した。
「私はぁ~やっぱり葉山君かな!この前隣の席になって一回消しゴム落とした時取ろうと思ったら彼も取ろうとしてくれてたみたいで手が当たっちゃったー!!」
(はいはい葉山、葉山。帰ろ)
そう川崎が立ち上がろうとした瞬間、佐藤が底冷えしそうな声で言った
「おい」
「......!な、何?」
「御託は良い。本音で話せ」
「な、何のこと?私はホントのことを......」
「今日の趣旨はそれじゃない。さらけ出せ」
数秒間にらみ合った後、佐々木は観念したように口を開いた。
「はぁ......無駄みたいね。私が愛してやまないのは当然、八幡様でございます。私は幸運なことにテストのときに出席番号順に座ると八幡様とは隣同士//テスト問題を解いていますと消しゴムを落としてしまったので、その時に先生に取っていただこうと思ったのですが熟睡していてどうしようかオロオロしていたところ、八幡様はご自分の消しゴムをおちぎりになって私にお与えくださったのです//それは今でもパックに入れて保存してありましてそれを眺めるだけで不思議と下腹部がジンと......//」
「あ、いいなー!」
「八幡くんの私物......」
(え!?何で比企谷の話になったの!?しかも何で急に敬語!?何なの下腹部って!?本気度が葉山のとき1だとしたら比企谷は100じゃない!?って、みんなのリアクションを見るとここにいる人たち全員......)
「ご名答」
その時、川崎の思考を完全に読んだかのように佐藤が言った。
「この女子会......元より八幡くんが好きな女子しか集まっていない。戸塚君や戸部君、葉山が好きな女子は呼んでいない」
「な...//何で私があいつのこと好きだって......!!」
「今自白してくれたからね~」
「はっ!」
この特殊な状況下、そして羞恥心により川崎は机に突っ伏した。
「まぁ川崎さんのエピソードは知ってるからいっか、じゃあ次は?」
「階段から落ちた時、支えてくれた!」
「普通、次」
「おじいちゃんが危篤の時、町でたまたま会って救急車呼んでくれた!それで病院まで付き添ってくれた!」
「八幡くんなら普通、次!」
「「「文化祭の時助けてくれた!!しかもその後全力で謝ったら許してくれた!!」」」
「それはもう知ってる......」
加藤に八重樫、相模、本田(遥)、清水(ゆっこ)の三人も撃沈した。
何故、文化祭の悪の元凶となった彼女たちがいるのかというと、彼女たちは文化祭が終わった一週間後、校舎裏に呼び出され、殴られた。そして八幡が誹謗中傷の肩代わりをしてくれていたこと、その為に彼が今いじめに近いことをされていること、八幡の意思を尊重すればこれは言うべきではないが彼がいじめられているのは耐えられないということを聞き、全力で噂を鎮静化し、彼に謝った。すると
『別に......お前らの為にやったわけじゃないから、俺の肩代わりなんてしなくていいのに............』
そうそっぽを向いて言われ、シュンと立ち去ろうとしたときに
『あー、でも嬉しかった。ありがとな』
そう彼には珍しいストレートなデレをされ三人仲良く落ちたという訳だ。
そしてまだまだ各自の惚気は続く
「私職員室に運ぶ荷物、“行くついでだから......”って持ってもらった!」
「しょぼくなってる!!」
「では私が......」
「情報通の宇佐美か、期待してる」
山中は撃沈し、先ほど川崎の件で手を挙げた黒髪ロングで眼鏡の宇佐美のターンになった。
「私は比企谷様にコンビニのバイト先で質の悪い客を追い払ってもらって以来、比企谷様のストーカーになりまして」
「いやあんたの方が質悪いじゃん!!」
「あ、川崎さん起きた」
川崎もそのあまりの内容にショックから復活した。
「その時にですね......比企谷様は妹である小町さんからの用事でららぽーとに来ておりました。そしてそこでは比企谷様の愛飲するマックスコーヒーの工場見学とマックスコーヒー一箱が一等商品の福引がやっていました。小町さんのお使いでちょうど福引券が溜まり引いたのですがそこではティッシュが当たり、しょんぼりと出てきました。」
「あー......そのガラガラ今度ぶっ壊そっか」
「い、いきなり怖い......」
“話を戻します”と眼鏡を上げて、宇佐美は続きを話した。
「その後にガムを踏み、カラスの糞に当たり、鼻水も出そうでとてもティッシュが欲しそうなOLが見えたので比企谷様はティッシュを渡しました。そしてそのお礼に“あ、お礼!えーと......あ、コレ!まだ飲んでないから!!”と爽健美茶を貰いました。」
「ほうほう......」
(流石比企谷......助けられる人は助けるんだな)
「更にその後、日向でつらそうにしている派手な服を着たおばあさんに会い、その方に爽健美茶を上げるとお返しに黒飴を貰いました。」
「お茶から飴か......」
(流石比企谷......以下略)
「さらにその後にスーツを着て先ほどの特徴と合致するおばあさんを探す男性に出会いました。如何やらおばあさんの黒飴は味は絶品、さらにどんな病気でも治す効能までついていたそうで、病気の母の為にそのおばあさんを捜し歩いているそうだったので比企谷様は黒飴をお渡しになりました。すると“あ、ありがとう!!何かお礼をしたいんだが......あ、この千円札を受け取ってくれ!!”と男性は去っていきました」
「一万円ぐらい渡しなさいよ......!」
(流石比企谷ry)
「その後、アイスの移動販売の車の横を通った時に比企谷様のズボンに5歳ぐらいの子供が買ってもらって大はしゃぎして前が見えなくなっていたのでしょう、ぶつけてアイスを落としてしまいました。海よりも深く、空よりも清い心をお持ちの比企谷様ですが残念ながら素人から見ると少々恐ろしい目をしているらしく、少年は涙目になってしまいました。しかしそこで比企谷様は少年の頭を撫でて『悪いな、俺のズボンがアイス食っちまった。次は五段...じゃ、腹壊すか、三段くらいにしてお釣りはお小遣いの足しにでもしてくれ』と千円札をお与えになったのです//」
「キャー//アイスぶつけられたけど許す八幡くんカッコイイ!!しかもその後スモーカーやろうとしたけど子供の身体のこと考えてやめてる!可愛い!!」
(流石比ry)
そしてこの話には続きが......と宇佐美が続ける。
「その後、少年のお父さんらしき人物がお礼を言いに来て“すいませんうちの子が!それとありがとうございます!あ、コレよかったらどうぞ。福引で当たりまして......”とマックスコーヒー工場見学とマックスコーヒー一箱を渡しました」
「良いことしてる人の元には良いことが舞い込むってね」
(流石ry)
突然、“あ、そうだ”と佐藤が思い出した。
「黒瀬さんは?何かある?」
「わ、私ですか!?え、えーと......」
モジモジしながら当初から「は、恥ずかしいな......//」や「八幡くんの私物......」などのセリフがあった黒瀬きりえが話し出した。
「あ、あの私実は......キルルって名前でアキバで活動している地下アイドルなんです」
「え!?スクロールしても中々文出てこないってことは回想入るの!?一番重い感じ!?」
「今日もみんな楽しんでくれたな......えへへ」
私は地下アイドルの中でも“カリスマ”と呼ばれる存在でかなり人気があります。それでファンも多く、いつもはライブを終えたら“キルル”から“黒瀬きりえ”に戻って帰宅していました。
でもその日は20曲以上歌って疲れていたので気が緩み、キルルとして帰っていたのです。
すると、耳にピアスをつけた怖そうな二人組の男性が寄ってきました。
「あれ?この子キルルじゃん!!うっわ超レア!!写真撮っていい!?」
「あ、あの今はプライベートなので写真は......」
強引に写真を撮られて、その後腕を引っ張られて引きずられてしまいました。
「な、何するんですか!?やめてください!!」
「いやいや......地下アイドルの裸写真は高く売れるんだよ」
「ひっ......」
小声で囁かれ、私は頭が真っ白になりました。そして必死に抵抗しながら周りの人に助けを求めようとしたのですが見てみるフリをされてしまいました。
(ああ...そうか、皆自分のことが一番なんだ。私だってそうする、だったら私のこれは高望みだ)
「あ、抵抗しなくなった。ようやく諦めたか」
その時、私はすべての希望を捨てました。でも救世主は現れました。その人は殴ったりして力で解決するヒーローではなく、言葉で助けてくれました。
「あ、そうです。三丁目の角!急いできてください!!」
「チッ...サツにチクりやがった!!逃げろ!!」
(ひ、比企谷君......?)
その人は同じクラスの八幡くんでした。いつもは大きな声を出さないのに声を張り上げて警察の人を呼んでいる姿は何故か輝いて見えました。
「あー......大丈夫だったか?」
「あ、おかげさまで......」
立ち話もなんだから......と八幡くんを連れて近くの公園のベンチまで来てしまいましたが話題がありませんでした。
「あ!そう言えばさっき呼んだ警察の人は大丈夫なんですか?」
「ああ、あれはブラフだ。携帯持ってればマジっぽく見えるからな。ホントに呼んだら俺でも知ってるアキバでは有名なアイドルのお前にちょっと迷惑かかると思うし」
な、成程......もしかしたら警察を呼んでいたら地下アイドル活動について補導されるかもしれない。そ、そこまで考えて......
「比企谷くんは頭いいんですね」
「...?俺お前に名前教えたか?」
「あ!」
思わず、口から出てきてしまった。でも...比企谷くんならいいんじゃないかと何故かファンが学校まで来てしまうことを恐れて話さなかった私の正体を話してしまった。そしてそれに伴う苦労とかも全部......彼には関係ないことなのに親身に聞いてくれて、もう帰らなくちゃいけない時間になって
「あ、あの比企谷くんには自分から言っといて何言ってんだって思うかもしれないけど......私の正体誰にも言わないで下さい......」
「別に言いふらす相手とかいねぇよ......後なんだ、これからも苦労することもあるだろうし、なんかあれば話聞くぞ。」
そう、頭をポリポリとかきながらそっぽ向いて話す彼が本当にかっこよく見えて......
「その時に、私は堕ちました。後、その時にメアドとLINEも交換してもらったんですよ!!」
「は、八幡くんのメアド......!くぅ......欲しい......」
(さry)
すると相模が思い出して聞いた。
「そう言えば佐藤は?どういうエピソードがあんの?」
「ふっふっふ......良くぞ聞いてくれたな!これを見よ!!」
そう言うと佐藤はスマホの電源を入れた。
「私のメアドは”I love Hachiman0808@〇▲☐だ!!」
「「「「いやあんたが一番しょぼいわ!!!!」」」」
「で、次の議題だが......」
「いや、ページ変えて流すなよ」
何事もなかったかのように進行をしようとする佐藤に相模がツッコむ。
「八幡くんが修学旅行以来いじめられている。」
「「「「......!」」」」
しかしその緩いムードもそこで崩れた。そう、今回はその対策の為に集められたのだ。
「今回の修学旅行、そこであった葉山隼人の以来の全貌を宇佐美、頼む」
「了解しました。修学旅行、その前日に奉仕部には依頼が舞い込みました。それは葉山隼人、戸部翔からの“戸部の海老名さんに対する告白の手伝い”という内容でした。しかしこのとき戸部翔は“ぶっちゃけ振られるのはきついから絶対成功するように手伝ってほしいんだよね”と軽い雰囲気でしたが確かに話しており、このことから依頼=失敗しない告白ということになります。更には比企谷様のことをヒキタニなどと......!」
「落ち着いて、この間戸部君に聞いてみたら“えっ!?ヒキタニくんって比企谷くんって言うの!?隼人くんがヒキタニって呼んでたからそう思ってたっしょ......ちょっと俺謝ってくる!!”って言ってて、それで謝ってるから。恨むなら葉山だけだよ」
「は、はい......」
宇佐美が葉山たちへの怒りをあらわにして冷静さを失いかけるが佐藤が窘める。しかしその現状を聞いて相模も切れていた。
「はぁ?何それ?私のもの依頼として成り立ってないけど、こんなの彼女欲しいから寄こせって言ってるようなもんじゃん!あれ?
「ちょ、ドラクエじゃないんだから。じゃあ戸部君はトルネコか?馬車三兄弟か?うん、大和と大岡は知らされてたっぽいけど三浦さんは知らされてなかったんだよね?」
「はい、おそらくグループの中で男子と女子...ああ、依頼で知っているので由比ヶ浜さんは外しますが......に分かれています。ですが大和と大岡、そして戸部も本当の目的は知れされていなかったようです。」
「本当の目的......?」
その含みを持たせた言い方で気になったのか、相模が尋ねた。
「はい。実はその問題の依頼の数分後にその対象である海老名さんも部室に訪問しておりまして、その時に少し雑談をしたのです。内容は”ヒキタニ君の男子たちとの絡み期待してるよ”などの腐ネタがあり、部室を退出する直前に”私、今の関係が好きなんだ”などと言っております。つまりこれは強引に取ると男子たちを私に近づけるな、今の関係を変えたくない、とも取れますので告白の阻止という依頼であった...と予測できます」
「な...そんなの不可能じゃん!」
余りの難題に相模が抗議する。すると宇佐美もまた怒りを出して言った。
「ええ、そもそも比企谷様はこの依頼には乗り気ではありませんでしたが胸に脳の栄養が吸い取られたピンクと胸の栄養を脳が吸い取ったはずなのに無能な絶壁が”奉仕部の備品なのだから人権はないわ”などと無理矢理受けさせられたのです」
「これは宇佐美が録音してある。雪ノ下、の苗字とこの録音を週刊誌にでも送れば終わる。あのシスコンごとね」
「あぁ......ハルノさんか......私が変な風にとっちゃったのがいけないんだけど、比企谷見てるうちにあの人がやりたいことよくわかんなくなって怒る気にもなれなくなったんだよね。あのやり方で雪ノ下さんが成長できる訳ないし」
その雪ノ下陽乃という名前に少々トラウマのあるはずの相模が軽く言う。それだけ比企谷八幡の姿は彼女に影響を与えたのだろう。
「まあ奉仕部の二人は私たちの平塚先生を通じての”さすがに言いすぎじゃないの?”の複数回にわたる抗議も無視してるしね。いつもコミュニケーションとか言ってるけどなってないからね~一発でまともに戻った相模たちとは違うね。あ、宇佐美」
「はい。更に告白30分前に葉山が比企谷様を河川敷に連れ出しました。そして何を言うのかと思えば告白阻止、グループの存続・延命.....そして板挟みにされた比企谷様が最終的に取られたのが.....」
「噓告白......でしょ?噂になってる」
宇佐美の話を川崎が繋ぐ。皆真剣な表情だ。
「今のを聞いて分かった通り、八幡くんがいじめられる理由はない。だがだからといって暴露して矛先を相手に向けさせるだけでは駄目だ。八幡くんは優しいからそんなことは望まない、しかも八幡くんが守ったグループを壊すなんてしない」
「ならどうするの?」
相模が聞く。すると佐藤は不敵に笑って答えた。
「私一人で考え付くわけないだろ?八幡くんじゃあるまいし、皆で考えて出すんだよ。そんで最後の情報共有だけど、葉山君は幼馴染の雪ノ下さんに近づくためにやったって京都の竹林で漏らしてたよ、成功だ......!ってね。これにはちょっと無理かな......」
普段、ネタ以外ではほとんど怒らない佐藤の声に怒りの感情が乗る。
「やっぱりか......でもやろっか、葉山君にはムカついた。けど傷つけちゃダメなんでしょ?」
相模も同じだ。
「八幡くんの現状を打破するのが最優先......でもやっぱり一発殴ってやりたい気分です」
地下アイドルの黒瀬もキャラに合わない物騒なことを言う。
「いえ、お手を下すまでもなくあのようなものたちは勝手に滅びますよ。とにかく沈静化です。どうしましょうか......」
宇佐美も首をひねる。
すると黙っていた川崎が口を開いた。
「出来るでしょ、こんだけ人数居るんだから。今まで私たちは誰の背中を見てきたの?」
そしてそう問いかけた。
「ふふ、そう言われたらやるしかないな~。皆!」
そして佐藤がみんなの注目を集める。
しかしとっくに皆の覚悟は決まっているようだ。
「私たちは今まで八幡くんに助けられてきた....なら今こそ彼の力になるべきだ!一方的だとしても、彼の”本物”の味方になるべきだ!!」
そこまで言って佐藤は席を立ち教卓まで登り、その机をバンと叩いた。
「今度は、私たちが彼を助ける番だ!!!」
「「「「おお——!!!」」」」
「やるぞ!!」
「「「「おお——!!!」」」」
この日、交わされた誓いは現実のものとなり、比企谷八幡の周りは騒がしくなった。
それは生涯続き、本人は鬱陶しいと言っているが嬉しそうに笑うことが増えたらしい。