とあるオタク女の受難(ジョジョの奇妙な冒険編)。   作:SUN'S

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第12話(ウィル・A・ツェペリ)

私は幸運にもタルカス鎖に分断されることなく(・・・・・・・・・・・)、ジョジョへありったけの生命の波紋を流し込むことが出来た。

 

吸血鬼ディオによって甦ったブラフォードをジョジョが打ち倒し、無数の屍生人を私とスピードワゴンで露払いしていたといえ彼の成長には驚かされてばかりだ。

 

「ツェペリさんっ、目を、目を開けて下さい!」

 

「しっかりしろ、ツェペリのおっさん!」

 

彼らの騒々しくも私を心配する声を聞き、僅かながらに目を開ける。よかった、生きている。そう安堵する声とは裏腹に、私はまだ波紋の呼吸を練ることは出来ること、この程度の浅い呼吸では奴らを倒す威力は出ない。

 

この先に待ち構えているであろうディオを倒すため、死地へと二人を送らねばならないことに気が重くなる。ゆらりと覚束無い足取りで立つ。

 

しかし、スピードワゴンに肩を借りなければ歩くことも儘ならない。

 

「ジョ、ジョジョ……、私の波紋は君の中でかつてないほど燃えたぎり迸っている。スピードワゴンとともにディオを、石仮面を破壊するのだ!」

 

私の言葉に「あんたを置いていけるわけねえだろ!?」と反論するスピードワゴンを押し退け、ジョジョへディオを倒せるのは君だけだと告げる。

 

我が師トンペティの占いは当たっている。おそらく、あのお嬢さんが私たちになにかを仕込んでいたのだろう。

 

私が生きているのはそのおかげだ。

 

〈一ヶ月後〉

 

私は言葉に従ってウィンドナイツ・ロットへ向かったジョジョたちは我が師に出会ったそうだ。私の親友のダイアーはディオの片腕と片目を奪い、誇り高き最後であったと知らされた。

 

そして、今日はジョジョとエリナお嬢さんの新婚旅行を見送る日だ。スピードワゴンは、あの時のお嬢さんに捕まり、一応は観念して恋人になったというのはジョジョから聞いた。

 

「ツェペリさん、来てくれたんですね!」

 

「ああ、当然だとも」

 

私と握手を交わすジョジョは一月のうちに、また大きく成長したように思える。やれやれ私も歳を取ったものだ。そう思っていると慌ただしく車椅子を押しながら走ってくる男が見えた。

 

「待ってくれよ、ジョースターさん。せめて挨拶ぐらいさせてくれ!!」

 

自らをお節介焼きと自称し、そのとおり我々の戦いにまで着いてきた男、ロバート・E・O・スピードワゴンがジョジョたちに花束を差し出す。

 

「ありがとう、スピードワゴン。あの時、もしも君がいなかったらどうなっていたことか」

 

「よ、よしてくれ。おれは、あんたらのためなら世界の裏にだって行くつもりなんだ。そんな小さなことを感謝してもらいたくてした訳じゃあないぜ」

 

「それは頼もしいな」

 

二人の会話を区切るように船員が乗客へ声を掛ける。私たちも二人から離れ、若人の素晴らしき人生への門出を願って祝福の拍手を贈る。

 

 

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