とあるオタク女の受難(ジョジョの奇妙な冒険編)。 作:SUN'S
第13話
◇月∬日
早朝、アタシの部屋に小包が届いた。
差出人はロバートお祖父ちゃんか。
また、変なものを送ってきたのか?と同封の手紙にお祖母ちゃんやママの持っていた「本」を送ると書いてある。
アタシのお祖母ちゃんは不思議な力を持っていたそうだが、本当なのかは不明だ。少なくともロバートお祖父ちゃんはアタシの怪我を治したり、アタシを抱えて水の上を歩けたりする。
もちろん、アタシには出来ない。
しかし、どうして、こんな本を送ってきたんだ。なんにも書かれていない上、ヘンテコな〈レヴィー・ブレイク〉ってタイトルが書いてあるだけだ。
ただ、この本をママが持っていたというのには興味がある。あの寂しがり屋で、意地っ張りなママの持っていた本だ。
きっと、お祖母ちゃんの力の秘密が隠されている。そんな予感がアタシの中に生まれ始めている。そう、これは運命的に出会った男女のように、アタシはこの本を持っていなくてはいけない。
◇月℃日
アタシのところへロバートお祖父ちゃんが死んだという話が届いた。しかし、あの何をやっても死ななそうなお祖父ちゃんが死ぬとは到底思えない。
おそらく身動きが取れなくなっているか。
どこかで変な遺跡や土地を探検しているのだろう。そうでなければ本を送ってきた意味を聞くことは出来ないし、アタシをアメリカへ呼び戻した理由も全てが分からないままだ。
ロバートお祖父ちゃんの友人。エリナお祖母ちゃんのいるレストランに向かう途中、すごく昔に見たことのある後ろ姿を見つけた。
ふーん、あいつも来たんだ。
ちょっと嬉しくなりながら走る二人を小走りで追いかける。アタシの心臓はママやお祖母ちゃんと違い、そこそこ丈夫なとのなので小走り程度ならオーケーだと主治医のおっさんも言っていた。
鉄骨の柱に寄りかかって溜め息を吐くジョセフ・ジョースターの右肩に手を置き、久しぶりねお兄ちゃんと声を掛ける。
数秒、数十秒、アタシの顔を考えるジョセフお兄ちゃんにアタシのことを忘れたのかと頬を引っ張りながら文句を言う。まったくもうエリナお祖母ちゃんに告げ口してやろうか。
◇月∴日
ジョセフとエリナお祖母ちゃんと別れて街を歩いていると見たことのある男がいた。ロバートお祖父ちゃんと一緒にメキシコへ行っ男だ。
いや、きっと他人のそら似だ。アタシが見たのは初老のおっさんだった。あんな若くてハンサムな顔の男じゃあなかったはずだ。
そんなことを考えるアタシの目の前にやって来た男は、いきなり掴み掛かってきたかと思えば、お祖母ちゃんの名前を呼んだ。
そして、あろうことか。
アタシの持つ「本」を奪うと宣言した。つまり、これはロバートお祖父ちゃんの話してくれた五十年前の名残ってやつだ。
アタシのお祖母ちゃんとお祖父ちゃんが手助けしたという吸血鬼退治の続きだ。ただの冗談だと思っていた話は、アタシへの警告でもあったんだ。
それじゃあ、アタシがロバートお祖父ちゃんの仕事を、吸血鬼退治を引き継いでも良い訳だ。そっとジャケットの裏に仕舞っていた本を取り出す。
お祖父ちゃんの仇、取らせてもらうわよ。