とあるオタク女の受難(ジョジョの奇妙な冒険編)。 作:SUN'S
◇月×日
まったくジョセフのヤツは大袈裟だ。ほんのちょっと怪我したぐらいで騒ぎ立てて、波紋というものを使って怪我を治してくれた。
それに関しては感謝するが、アタシのお腹に触ったのは許さない。ビンタ一発で済んだだけ有り難いと思ってほしいものだ。
だが、それにしてもだ。アタシのところへ来たのがゾンビで、ジョセフにはストレイツォ本人が行ったのには納得できない。
そうジョセフに文句を言う。すると、自慢げに俺ってば優秀だからね、なんて嫌みったらしいセリフを吐くので脛を蹴る。
ロバートお祖父ちゃん、アタシが仇を取った訳じゃないけど。安らかに眠ってくれ、今後の石油王の座にはアタシがいるからさ。
アタシの決意を遮るように、口に手を当ててきたジョセフが小声でロバートお祖父ちゃんは生きている可能性があると教えてくれ、ちらりとジョセフを見上げながら、さっきのセリフは内緒で頼む。
そう伝えた。
◇月〓日
すごく暑い。
ジョセフとのメキシコ旅行、もといロバートお祖父ちゃんを連れ帰るためにやって来たのは良い。あと少しで馬の飲み水を使いそうになったジョセフを止められた。
それに意外と気さくな人たちにガソリンと食べ物を別けてもらえた。アタシがいるのはサイドカーだし、時おりジョセフに飲み物をストローで吸わせたり、香ばしい燻製の干し肉を与えているだけ。
さほど窮屈という訳でもない。
ただ、トイレの有無は心底呪った。ジョセフはイチイチ借りにいくなと言うが、あいつはレディをなんだと思っているんだ。
ふと視線を感じて後ろに振り返る。サボテンとマントらしきもの以外なにもない。いや、こんな砂漠のど真ん中にマントがあるのは不自然だ。
そうジョセフに伝えると面白いことを思い付いたように急カーブを決め、マントを轢き潰した。若干、車体が浮いたような気もするが、とくに何事もなく進むことになった。
◇月+日
アタシの着替えを勝手に使い、あろうことか女装して忍び込もうとするジョセフに呆れる。波紋砲、テキーラヴァージョンと格好をつけるジョセフの背中を叩き、軍人のふりをさせる。
まったくアタシの服だぞ。
ああ、ウエストの部分が無理やり広がったせいで着れない。ロバートお祖父ちゃんをジョセフに助けたら新しいのを買うように叱ってもらおう。
そう心の中で考えつつ〈レヴィー・ブレイク〉を取り出し、ジョセフとともにロバートお祖父ちゃんのいる場所を探しに基地へ侵入する。
一歩間違えれば銃殺刑だが、うちの大切な家族を取り返すためだ。その辺は大目に見てもらえるように取り計らって、真摯に説得するとしよう。