とあるオタク女の受難(ジョジョの奇妙な冒険編)。 作:SUN'S
◇月%日
早朝、アタシとジョセフはシーザーの先生を訪ねて、遥々ヴェネチアへ来ている。まあ、アタシが来たのは「柱の男」にも〈レヴィー・ブレイク〉を見られたからだ。
いくら身を隠そうと見つかるのは時間の問題だ。それならばジョセフやシーザーと一緒にいて、三人あるいは数人で相手する方が生存率は高い。
それに波紋の修業にも興味がある。屈強な彼らが汗水垂らして鍛える波紋、きっと美しく鮮やかなものになるはずだ。
アタシの言葉にあきれるジョセフを尻目に、身の安全は保証できないと言うシーザーに、少なくともアタシの家系は早死にが多いから平気だと答える。
もっともアタシの血筋は女性が生まれやすく、そのほとんどが心臓病で亡くなっている。今もこうして平気そうにしているけど、アタシの心臓にも小さいながらも疾患はある。
あんたらが死の覚悟を背負うよりも前にアタシは死ぬことが決まってるんだ。柱の男に殺されるか、病気で死ぬか、どちらも同じものだ。
そう言った瞬間、シーザーに頬を叩かれた。
シーザーの祖父。ウィル・A・ツェペリは自らの死を師匠に宣告されながら戦い、その運命を変えたという。アタシが諦めなければ病気も治る、とシーザーは励ましてくれた。
はあ、あきれるほど前向きなやつね。
◇月⊥日
アタシがリサリサと優雅に紅茶を楽しんでいる最中、ジョセフたちは死に物狂いでヘルクライム・ピラーを登っている。
この塔の修業は実に効率的だ。
波紋の精密操作を鍛えつつ、肉体と精神も鍛えることが出来る。とくにジョセフのおざなりな波紋が塔を登れるほど成長しているのが、その良い証拠だ。
アタシも経験してみたいが、アタシの波紋への素質はリサリサ先生曰く皆無だそうだ。素質があったとしても心臓が耐えきれない。
もしも下手に習ってしまうと死期を早めるかもしれないと言われた。そういう脅し文句はジョセフに言うべきだろうだと思うのだが、ひねくれものだからな、意地になって今にも登ってきそうだ。
そう他愛もない話で盛り上がり、リサリサ先生に付き添って塔の中を覗く。二人ともあと少しのところまで登ってきている。
二人とも男の子だろ、がんばりなよ。
◇月∨日
リサリサ先生にジョセフを引き上げる許可を貰ったシーザーは小うるさく絶対に離すなよと騒ぎ立てるジョセフを何とか引き上げた。
そして、やたらと高圧的に詰め寄ってきた。
そのあと直ぐにリサリサ先生へ感謝の言葉を捧げ、アタシが紅茶を楽しんでいたことを知り、ジョセフがオイルまみれの手で触ってきたのは許さない。
どれほど時間を掛けて髪型をセットしていると思っているんだ。ロバートお祖父ちゃんに告げ口してやろうか、と思いながら二人に飲み物を手渡す。
一応、お疲れさま。これから過酷な修業が待っているとは思うが、アタシはリサリサ先生と一緒に楽しく見学させてもらうよ。