とあるオタク女の受難(ジョジョの奇妙な冒険編)。 作:SUN'S
◇月ー日
東方くんの家にお呼ばれしてしまった。
よくよく考えたら男の子の家に来たのも初めてだ。ど、どうすればいいんだろう。こういう時はお姉ちゃんたちに聞いてたから何も分からない。
それにしても東方くんのお母さんは美人だ。私のお姉ちゃんたちも綺麗だけど、こう東方くんのお母さんは大人の魅力が溢れ出ている。
ふと東方くんが香水を捨てているのが見えた。えぇ、もしかして悪戯してるの?と考える。しかし、そういう訳ではないようだ。
あの時の水のスタンドだ。
私たちを狙っている理由を問う。すると、東方くんが暖かい家庭に生まれているのがムカつく。小柄でかわいい彼女がいるのがムカつく。若くて美人な母親がいるのもムカつく。
そう恨み言の数々を答えた。
だが、一つだけ訂正してほしい。私は東方くんの彼女じゃない。確かに東方くんはカッコいいけれど、ほんの数日前に出会ったばかりで私は彼の良いところも悪いところも知らない。
私は何も知らない人を外見だけで好きになったりしないし、その人の性格や人生も否定しない。あなたの行為を咎める権利も私にはない。
◇月#日
早朝、私はアンジェロ岩の前にいる。
東方くんの〈クレイジー・ダイヤモンド〉によって岩石と一体化した彼は何を考えているのかも分からない。いや、もう考えることすら出来ていないのかもしれない。
ぽふっと私の頭に東方くんの手が乗る。東方くん、自分の髪型を貶されたら怒るんだったらさ。女の子の髪を気安く触るのはやめなよ?
そう文句を言いながら東方くんのおじいさんは無事だったのかを問う。私のスタンド能力、ちょっぴり東方くんのに似てるけど。
パワー、スピード、どっちも私より上だ。
それでも私の方が能力は勝っている。まあ、私よりお姉ちゃんたちのスタンドの方が数倍は強いけれど。私は非戦闘員というやつなのだよ。
そんなことを彼に話しながら〈スティール・ホウィールズ〉を出現させる。東方くんの〈クレイジー・ダイヤモンド〉は『治すこと』に特化した優しいスタンドだ。
私の〈スティール・ホウィールズ〉は『エネルギーの循環を操作する』ことが出来る。あの時は咄嗟だったから私の『生命エネルギー』を、おじいさんと循環させて命を繋ぎ止めた。
もっと分かりやすく言えば『輪』だ。この指輪のように一つの『円形』として、私とおじいさんを繋げてエネルギーをフル回転させる。
えーっと、つまりだ。ガソリンがすっからかんのおじいさんに、私がガソリンを満タンになるまで注いだわけよ。
東方くん、もう分かったわよね?
◇月≧日
広瀬くんは素朴だけど優しいね。東方くんは私の事情なんて関係ないと言わんばかりに近寄ってくるせいで、未だに二人以外に友達がいないんだ。
どうやったら友達って出来るの?
私の切実な言葉に憐れみの目を向ける広瀬くん、それと美味しそうにお弁当を食べる東方くん。いつものクールな雰囲気は作り物なのかと疑うレベルだ。
承太郎さんにいたっては私がいるのに気づいて東方くんのことを任せると言ってきた。そりゃあ、承太郎さんは典明義兄さんの親友だけど。
私は無関係でしょうがと叫んだ。
はあ、私の薔薇色の生活は何処へ……。