とあるオタク女の受難(ジョジョの奇妙な冒険編)。 作:SUN'S
すこし小走り気味に歩く四宮詠月を見ながら、お袋の作った弁当を食べる。ようやくクラスに馴染めたのか、黒髪の女の子と楽しそうに談笑している。
「仗助、どーしたんだよ」
「んにゃ、なんでもねえよ」
四宮詠月、俺のじいちゃんの命の恩人だ。それと承太郎さんがこっそりと話してくれた事情は、かなりヘビーなやつだった。
アイツは三姉妹の末っ子で、遺伝的な心臓病が早くに発症しているらしく、この杜王町に来たのも療養を兼ねての事だ。
「おっ、詠月じゃあねえか。なんだ、あいつのこと見てたのか。〈クレイジー・ダイヤモンド〉の東方丈助があいつに惚れたか?」
「そんなんじゃあねえよ。ただ、あいつも苦労してるんだなと思っただけだ。それより億泰よぉ、テメーの兄貴はどうなんだ?」
「あの姉ちゃんのおかげで生きてるぜ。ただし、一週間は絶対安静だってよ。あの電気のスタンドを警戒してのことらしいが、病室つっーのも思ってたより窮屈だって文句言ってた」
「くはっ、そんだけ言えれば十分だな」
そんなことを話しながら屋上の片隅で寛ぎつつ、億泰の言う電気のスタンドのことを思い出す。おそらくスピードは俺や承太郎さんと同等、あるいは俺たちより素早いかもしれない。
俺のスタンドは怪我なら『治す』ことはできる。だが、病気を治すことは出来ない。それに詠月のお姉さんたちも病気の治療法を探している。
どうこう考えるのは俺じゃあない。
ただ、普通に接してやればいいだけだ。
「なあ、なあってば仗助!」
「んだよ、うるせぇな!?」
「あそこの茂みになんか居ねえか?ほら、詠月の後ろの茂みだよ。なんつっーのか、知らねえけど。ずっと詠月のこと見てるぜ」
「ありゃあ、玉美の言ってた野郎か?」
しかし、なんで詠月のことを見てるんだ。なにかスタンド攻撃を仕掛けようとしてるのか?と思った瞬間、詠月と隣の女が後ろのヤツを吹っ飛ばした。
おいおい、どういうことだよ。詠月のやつはいつの間にかスタンド使いと友達になっていたのか。それも女の子のスタンド使いに!
「仗助、あいつ捕まえとくか?」
「あーっ、まあ、そうするか」
ポリポリと頭を掻きながら気絶している間田敏和のところへ向かう。ちくしょーっ、あんまり詠月には近寄らねえようにしてたのによぉ、アイツのせいで近づかなくちゃあいけなくなった。
ちょいと強引に「弓と矢」のことを問い詰めると必要が出てきた。ゆっくりと階段を降りながら、ふと視線を感じて後ろに振り返る。
しかし、誰かが見ているわけでもなく気のせいかと納得する。それにしても髪の毛を突き刺すなんて、えげつねえ攻撃の仕方だったな。