とあるオタク女の受難(ジョジョの奇妙な冒険編)。 作:SUN'S
◇月∧日
また、東方くんたちは良からぬことを考えているのか。おそらく年下の男の子と話しながら、小銭の詰まった空き缶を囲んでいる。
もしもの時は私が止めよう。そう由花子さんに伝えて、広瀬くんを見守る習慣の付き添いを断る。私は恋する乙女の味方だ。
しかし、流石に由花子さんの行き過ぎた行為には驚きを隠せない。それどころか広瀬くんの使ったストローや広瀬くんの落としたハンカチを大事なプレゼントだと言って保管しているのだ。
ちらりと東方くんたちを見る。
よく分からない紙束を集めている。ひょっとして、今回はスタンドを使った杜王町の清掃が目的なのかな?それなら私が注意する必要はないか。
そう思いながら三人を見つめる。
ふふっ、なんだか東方くんたち後輩と楽しそうに話すセンパイみたいだ。これなら私が出ていかなくても大丈夫そうだ。
◇月゜日
早朝、東方くんと一緒に登校する。
ちょうど虹村くんも加わって、三人で歩いていると昨日の男の子がいた。おはよう、と矢安宮重清に声を掛ける。
私の目の前でカツアゲするのはやめなさい。まったく矢安宮くんも嫌なら断るのよ?と教える。それじゃ、私も先に行くわね。
あとで東方くんのお母さんに報告しておこう。しかたない、私も矢安宮くんに一緒に謝ってあげるか。そんなことを考えながら歩いていると矢安宮くんを見つめる男の人を見た。
いったい、なにをしているのだろうか。
◇月↓日
もう本当に最悪だ。
どこかへ走る矢安宮くんを追いかけたせいで、広瀬くんと岸辺露伴が言っていた殺人鬼に会ってしまった。しかも私が出会った中でもトップクラスの破壊力をもつスタンド使いだ。
なんとか矢安宮くんが爆発する寸前にエネルギーの方向を地面に向けられたけど。次に彼と出会ったとき、おそらく私は殺される。
それに彼と私は同じだ。
ただ、普通の暮らしを送りたいだけの無害を装おうスタンド使い。もしかしたら私よりも壮絶な過去を隠しているかもしれない。
そう考えながらアパートに入った瞬間、私は失敗したのだと理解した。私の住所は分からずとも素顔や年齢は分かるのだ。
そして、私は独り暮らしだ。
この杜王町でなら私を見つけることは容易い。ゆっくりと床に座って彼と向かい合う。おおよそ三十代くらいだろうか。
彼が私の両手を触る。かなり気持ち悪いがスタンドを出せていない私は抵抗せず、彼が気を緩めるのを待つしかない。
彼はモナリザの絵で、その、あれしたことを話してきたりする。普通は、そんなこと話さないよね?と思いながら指先を舐める彼を見る。
その目は運命の人と出会えたような、これからの幸せな生活に想いを馳せる花嫁のようだ。そっと私の「手」を掴んで、あなたが欲しいと言ってきた。
う、うーん、まさかの告白だ。
どうやって断るべきか。
そもそも断った方がいいのかな?