とあるオタク女の受難(ジョジョの奇妙な冒険編)。 作:SUN'S
○月ヴ日
はじめて、お父様のお仕事をお手伝いする。ジョースター卿や漁師たちと会談をするお父様の傍らに座り、彼らの話を丁寧に書き記す。
他の人達も私を見習って付添人に書くように指示している。お父様が会談の主要を押さえ、お話の重要なところを纏めてくれる。
我々の考えに民衆の考えを取り入れるのはどうだろうかと話すジョースター卿の提案は画期的で、お父様もそのお話に賛同する。
他の人達もジョースター卿の提案を受け入れ、私は会談のお話をすべて纏めたものをお父様に手渡すと、良くできたと頭を撫でて褒めてくれた。
これからもお父様のお仕事をお手伝いします。そう伝えるとお父様は笑ってくれる。まだまだ、分からないところは多いけれど、お父様のために私は一生懸命がんばります。
お父様はそれは頼もしいなと笑う。むーっと頬を膨らませ、私だってお父様の役に立てるもの、そう言っても優しく撫でてくる。
もっと撫でてくれないと許しません。私の言葉にお父様は笑って抱き上げると頬を擦り合わせて、お髭を押し付けてくる。
もう、くすぐったい。
○月⊂日
ジョナサンと久しぶりと挨拶を交わし、他愛もないお話をしていると彼の後ろから金髪の少年が現れた。ああ、この人がお父様の言っていたディオ・ブランドーなのね。
そう心の中で納得し、彼とも挨拶を交わす。礼儀作法はジョナサンよりも上手く、彼のお話は面白いのに値踏みするように私を見る目が怖い。
一刻も早く彼から離れたい。
ジョナサンに別れを告げて、お父様の待つホテルへと早足で帰る。あんな冷たくって、なにを考えているのか分からない目を見たのは初めてだ。
私は彼が怖くて走ってしまった。
そのせいなのか、胸が痛くて仕方がない。
もう、だめ……。
○月←日
私が目を覚ましたのは病室で、お父様は一睡もしていないのか少し窶れている。私が怖くて走ったりしたせいで、心臓に負担を掛けてしまった。
お父様は謝ってくれるけれど、悪いのは私なのだから叱ってほしい。私が生きていられるのはお父様とお母様のおかげだもの。
そう伝えると涙を流しながら二度と走るなと叱ってくれた。はい、私はお父様の言う通り、どんなことがあろうと走りません。
私の言葉を聞き終えたお父様は医者を呼んでくると言い残し、病室を出ていってしまった。ぽつん、と独りだけの病室は少し怖いけれど、すぐにお父様とお医者様が来てくれる。
私の部屋をノックする音に気づき、ドアに視線を向けると私と変わらない年頃の看護婦見習いの女の子が入ってきた。
いったい、どうしたのだろうか。
そう疑問を抱きつつ、お話を聞けば飲み水を代えに来てくれたそうだ。ありがとう、これは貴女が持ってきてくれたのね。看護婦見習いさんとお話ししているお父様が戻ってきた。
またね、と手を振って別れを告げる。
お父様の見守る中、お医者様の診察を受け、私の心臓はお父様が危惧したようにお母様と同じ病気を患っていることが判定した。