とあるオタク女の受難(ジョジョの奇妙な冒険編)。 作:SUN'S
私の名前は川尻浩作────。
私の
この前も私が庇ったという女の子がお見舞いに来てくれた。なにかを忘れているような気もするが、いずれ思い出すだろうと医師は真摯に言ってくれた。
「僕がパパを支えるよ!」
「ありがとう、早人。それじゃあ、ロビーの自動販売機まで手伝ってくれ」
未だに記憶は穴だらけだが、私は妻と息子のおかげで幸せだ。私が勤めている会社も復帰を心待ちにしていると、しのぶが教えてくれた。
「川尻浩作さん、お久しぶりです」
「ん?ああ、あの時の女の子か」
「ふふっ、早人くんも久しぶり」
「あ、ひさしぶり!」
私の前に屈んで早人と話す四宮詠月ちゃん。しのぶの話だと彼女が杜王町に来たのは最近で、心臓の病気の療養も兼ねての高校生活だそうだ。
なるほど、彼女が倒れたのは病気のせいか。
私は数日後には退院する予定だが、彼女は定期的に通わなくていけない。もしもの時は私たち家族で助けてあげようと早人と小さな声で話し合う。
〈数日後〉
「ふう、少し休憩するか」
私は杜王町でも一二を争う会社の営業部のエースであり、今回の女の子を庇っての交通事故の功績も合わさって部長に昇格した。
なんだか彼女を助けてから最近の人生は素晴らしい方向へ向かっているようだ。そう思いながら妻の作ってくれたお弁当を食べる。
やっぱり、しのぶのお弁当は美味しいな。今日も帰ったら早人とゲームをする約束をしているし、このお弁当を食べ終わったら残りの仕事を済ませよう。
「川尻さん、こんにちはッス!」
「おや、仗助くんじゃないか。こんな会社の近くに来るなんて珍しい。なにかあったのかい?」
「その、今からデートなんスよぉ~っ」
「ひょっとして相手って詠月ちゃんかい?」
私の指摘にビックリしたように表情を変える仗助くんにお駄賃代わりに三万円ほど手渡す。いいっすよ、なんて断ろうとする仗助くんを見上げる。
「もしも彼女にほしいものがあって、それをプレゼントしようと思っているならお金は余分に持っておきなさい。私も妻とデートするときは余分に持つようにしているんだ」
「えっ、まじ?そーなんすか?」
「私はしのぶを愛しているからね」
「おお、スゲーのろけっぷりだー!」
私は自慢するように胸を張って仗助くんにしのぶとの思い出を語ろうかと思ったが、そろそろお昼休みが終わる時間なので、仗助くんに今度あったら続きを話そうと言い残さて会社へ戻る。
ふと後ろに振り返ると詠月ちゃんがいた。
「さようなら、■■■■さん」
「ああ、さようなら」
私だけの愛しいモナリザよ────。