とあるオタク女の受難(ジョジョの奇妙な冒険編)。   作:SUN'S

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第56話(ジョルノ・ジョバァーナ)

アバッキオとフーゴが消えてから、直ぐにスタンドによる攻撃だと理解し、わざと敵のスタンドの術中にハマってフーゴの〈パープル・ヘイズ〉のウイルスを感染させた。

 

僕たちを鏡の中へ引きずり込んだスタンドは、フーゴの〈パープル・ヘイズ〉のウイルスで消えるかと思っていたが、あの四宮葉月(ハヅキ・シノミヤ)がウイルスを除去し、あろうことか追手を助けたのだ。

 

彼女はイカれている。

 

彼が有能だから自分の部下として連れ帰る?そんな簡単に人を殺すやつが有能と言うのならばフーゴやアバッキオ、ナランチャは更に有能なはずだ。

 

なぜ、彼らを勧誘せずにソイツを勧誘する。

 

まったく理解できない。

 

いや、そもそも彼女は僕たちの任務とは無関係だ。それなのに、なぜ彼女は僕たちと行動を共にしているんだ。そう考えながら彼女を見る。

 

ブチャラティたちと一緒にフィレンツェ行きの列車へ乗り込み。また、ハヅキは一人だけで行動するように個室に入っていく。

 

「成る程、彼女は囮をするつもりだ」

 

「ブチャラティ、なんですって?」

 

なにかの聞き間違いかと思ったのか、フーゴがブチャラティに聞き返す。ゆっくりとブチャラティは「亀」の中のソファに腰掛け、僕たちにも聞こえるように話す。

 

「トリッシュと彼女は『女性』だ。俺たちを追っている連中はトリッシュの素顔を知らない。それを利用するために、俺たちと別れたんだ」

 

「おいおい、そう簡単に行くのかよ?」

 

「彼女は口は悪いが、彼女は常に気品を感じさせるような振る舞いを心掛けていた。ボスともなれば気品ある振る舞いをする、そう錯覚させるためにだ」

 

それならば彼女の行動も納得できる。だが、それを見ず知らずの相手に出来るかと聞かれると素直に頷くことは出来ない。

 

〈数時間後〉

 

「ジョルノ、ハヅキの安否確認をするぞ」

 

「えぇ、分かっています」

 

ミスタとナランチャが老いさせるスタンドの本体を探している間に、僕とアバッキオはハヅキの生死を確かめる。

 

しかし、彼女がいるのは102号室だ。

 

僕たちのいた「亀」から離れているが、その102号室に辿り着く前にスタンドの本体に出会う可能性も捨てきれない。

 

おそらくナランチャは列車の上をミスタと一緒に渡っているのだろう。彼のスタンド〈エアロスミス〉が何度か窓の外を往復するのが見えた。

 

「シッ、静かにしろ…」

 

ギィッと音を立てるドアを少しだけアバッキオが開ける。かなり老け込んだハヅキと知らない男が向かい合うように座っている。

 

僕の傍で最悪の相手だと吐き捨てるアバッキオに問いかける。彼が何者なのか。どうして、ハヅキを恨めしそうにう睨み付けているのか。

 

「あいつは麻薬チームの新入りだ。しかもキレやすい上にスタンドの能力も相性が悪い。たしか名前はビットリオ・カタルディだ」

 

成る程、彼がネアポリスにばら蒔かれている麻薬を取り仕切るチームの新入り。そのスタンド能力は本体の受けたダメージを返すというもの。

 

僕の黄金体験(ゴールド・エクスペリエンス)の能力と僅かに似ている。アバッキオの髪の毛を「蝿」に変えて、ビットリオさんのところへ飛ばす。

 

自分の近くをうろちょろする虫ってウザいですよね。もう殺すってつもりで潰すしかない。そう、それこそ廃車を押し潰すプレス機のようにね。

 

「こいつはやり過ぎじゃあねえか?」

 

「これくらいやらないとダメですよ。ほら、ハヅキの足を見てください」

 

「くそっ、ヒデェことしやがる!」

 

アバッキオが左右から押し潰されたように死んでいるビットリオさんを見下ろしながら呟く。しかし、そう思えるのはアバッキオが優しいからだ。

 

彼は動けないハヅキの太ももを短剣で突き刺していた。まるで裁縫針を仕舞うように、何度も彼女の太ももにですよ?いくらハヅキの口が悪いとはいえ女の子を虐めるやつは許せない。

 

 

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