とあるオタク女の受難(ジョジョの奇妙な冒険編)。 作:SUN'S
△月∋日
オレはトリッシュに連れられてショッピングを楽しみながら周囲を警戒する。だが、この地域の住人の半数以上が彼女の父親の信者だ。
彼女の父親は『ギャング』でありながら『救世主』として紛争の絶えない国や土地で信仰を受ける程の人格者であり、ジョルノやブローノの嫌悪する『麻薬』の排除を望んでいる。
これだけ聞けばトリッシュの父親は素晴らしい人物に思えるが、どうも彼の噂には必ず裏表が存在するのだ。一つは『救世主』と崇めながら『悪魔』だと侮蔑する声もある。
そのことはブローノも知っているらしく、どちらが本当のボスなのか判断しきれていないのが、今の彼らの状況だ。
もっともブローノとしてはトリッシュの安全を優先するメッセージを送ってきていた方だと信じたいようではあるが、今の平穏な一日が罠という考えも捨てきれないと話しているのを聞いた。
それをトリッシュに伝えるつもりはない。もしも真実を伝えるとすればオレたちじゃない。それは、トリッシュの父親が教えることだ。
△月ф日
早朝、トリッシュが父親と会う。
その付添人としてボスはブローノ・ブチャラティを指名しており、二人だけでサン・ジョルジョ・マジョーレ島へ上陸する。
オレたちは彼女の父親の用意してくれた小型ボートに乗って、二人が無事に出てくるのを待てば良いだけだ。それなのにジョルノはソワソワと落ち着きのない様子で、大鐘楼を見上げている。
ちらりとボートを見る。
また、ナランチャのチョコレートを取ろうとするミスタに呆れながら、彼の口へクッキーを押し付け、それでも食べてろと言う。
そういう事はやめろ。
いくら気心の知れた間柄とはいえ無理やり奪い取るのは最低の行為だ。ほら、そんなにチョコレートが欲しいならクッキーと一緒にやるからナランチャのは取ってやるな。
△月Д日
トリッシュはブローノたちのおかげで父親と再会することが出来た。だが、その
フーゴのボスは「二重人格」や「解離性障害」の可能性があると話しながら、右腕を怪我したトリッシュを慰めている。
だが、これで合点がいく。
彼女の父親は善悪どちらも持ち合わせている。その『悪』の精神を切り取る事が出来れば、彼女の父親は『善』の精神しか持たない優しい人物だ。
しかし、どうやって精神を切り離す。オレのスタンドは使えない。いや、こういう時に頼れるやつならオレの携帯電話にも登録されている。
あんまり電話しないせいで怒ってるかもしれないが、オレが我慢すれば良いだけのことだ。