とあるオタク女の受難(ジョジョの奇妙な冒険編)。   作:SUN'S

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第64話(空条徐倫)

私の後ろを着いて来ていたグェスを突き飛ばし、敵のスタンドの間合いから出来るだけ遠くなるように押し退ける。

 

なにより、このスタンドはヤバい。

 

エルメェスを沼の中へ引きずり込むパワーもそうだが、こいつの異様なスピードと分裂する能力、いつ襲ってくるのか私たちには見えない。

 

「ジョリーン、後ろだ!」

 

「違うわ、左よ!」

 

〈オラァ!〉

 

エルメェスとグェスの叫び声を信じて、私は〈ストーン・フリー〉で迎撃する。どちらにも手応えはあるのに確実に決まった訳じゃあない。

 

ちらりと花京院月美希を見る。私の事を応援しているが、エルメェスやグェスのようにスタンドを出すそぶりを見せない。

 

くそ、自分は親友だって言ってただろうが!と怒りを込めて睨み付ける。その視線で月美希は理解したのか。彼女のスタンドを出して、私の方へ向かってくる。

 

「ハロー、徐倫ちゃん。彼女の強さは桁外れだから離れることをオススメするよ」

 

そう月美希の声が聞こえた瞬間、私たちの周りが象が踏み歩いたかのように陥没した。いったい、これは何の能力なんだ、私は何を見ているんだ!?

 

「彼女は〈I Can’t Quit You Baby(アイ・キャント・クイット・ユー・ベイビー)〉、その能力は『重力』を操作すること」

 

「そりゃあ、刑務所じゃあ使えないわね…」

 

私の言葉にクスクスと笑いながら頷く月美希を見上げながら『引力』と『斥力』でバウンドを繰り返す〈フー・ファイターズ〉と名乗ったスタンドを見て、流石にやり過ぎだと月美希を止める。

 

〈…あんた……ぃいやつ…ねぇ……〉

 

たぶん、そうでもない。

 

私は父さんを助けるために刑務所へ戻った。あの月美希も重病人と変わらない。なぜ、ここにいるのかを問われれば私のせいだ。

 

彼女は親友のためと笑顔で刑務所へやって来るほど身内に甘いやつだ。私が帰っていれば簡単に釈放されて出てこれる。

 

おそらく、そうしないのは私が『DISC』を取り戻すために手助けが必要だと知っているからだ、私のせいで月美希は命を削っている。

 

「グェスとエルメェスもお疲れだね」

 

「あ、あんたが早めに出てりゃあ疲れなくて済んでたんだよ…!」

 

「せめて、もう少しだけ早く来いよ」

 

「ふふっ、それは善処しよう」

 

いつも彼女は楽しそうに微笑み。私たちの反応は態度を眺めている。それは思い出作りの一環だと父さんに聞いたことがある。

 

「月美希、そろそろ引き上げてくれる?」

 

「もちろん、構わないさ」

 

グィーッと『引力』で私たちの身体が浮き上がり、全身の汚れや沼の水を綺麗に剥がされる。こういう几帳面なところはおじさんにそっくりだ。

 

そんなことを考えながら看守をボコっている囚人たちと合流する。しかし、よく気絶しているやつに追い討ちをできるな。

 

少なくとも私はしないぞ。

 

もっとも当然と言えば当然なのだろう。そいつの不注意で囚人の一人が亡くなったんだ。あまり話したりしたことはないが、私だけでも彼女の死後の安息を祈ってあげよう。

 

 

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