とあるオタク女の受難(ジョジョの奇妙な冒険編)。 作:SUN'S
○月¶日
ディオ・ブランドー。ジョースター卿の恩人のご子息で、ジョナサンとは犬猿の間柄、その彼が私の目の前に座って紅茶を飲んでいる。
私は呼吸を整えて彼に用件を問う。
かちゃり、とティーカップを置いたディオ・ブランドーは私とジョナサンの関係を聞いてきた。質問を質問で返すのはいけないことだも思いながら彼の問いに友人ですと答える。
少し眉をつり上げて訝しげに私を見た後、私の問いに彼は答えた。言い訳や表向きの心配を言い繕っているが、彼は私が自分と話した後に急に倒れたんじゃあ目覚めが悪い。
そう言っているのだ。私が分からないと思っているのだろうか。悟られないように怒りを押し込めて、ディオ・ブランドーの話を聞く。
ジョナサンは嘘つき。ジョナサンはチクり。私の後ろの席に座って控えている爺やも不機嫌そうに顔をしかめている。
爺やは小さな頃のジョナサンを知っているからこそ嘘つき呼ばわりされたことに怒り、ディオ・ブランドーに怒りの矛先を向けている。
○月¢日
私のところへダニーがやって来た。ジョナサンが書いては捨てていた手紙を届けるために、手紙の内容は私の身を案じる言葉ばかり。
そこにエリナと出会ったこと。彼女と楽しく過ごしていることが書かれている。もしもダニーが手紙を持ってきてくれなかったら分からなかった。
ありがとう、ダニー。
よしよし、と頭を撫でながらダニーの身体についた土や泥をタオルで拭う。爺やにあまり動いてはと心配される。ダニーも爺やの方へ行ってしまう。
私は悲しいけれど。
爺やもダニーも心配してくれているのだから仕方がない。そっとダニーから離れて、お湯やタオルで洗われるダニーを眺める。
気持ち良さそうに顔を緩め、爺やの持ってきたお水を美味しそうに飲んでいる。もう、触っても平気ですよと爺やに言われ、私はダニーに抱きついたりしながら撫でる。
○月¥日
誰もいないことを確認して、私は本から『超回復』という一文を栞に書き加えて抜粋する。その栞を枯れた花に挟み込む。
どういう原理で、そうなるのかは不明だ。
しかし、この本から『文章』を取り出し、別のものに挟み込めば、その通りになる。お父様にも教えていない本の秘密を、私は何故かジョナサンのところへ帰ろうとするダニーにも挟んでしまった。
私が本の使用法を知ったこと。それが影響しているのかは分からないけれど、ずっと読めずにいた表紙のタイトルも読めるようになっている。
いったい、どこの国の本なのか。それは分からないままだが、私はこのレヴィー・ブレイクの持ち主と認められた。
きっと、そういうことなのだろう。
そう私は納得して本を閉じる。