第1話 プロローグ
侵蝕体という生きとし生けるものどころか機械までもの敵が蔓延る地球。そのとある場所で激しい戦闘音が響き渡っていた。
「ほらほら。もっと踊れよ。」
──ズシャッ!!ズガガガッッ!!!
大きな剣を振り回す機械。その猛攻に前衛に出ていた隊長格の構造体が弾き飛ばされる。
謎の機械の翼が生えた巨大な機械体が襲いかかっているのはこの辺りで任務を遂行していた10人の隊。構造体9人と重厚な防護服を着ている1人の人物は窮地に追い詰められていた。
「ぐ...指揮官を守りつつ撤t───...!!」
「させる訳ないじゃんバカなの??」
───グヂャッ!!
「が、ァッ......」
人の意識が入った人型の機械...人はそれを構造体と呼んだ。たった今その構造体が何かに叩き潰され、チームを率いる隊長だった彼の中で循環する模擬血液...循環液が周囲に散らばる。
「ひ、ヒィッ...!」
「ばば、化け、物!」
「ヒヒヒっ...もっと踊れ...踊り狂えッ...!」
隊長格のエリート構造体を潰した化け物は機敏な動きでほかの構造体達を文字通りグチャグチャにしていく。巨大な体躯から発せられる声はその姿に似つかわしくない甘美で、幼い子の狂ったような叫び声だった。
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「あちゃーやり過ぎちゃったかな?」
無惨にも散ったこの場で唯一の人間であった指揮官という人物。そんな彼は巨大な機械体に頭を捻り潰されていた。
「キヒッ...まぁいっか。エリートコーゾータイとかいう素材もゲットできたしね。」
普通の構造体とは一線を画す性能を持つエリート構造体。空中庭園の技術力を持ってして造られたエリート構造体は当然機械として見れば宝の山であった。
「ふんふふんふふ〜ん...。あ、そうだった。アッシュも良く頑張ってくれたねー?」
まるで自分自身を褒めるかのように優しい声で自分の頭を撫でる機械体。そこから分かる通り彼女の声と機械体は同一の存在ではなく別物であった。
「──面白いオモチャね。」
「...貴女はだァれ?」
───ギィィイイインッッ!!!
問いかけると同時に真っ赤な刀と黒色の大剣が衝突した。
「私?私の名前はルシア。このオモチャ...私が貰っても良いかしら?」
「だぁめ。」
「そう。なら無理にでも奪うまでね。」
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「...また全滅ですか。」
「そのようだな。あれでも優秀な指揮官とその仲間たちではあったはずだが...そこまで強いのか...。」
「いっその事大々的に殲滅してしまった方が宜しいのでは?」
「...あれを使うのはまだ早い。ここは彼らに出撃してもらおう...。」
「...グレイレイブン隊、ですか。」
「あぁ。新任指揮官も首席で優秀と聞く。もう1チームも派遣しよう。グレイレイブンにはサポート役に徹してもらおう。」
「......分かりました。その通りに。」
空中庭園。侵蝕体に地球を奪われてから人類は宙へ逃げるように空中庭園と呼ばれる巨大な生活圏を創り出した。それでも全人類が収容できるはずもなく地球には数多くの人間が取り残されている。
「...グレイレイブン。彼らならきっと...」
逃げ出した人類のトップ層の目標はひとつ。それは...
「───きっと地球を取り戻してくれるはずだ。」
黒き世界に一筋の光が流れ始めた瞬間だった。
こんな感じで良いのかな...?