「...また来たの?」
「えぇ。そのオモチャが欲しくてね?」
「あげないに決まってるじゃん。」
目の前の白髪の構造体...名をルシアと言ったか。彼女は前にもアッシュが欲しいと勝負を仕掛けてきたのだ。前の戦闘では互いに有効打が与えられぬまま終わってしまったが、今回ばかりは許さない。
「仮にアッシュを倒したとしてもまだ私がいる。」
「益々面白いわね。」
──ギィィィィィンッ!!!
赤い刀と黒い大剣が交差する。互いにパニシングを放出して牽制し合うが同程度なのかあまり効果はない。
───ブォンッッ!!!
横一閃してルシアを弾き飛ばし、パニシング濃度をさらに上げる。向こうも同じようで刀に炎を纏った。パニシングって変換できるんだ...。私もいつか設備が整ったらやってみたいな。
ってそんなこと言ってる場合じゃなかった。
「ふっ!」
───ギャィィィィンッッ!!!
炎と闇のぶつかり合い。辺りが真っ白になって視覚モジュールが塗りつぶされる。徐々に視界が開けてくるとそこにルシアはいない。パニシングを放出して居場所を探ると彼女もパニシングを放出しながら全速力でどこかに向かっていた。
「逃げられると思ったら大...まさか...!」
ルシアが向かっている先にあるのは本体の私がいる無駄にパニシングを放出していたのは本体を探すためだったのか!
今すぐ向かいたいがアッシュでは間違いなく追いつけない。慌ててリンクを切断して四つん這いで武器を探す。
「あった...これでた───」
「まさか声の通り可愛らしい子だったとはね。」
予備として造っていた剣の柄に手を伸ばそうとするも私の首に真っ赤な刀が当てられそれは叶わなかった。
「ふふ...貴女も昇格ネットワークに選ばれたのね。持ち帰ったらルナが喜びそう。」
「...。」
未だに刀を首に押し付けられて牽制されているため迂闊には動けない。しかし...
「そんなんで拘束したつもり?」
「...!」
刀が動き出す前にそれを掴み、近くの剣を拾う。
「...第2ラウンドってやつ?」
「...そうなるわね。」
アッシュのことも心配ではあるが所詮侵蝕体の塊。最悪空中庭園に奪われても目の前のルシアに奪われても構わない。...なんて見栄を張ってみたがそんな事になったら私には耐えられそうにない。アッシュはヒジムに次ぐ第2の家族。奪われることなどあってはならない。
「戦闘中に考え事かしら?」
「うぐっ...!」
──ズガンッ!!
剣を弾かれて吹き飛ばされる。いくらパニシングで強化しようともルシアの力の前に私は無力だった。
「弱い。」
「ぐ、ぁ...」
押し倒され、首に足を押し付けられる。今度こそ何も出来ないな...。
「今は眠りなさい。」
「なん、で...」
パニシングを流し込まれ、私の意識海はその濁流に飲み込まれた。
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「...指揮官。目の前にあの化け物がいますがどうなさいますか?」
「...包囲して攻撃だ。あわよくば捕らえろ。そうすれば空中庭園に大きな貢献ができるだろう。」
「了解。」
だらんと項垂れる化け物機械体アッシュ。シアとのリンクが切れたことによって無防備を晒していた。
「総員攻撃開始!」
───ズドドドォォッ!!!
──ガギィガギィィンッッ!!
「攻撃停止!それを回収せよ。」
銃やら剣やらで攻撃されるアッシュ。それでもなお無抵抗なことに気がついた指揮官は攻撃を辞めさせ、回収することにした。
「一応剣の方も回収しておけ。」
「指揮官!剣が消えました!」
「は?何を言っている...?」
「わ、私にも何が起きたのか...。」
「まぁいい。これが手に入っただけでも儲けものだ。グレイレイブンと合流して帰るぞ。」
「「「「了解!」」」」
なんの景色も移さないアッシュの視覚モジュール。機械体アッシュは空中庭園に回収されてしまったのだった。
https://youtu.be/kL_fkVD9FKE
このPVがめちゃくちゃカッコイイので是非見てみてください...!1分半ぐらいの動画なのでサクッと見れると思います。特に最後の戦闘シーンは前話の戦闘シーンもあって言葉で言い表せないぐらいカッコイイのでオススメです!