「...部屋なんて必要ないと思うけど一応ここが貴女の部屋よ。同居人には伝えてあるから何かあれば彼女に伝えて。」
「ドーキョニン?」
「えぇ。彼女の名前はラミア。人魚よ。狡猾な所もあるから気をつけて。」
「ニンギョってなに?」
「見たら分かるわ。」
「???」
ドーキョニンでニンギョのラミアっていう人。彼女って言ってるからラミアっていう人は女の人だと思う。どんな人だろうね。あとコウカツな所もあるって言ってたけどコウカツってなに?
「それじゃあまた明日。」
「うん。バイバイ。」
軽く手を振ってどこかに行くルシア。私の興味はすぐに部屋の中に移り、何があるのかを探索する。
「...何も無い。」
部屋に入って探索し始めてから僅か10秒。部屋には特に何も無く、大きな棚や机、椅子、そしてベッドぐらいしか無かった。棚の中にも何も無いし...生活感ってやつがない気がする。
「...ん?」
何やら小さくて細い棒がいくつも連なった小物を見つけた。たしかこれはクシってやつだったっけ。ヒジムが『クシがあれば良かったが...すまないな』とかなんとか言っていた気がする。
「...んー?」
「ダメだよ」
「っ!?」
───ギュッ...
「っ!っ!?」
クシとやらをじっくり眺めていると何者かから急に後ろから拘束された。気配を感じとれなかった。そして抜け出そうにもその拘束は硬い。機械の身体みたいだけど頭の後ろに当たるなぜか柔らかい何かも気になってしまう。
「これは私の大事なもの。...勝手に弄っちゃダメだよ?」
「...ごめん。」
「ん。...貴女がシアだよね?話は聞いてるよ。」
相変わらず後ろから拘束されているから頭を上げてその人物の顔を見ようとするが、思うように上げられない。
「...貴女がラミア?」
「うん。よろしくね。」
「ん。よろしく。...離れてくれない?」
「...さっき私の大事なもの弄ったでしょ。だから暫くはこのままで。」
「...ダイジナモノ。」
「シアちゃんにはあるかな?...この腐った世界に大事なものが。」
ラミアの声が低くなると同時に左手が私の顎に当てられる。
「...抱き心地いいね。」
「?」
「そういえば彼女はどうだった?」
「彼女...ルシア?」
「うん。彼女怖いよね...こう...つり目でルナ様以外信用してないような...。」
「...よくわかんない。」
「...そっか。シアちゃんはそのままでいてね。」
「?」
そのままも何も私は私。姿形も変わらないキタナイ機械。だから未だにこの世界で生きている。
「じゃあ一緒に寝ようか。」
「???」
私の体は宙に浮き、そのままラミアに運ばれる。そして拘束されたまま私はベッドに寝かされた。
「???」
「どうしたの?何か気になることある?」
「...機械は寝る必要ないよ?」
「そこ?...そうだね。でも気持ちいいでしょ?」
「...分からない。」
キモチイイがなんなのか。無駄なことがキモチイイ事なのかな...。それとも寝ることがキモチイイことなのか。ヒジムは人間だったから寝てたけどキモチイイのかな?どちらにせよ私には要らないもの。
「おやすみ。」
「んっ...。」
耳元で話されるとなんだか擽ったい。結局ラミアの姿も見れず、何がなんなのか分からないまま壁を見ることになってしまった。ずっとお腹に手を回されて拘束されてるから抜け出せない。
「???」
...私は何をしてるんだろう?
私の頭の中で答えの出ない自問自答が繰り返された。
https://youtu.be/ztcI12WWC_0
前に載せたPVの続き(?)です。内容はルシア・深淵の紅vsルシア・鴉羽の戦いなのですがコレ見てるとシアがルシアに勝てるビジョンが見えなくて困ります...。