...みんなもコ口ナウイルスには気をつけてね。(それで休まれるとバイト出れるか聞かれたら断りにくいよね...)
「なんですかこのパニシング濃度は...。」
「約50%ほど侵蝕されていますね...。」
「しかし本当に解体してしまっていいのでしょうかね?」
「別にいいだろ。このバケモンは動かねぇし所有者もいなさそうだからな。」
厳重な施設で厳重な装備で挑む数人の科学者達。彼らはある部隊が回収してきた侵蝕体を外形を残しつつ解体していた。
「ふむ...」
「何か分かりましたか?」
「うむ...。恐らくこれは人工的に造られた侵蝕体だろう。普通の侵蝕体よりもパニシング濃度が高く、無理やりパニシングを注がれた痕が残っておる。普通機械体にあるはずの核も胸ではなく頭にあることも信憑性はあると思う。」
「っ、本当ですね。黄金時代に造られた物ではない造りをしてますもんね...。」
物言わぬ侵蝕体の頭を解体し、中のコアを取り出す科学者達はこの機械体を創り出した謎の人物に頭を悩ませた。核融合技術によりテクノロジーが飛躍的に進んでいた黄金時代。AIプログラム「ゲシュタルト」の導入や人類初の超光速スペースコロニー「空中庭園」の建造の立案など科学技術の発展は目覚しいものがあった。
その特異点はパニシングウイルスという最悪な形で現れることとなったが...。
そんなパニシングウイルスに侵され、地球を地獄にした侵蝕体が今、目の前にいる。
「...同じ轍は踏まぬ。」
「そうですね...。ですが安全装置の点検は済んでおりますし、緊急停止装置もありますからきっと大丈夫だと思います。」
「我ら空中庭園とはまた違う技術を持った組織がいる...。そう考えると頭が痛くなって仕方がない...。」
「アシモフさんに回しましょうか?」
「...いいや儂がやる。あんな小僧に任せられるか...!」
「デスヨネー...」
「...おい爺さん。」
「誰が爺さ──!」
「──コレ見てくれ。」
「こ、これは...!」
防護服を着たチャラ男といった雰囲気の男が侵蝕体からとある物を取り出した。それは普通の構造体にも使われている発声装置ではなくトランシーバーであった。
「...今までこの化け物は幼い声がインストールされていたと思っておったが...まさか...」
「...遠隔操作していた、って事ですかね?」
「そうなるな...。」
声を伝達するトランシーバー。それが使われていたということは幼い声とこの侵蝕体は別人であり、裏に誰かがいることが確定したのである。
「やはり裏に大きな組織があるに違いない。」
「ですね...そういえばグレイレイブン隊が謎の構造体に出会ったと報告してましたね。」
「そうじゃったな...確か未確認構造体αと名付けられたとか。」
「そのαと関係があったりしますかね?」
「...さてな。儂らができるのは解体とその結果、考察の報告のみじゃ。」
「ええ...。」
そう言うと彼らは侵蝕体の解体に戻った。
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解体が終わり、バラバラとなってしまった機械体アッシュ。目すらないそれは自身の頭に繋がっている機械を睨みつけているようだった。
「......。」
──パチッ...!
アッシュの中で、パニシングによって芽生えた意識。それはAIと言うにはあまりにも粗末であり、子供のお遊びのようなものであった。しかし...
──ビーーッ!!ビーーッ!!
『─緊急停止装...─』
『─緊急停止装置を解除しました─』
『─履歴削除完了─』
───......
侵蝕することに関してとてつもなく強いその意識は、着実に、その地に根付くのであった。
リーフ・白夜ちゃんがあと1人出てくれたらSSS+になるんだけどなぁ...!( 'ω')クッ!
未確認構造体α:言わずもがなシアの師匠(?)ルシア・深淵の紅のこと。この件で空中庭園は彼女を「昇格者」と認識した。