相変わらず黒い空の下。ここに来てから初めて外に出てみたけどやっぱり私の知らない場所だった。崩壊したビル群の中をぼんやりと歩く。
体がぐちゃぐちゃになってたり頭が潰されてそのままにされているコーゾータイやそこら辺を徘徊する侵蝕体。なぜか私を襲ってこないがそれならそれで壊す必要も無い。
「...この世界は、なんなんだろう...。」
前の世界の事もあまり知らない私。この世界の事もよく知らないことばかり。ヒジムから聞いていても全部を聞いたわけじゃない。
「オーゴンジダイ...。ガブリエルが言ってたっけ。」
パニシングが発生したのはオーゴンジダイに起こった事故が原因だとか。オーゴンジダイについては知らないけど今よりよっぽどサカエテイタらしい。
「これが...。」
いつの間にか郊外まで来てしまっていた。そして目の前に見える赤い液体。これがパニシングの塊、ラミア曰く赤潮らしい。とんでもなくパニシング濃度が高い。
「...?」
私が手で触れると手にまとわりついてくる。慌てて振り払ってもう着いてないかを確認する。ちょっとゾワゾワってしてキモチワルかった。
「...これはキタナイモノ。」
キタナイモノならば神に摘み取られることはない。
「...少しだけ練習しよ。」
パニシングを自由に操る練習。ルナの4本の剣を操る姿を見て、凄いなと思ったから私も練習してみる。
「むむ...むぅ......!」
体外にパニシングを放出するのは簡単だ。剣にも纏わせることができたしね。でもそれを体内で循環させるのが難しい。
「...はぁ...。」
手詰まり。アッシュの為に、世界をキタナイモノにするために強くならなきゃいけないのに。なんで...ダメなんだろう...
──ザザァァンッ......
目の前の赤潮が大きく揺れ出す。...さっきまで動かなかったのに。どんどん迫ってくる波。後退りする私の足を飲み込んだ。
「うわ、わ...うぷっ...!?」
抜け出そうとするもなぜか足が動かせず、私は勢いそのままに転んでしまった。...その際にちょっと赤潮を飲んじゃった。
「うぇ...なんか...変な感じ...。」
───ザザァァァ...ン...
波が引いていく。そして何事も無かったかのようにシンとなった。一体なんだったんだろう...それよりも赤潮を飲んじゃったけど大丈夫かな?まぁでも今のところなにも起きてないし...。
「...帰ったら解剖しよう。」
私のお腹の中に入ってしまった赤潮がどうなったのか。それを調べるためにも早く帰らないと。
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「...ふぁ、あ...。普通の構造体なら飲み込まれて
眠そうな顔でとある少女の動向を観察していた白髪の男。地球奪還作戦の主要チームの1つ、ストライクホークのメンバーである彼は赤潮について調べていた。
「...が、まさか耐性のある子が見つかるとは。隊長にでも報告しますかね...。ふぁぁ...。」
「おいバンジ!なんでそんなとこで寝てんだよ!ほら早く来い!」
「ちぇ...あと24時間。」
「次の日じゃねぇか!?」
「......赤潮、ねぇ...。───下らない。」
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「ガブリエル、入る。」
「えぇどうぞシア様。」
ガブリエルの研究室に入って奥の部屋に向かう。私の体を解剖したいから腹部を観察できる機械が欲しいんだけど...あったあった。
寝転がってメス?とやらを使って私の腹部に穴を開ける。循環液が飛び出てくるが同じAB型の循環液が用意してあるから大丈夫。
胃にメスを差し込んで機械を操作して中をのぞき込む。...あれ?
「無くなってる...。吸収された...?」
やっぱりガブリエルの言っていた通り赤潮はパニシングの塊だった。そうでなきゃ体に吸収されるのが速すぎる。
見るものも見たことだし胃の穴を機械で接合し、腹部の穴も塞ぐ。ガブリエル曰く体が特殊な素材だから換えが効かないけどその分優れたものらしいから無理矢理な接合も上手くいってるんだとか。普通のコーゾータイならもっと沢山の機械に囲まれるらしい。
「......あ。」
ついでに体の中に配線通せば良かった...。
Q.シアちゃんの覚醒はいつですか?
A.わかんないです( ◜▿◝ )