第2話 幕間①
私は死んだ。
生まれた時から虐げられ、互いにアイスルヒトとやらがいる両親のサンドバッグとして生きること早16回目のハル。サクラというキから落ちるハナビラ?が私の顔に当たる。
「これが死ぬってことか...。」
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母は何か些細でも嫌なことがあったり、男に振られる度に私を「アンタのせい」と言いながら殴り、父はギャンブルに負ける度に「お前のせいで」と言いながら殴る。
私の世界はこの建物の一室だけだった。外という世界は見るだけしかできず、毎日のように掃除をさせられ、カップラーメンという食べ物の残り汁を啜る毎日。たまにおいしい食べ物の残り物があったからなんとか生きてこられた。ちなみに掃除しかすることが無いから部屋はいつも綺麗だった。ふくろに集めたゴミは母が持って行っている。...私という存在を外に出したくないのだろう。
当然ガッコウというところにも行ったことは無い。家から出れば当然殴られるから行けるはずもない。
「ヒヒヒ...。」
今日も父に殴られ、運悪く...運良く?その場で意識を失ったが次に目を覚ました時には背中に感じる痛みとフカフカな何か。そして真っ白なトリという生物が私の体の血が飛び出しているところを啄んでいる。たしか...カラスと言ったか?でも窓から見ていたカラスの色とは違う。
「キレイ、ね...。」
「カァッカァァッ!!」
血塗れの口。ダメじゃない...私はゴミなんだから。ゴミは食べちゃダメなんだよ?私はまぁ別だけど。
「キヒ...ゴホッ!!...はぁ...へへ...キレイな子...ほん、と......」
「──ぐちゃぐちゃにしたくなっちゃう。」
──バサバサバサッ...!
あぁ、飛んでいく...。
私を食べていたカラスに気を取られて気にしていなかったが、多分今私は外にいる。クサという緑色のモジャモジャが床にたくさんあって、うねうねしてるキというものが私の周りにたくさん立っている。
「これ、が、キ。あれが...ソラ?」
さっきのカラスが飛び去っていったあのソラ。外に暮らす人間達に見つからないよう見ていたひび割れて濁った窓越しじゃない澄み渡った青いソラ。
キレイなものばかりな外の世界。私には勿体ない存在...。何はともあれ外の世界に勝手に入ってごめんなさいって感じ。
それと同時にこのキレイな世界の何もかもを壊してみたい。オモチャみたいに自由に遊んで...自由に捨てて...あぁ、これがユメってことかな。私には絶対できないこと。ユメってのはそういうものだって母と父に散々言われてきた。お前のユメは絶対に叶わないってね。
...まぁそれを聞く度にユメってなに?って思ってたけど。死ぬ時に理解するのってどうなんだろ?
「はぁ......はぁ.........。」
息を吸うのが早くなる。この後私はどうなるんだろうね。母や父から「死ね」って言われてきたからこの眠くなるのが死ぬってことは分かるんだけど死んだあとはどうなるのかな。
私はふとこれまであったことを思い返しながら眠りについた。
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『ピピッ...ピピッ...ピピピピピピッッッ...!!!!』
「侵蝕率72%!もうダメです!!」
「クソッ!!またか!!」
「早く隔離しろ!」
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──ドガァァァンッッ!!!
──ズドドドドドッッ!!!
「ん、ぅ...?」
目を開く。ここが死んだあとの世界?さっきまでの体の重さが無くなって...もないみたいだけど...
むしろさっきよりも気持ちが悪い。
「うぷ...ぉええええッッ!!!」
口から大量の液体が飛び出てくる。血も混ざってるみたい。
「ここは...どこなんだろう?」
私はソラが真っ黒なちょっとうるさい世界に来てしまったようだった。