「ギシャァッッ!!!」
「わざわざ来てくれてありがとね。」
──ズバンッ!!
「ギャッッ───!?」
──ズシャッ...!!
侵蝕体に侵され、我を失った機械体が私に襲いかかるがサブで持っていた大剣を横に一閃して胴体を泣き別れさせる。下半身を失ってもなお蠢くソレの頭に大剣を突き刺した。
「ヒヒ...素材おいしいなぁ...。」
鉄クズに成り下がった機械体は素材の宝庫である。私のサブ武器の大剣を強化したいんだけどいかんせん素材がねー...。だからパニシングを使って強化しようかなって。今までヒジムが近くにいて意識海にいるパニシングとは距離を置いてたけど、彼亡き今はそうも言っていられない。自分の中にいるからね。
「ここら辺なら大丈夫かなー?」
崩壊した建物郡の中心部にある比較的崩壊していない建物の中に入る。大剣を壁に立てかけて自分ももたれ掛かる。
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「......。」
「......。」
真っ黒な何かが蠢き、覆い尽くす世界。もはや通常の意識海で見られるはずのキレイなピンク色の空は見られるはずもなく、私の意識海はことごとくパニシングによって黒く染められていた。
...なんてカッコつけて言ってみたけど要するに侵蝕率100%ってこと。あの日から僅か10日で均衡を保っていた私の意識海は完全に白旗を上げた。
「...ちょっと落ち着いたから向き合う時間を取らせてもらったよ。...貴方は何者?」
「...。」
相も変わらず蠢くだけでスンともいわないパニシング。かといって私が近づこうとすると距離を取ってくる曲者。
「貴方は何がしたいの?」
「...。」
「んー...そうだなぁ...じゃあ私が言うね。私はね、世界をキタナイモノにしたいの。キタナイモノになれば誰も私から離れないでしょ?」
「...。」
いやしくもヒジムと初めて会った時の構図と似ている。ヒジムが私で私がパニシングで...。その時に初めて名前をもらったんだっけ。
「...私の名前はシア。よろしくね。」
「...。」
そう言って手を差し伸べてみる。が、やはりただ蠢いているだ───
───ズモモモ...
私の手を覆うパニシング。これはよろしくって言ってるのかな?...それとも利害が一致したとか。
...何はともあれ協力関係になれそう。
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「.........クフ...キヒヒ...!」
体に巡るパニシング。ずっとのしかかっていた体の重さは逆転し、まさになんでも出来そうなほど体が軽くなった。
「へぇ...こうやって出せるんだ...。」
体から溢れ出す力を絞って手から放出させるイメージをしてみる。すると黒いモヤモヤが手から放出された。これがパニシング...。いつも意識海でしか見てこなかったから新鮮だなぁ...。
「...おぉ。ちゃんと武器も強化できる...。」
侵蝕体に侵された機械体は制御が効かず狂うのと引き換えにとんでもない力を手にする。強固であったり凄まじい攻撃力であったり。空中庭園の構造体が手を焼くほど強くなったりする。ならばそのパニシングを武器に使ったらどうなるのか。そう考えて武器にパニシングを流し込んでみたんだけど...
──ピシピシッ...パキッ...!
大剣がひび割れ、木っ端微塵になってしまう。ん...?あれ?浮いてる?なんでだ?
粉々になったはずの大剣は小さな欠片になって私の周囲に浮かんでいる。つんつんと触ってみても落ち───
───ガヂャンッッ!!
「うひゃっ!?」
あまりの音にびっくりして思わず手を引っ込めてしまう。恐る恐る欠片達を見てみるとそこには粉々になる前の大剣が浮遊していた。
「お、おぉ...?」
柄の部分を持ってみてもさっきみたいに壊れない。刃の部分も金属の拳で叩いてみても壊れない。
「ふふ...あははっ...!」
パニシング...面白いじゃん。
パニシングの力の一部を手に入れたシアちゃん。これから一体どうなる事やら...。
それと次の次で本編始まるからストーリー読み直さなければ...。