灰色の烏   作:つちのこ。

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第7話 幕間・終

 

 

 

───ヒュッ...ズバンッッ!!

 

「ギャァァッッ!?!!?」

 

──ズガァァンッッ!!

 

「ギィィィッ!!?」

 

 

「ふぅ...」

 

 

機械体の素材やパニシングで強化した大剣を振るって侵蝕体を破壊する。たくさん素材が手に入って嬉しいなー。

 

 

「...ただいまぁー」

 

 

誰もいないボロ家の扉を開けて光の無い部屋の奥に向かう。

 

 

「今日で完成しそうかな?」

 

 

侵蝕体から取り出した素材達を床にばら蒔いてとある機械体の前に立つ。

 

 

「...アッシュ。」

 

 

構造体である私の体の構造をそのままにヒジムの巨大な体躯を真似て、1から作り出した人型の機械体。AIなどはなく、パニシングに寄生させるつもりだ。

 

 

「さっき狩った侵蝕体の中にトランシーバー持ちがいたんだよね。」

 

 

アッシュの頭の中に改造したそれを埋め込み、私の首にも同じものを装着する。

 

「あ、あ、あー。」

『あ、あ、あー。』

 

「うん。大丈夫そうだね。」

『うん。大丈夫そうだね。』

 

 

目の前の機械体から私の声が発せられるのを確認して首の装置を外す。

 

ヒジムが死んでから2年。1年前から機械体を造り始めたけどできる限りキタナクなるように造っている。そうすれば壊されないだろうから。

 

 

「...アッシュにはこれを授けるよ。」

『...。』

 

 

2年間お世話になったサブ武器の大剣。これで私の武器はもう無くなってしまったがもちろんあとで造るつもりだ。

 

 

「今日の実験が終わったら実戦投入しようか。」

 

 

そう言いながら私はパニシングを放出した。

 

 

─────────

 

──グググ...ギギッ...バギンッ!!

 

 

機械体が金属音の悲鳴を上げてパニシングを取り込んでいく。壊れたならそれまで。壊れなければそのまま使う。

 

「...貴方はどっち。」

 

 

『......。』

 

 

真っ赤な骨組みが見えるほどひび割れたけど、人間で言う肉の部分には金属が浮遊しながらくっついている。手足もちょっと伸びているように思える。

 

 

「ふぅん?体勢はそうなるんだね。」

 

 

背が高すぎて大剣を杖のようにして床に突くアッシュ。膝も少し折れて、だいぶ猫背だから頭は私の頭の少し上にまで下がっている。

 

 

「...じゃあリンクしてみるね。」

 

 

意識海を通して私とアッシュをパニシングで繋ぐ。こうすることでアッシュの体を私が動かすことができるのだ。

 

 

──ガシャンッ...

 

 

少しだけ動いてみて、特に違和感はなかったのでリンクを切断する。これで実験は終了した。あとはこのアッシュでどこまで戦えるかを見ないとね。

 

 

「...早速実戦投入しようか。」

 

 

私は部屋の奥に隠れて再びリンクした。

 

 

─────────────

 

「...こちらベルンド。目標地点に到達。指揮官どうしましょう。」

『あぁ暫しの間待機しておけ。』

「了解。」

 

 

作戦地域にてとある構造体達が任務を遂行していた。彼らの目標は重要な拠点となるだろう都市の奪還であった。

 

 

「総員侵蝕体に気をつけつつ待機だ。」

「「「はっ!」」」

 

 

現在は上司である指揮官からの待機命令が出たことにより彼らはビルの中で隠れていた。

 

 

「...案外すぐ終わりそうじゃないか?」

「たしかにな。でも油断はするんじゃないぞ?」

 

「...おい、なんか変な感じしねぇか...?なんか...体が重い気がする...。」

「おいナギ」

「はっ。パニシング濃度の計測をします...。っ!ち、近くにとんでもない反応があり───」

「総員退避ィ!!」

 

 

──ズドォォォォォオオオオオオンッッ!!!

 

 

彼らが四方八方に逃げるのと同時にビルが崩壊する。しんとした空気の中、砂煙が晴れた。そこに立っていたのは巨大な体躯と大剣を持つ異形だった。

 

 

「なん、だ...あれは...!!」

「新種の侵蝕体ですか...!?」

「恐らくそうだろう...。総員散らばって撤退せよ!」

 

 

気配からしてとんでもない化け物であることを理解した隊長構造体は少しでも被害を減らすために隊員達を散らばらせた。

 

 

「指揮官、こちらベルンド。現在新種の侵蝕体と遭遇し、撤退中。今データを送ります。」

『助かる。なっ...これは...』

「この化け物について何かわかるのですか?」

『いや...初めて見るな...。とにかく1人でも多く生き残ってくれ。』

「はっ。」

 

 

「それは無理な話だけどねー?」

「は...?──ぁがっ!?」

 

 

──ギリギリ...ミチッ...

 

 

可愛らしい声のする方を向いた途端隊長構造体が宙に浮く。さっきの化け物侵蝕体が左手で首を掴んでいるのだ。

 

 

「は、ぁ...ぐっ...!」

 

「苦しいねぇ?でも逃がさないよ?...貴方以外の全員ぜーんぶ壊しちゃったから。キヒヒ...」

 

「ぐ、き、さまぁっ!!!」

 

 

隊長構造体はなけなしの力で腰の銃を引き抜いて化け物の顔面目掛けて発砲した。

 

──パァンッ

──ガギンッッ!!!

 

 

「ざんねん。」

 

 

───グヂャッ!!

 

 

ミシミシと悲鳴を上げていた首はあっという間に潰される。それをやった化け物は循環液が手に付着するのも気にせず()()を持ち帰って行った。

 

 

 

 




次回本編...と行きたかったんですけど、シアちゃんがゲームに実装されたらどういうステータスになるのかの人物紹介を次回に持ってきたいと思います...。
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