「日本にですか?」
「あぁ、私と一緒に向かうことになったぞ。良かったな」
「いや全く良くないんですが?というか何故に日本へ?」
「開発したコーラップス除染システムの運用状況を見てほしいとの現地政府高官からの要請が政府を通じて私に来た。流石に政府からの要請となれば断れんからな」
リゾートでとんでもない厄災に巻き込まれて数カ月たったある日
私は突如、指揮官に呼び出されていきなり日本へ向かうことになった
まぁ、私以外にも既にメンバーの選出は終わっており、前日になったのが私ということである
ちなみに他のメンバーはM4A1、AR-15、モンドラゴンM1908、ICEY、UMP45である
ちなみに選出基準は休日の消化率が悪い順とのことである
逆を言えばワーホリ共を無理やり休ませるのが今回の主題と言われた
意外だったのはUMP45がいることだった。休日は普通に取っている、なんだったら誰よりもサボってそうなイメージだったがワーホリだったのか・・・自分も言えたことではないが
「この際だ、極東方面の現況を知るにはいい機会だろう」
「と言うか指揮官はいつの間にそんな繋がりが?」
「ん?最近自衛隊の採用銃がモチーフの子達を集中的に採用しているだろ?その際に横流しされた火器を回収するとともに整備して送っているからな。そのついでに除染システムを作ってテストしてもらっていたのでツテがあるのさ」
「あぁ、なるほど・・・」
ここ半年ほど、指揮官は日本から流れてきた火器類を集めてどこかに送っていた
そのすぐ後くらいに日本の制式採用銃をモチーフにした子達が来ていたのにはこんな意味があったのか・・・
国際便であることから海外であるとは予測していたが、まさか流れた元の国に送っていたとは・・・さぞかし儲けが出ていたのだろう
「まぁ実際にはI.O.Pの戦術人形の輸送船団護衛任務がウチに回ってきたのでそのメンバーに選ばれたという事だ。超長距離の海外遠征は何気に初だな」
「あぁ、なるほど」
「まぁその後にバカンスが待っているということだ」
そして概要を説明される
LAFIさんが不服そうなのは自分がメンバーに入っていないことだろう
「明後日の午前4:00、出港します。今回は3隻に分乗する形です。1番船にはM4とICEY、2番船にはUMP45とモンドラゴンM1908、3番船にはAR-15とグリフォーネ、そして我らがクソ指揮官です」
「お前これまで以上に殺意込めてねぇか?」
「さぁ、何のことですか?説明続けますよ」
めっさキレた顔でLAFIさんが指揮官を黙らせた、怖くて目を合わせられない・・・
「道中、幾つかの地点で海賊の襲撃が予測されます、一つはアデン湾、ここでの襲撃確率は現在のところ75%です。2つ目はインド洋ソマリア周辺、アデン湾に近いためですがこちらは40%ですね」
「この2箇所のみ厳戒態勢で警戒に当たれ、今回の航路では政府や機関の支援は受けられない、アデン湾の近くの国はエジプトとUAE、サウジアラビア以外は緊張状態下にあり問題が多いからな」
「その箇所以外では?」
「基本的に出番はない、一応の警戒には努めておけよ?」
なるほど、行程の約15%のエリアがヤバいだけで他は大丈夫なのか・・・
なかなか楽しめそうだ
「ちなみに寄港予定地点は3箇所あるのでそこでも船員の安全確保のため警備活動がある。まぁ、俺達の出番は全行程のうちおよそ30%程度の話だな」
「寄港地では買い物してもいいかしら?」
「構わないが、ジェッダでは控えたほうがいいな。サウジアラビアの宗教的な問題で女性が出歩くのが少々難しい」
「了解、それ以外の寄港地では何か気をつけることがある?」
「基本的にはないが、ハメを外しすぎるなよ?」
了解。と質問していたUMP45が返答したが、彼女はどうやら買い物に出る気のようだ
一方、モンドラゴンM1908は最終寄港地のシンガポールに興味があるようだ
シンガポールといえば、銃としての彼女が配備された記録のあるベトナムの近くの国だ
彼女は以外にも銃としての自分が配備されたことのある国に強い興味があるらしい
「グリフォーネはどこか寄らないの?」
「んー縁もゆかりもない国ばかりなので、そもそも皆さんほど広く配備されていないですし」
「メーカーのお遊びで作られたようなものだしな、それは無理なかろう。モンドラゴンM1908とシンガポール観光でも楽しんでこい。私も出るし」
「あれぇ?指揮官はサウジアラビアにも用があるんじゃないかしら?」
「サウジのは仕事だ、観光じゃないぞ」
そういえば、サウジアラビアで仕事・・・銃器の大量購入があるらしい
こちらはサウジアラビアからシンガポールへの銃器輸出の仲介だ、指揮官がついでに商談してコンテナ輸送する手筈を整えたようだ
「向こうの軍が既に港の警備に入っているし、港の中にも大型の売店があるから大丈夫だとは思うが気をつけろよUMP45?」
「分かってるわよ、指揮官」
こんなやり取りの後、荷物を用意して翌日向かったのはヘリポート
そこで長距離移動用に使っているMi-24VP ハインドFでサンクトペテルブルグ近くの軍用空港まで向かい、そこから高速列車でロッテルダムへ・・・
ロッテルダムからは港までは直通でバスがあるらしいのでそれに乗って港のゲートまで向かい、そこから船へ分かれて乗船する
なぜ指揮官がそれを知っているかというと、指揮官が生まれた世界では交通機関がそうだったためらしい
つまり生まれはロッテルダムかその近くの都市ということだろう。入ってからは懐かしそうにしていた
「こちらに来てからは初めてか・・・中央駅は見たところ私のいた世界と同じ作りだな。という事は・・・お、時刻表も同じだこれは助かったな」
「よく記憶できてますね」
「第二の故郷だからな。駅から少し離れはするが高級住宅街の一角に父方の実家が在ったし、私もよく家出したときはその家でお世話になったものだ。怒られもしたがな」
「この世界では・・・?」
「行ってないよ、この世界ではあくまで他人だからな。一抹の寂しさはあるが」
その時、指揮官の顔には安堵の表情が浮かんでいた
「ここはいい都市だ、生活は一番しやすかったよ。まぁ、悪い奴らもそこそこ居たが」
「そういう人達と仲良さそうに見えますね」
「失礼な奴め、これでも私は子供時代だけは淑女だったんだぞ?」
「子供時代だけで終わらなければ良かったのにね?」
「それはまぁ、ごもっとも・・・」
どうやら子供時代はマシだったようだ・・・正直想像が全くできない
たしかにまぁ、教養があるのは分かる。意外にもマナー関係は完璧だ
普段でこそズボラでまぁまぁ悪いが、しっかりする時はそれが微塵も感じられないほどのマナー良くやっている
本人曰く、父親がクッソうるさかったからとの事だが、父方の実家のほうがうるさかったのではないだろうかと思った
「グリフォーネ、今お前マナーうるさかったのは父方の実家じゃね?と思ったな?」
「うっ・・・」
「正解だよ、それ。厳密には父方の祖母がうるさかった。まぁ、優しくもあったからな。非行少女にならなかったのも婆様のおかげだな・・・」
「その代わりヤンキーガールになったわね、貴女は」
そこで声をかけてきた人物に指揮官は怪訝な顔で顔を向け・・・驚愕で鳩が豆鉄砲を食ったような顔になった
「おいおい、マジか?」
「えぇ、巻き込まれてしまったわ、貴女に」
「どうしてここで今更?」
「あいにく、私ってば今は造船会社の会長なのよ。そういえば、貴女が筆頭株主の会社よ?名前見てなかった?」
「今回の同行者に名前があったが、まさか本人か・・・」
全く話が読めない、どういう意味だ?
「紹介する、コイツは私の
「誰がコイツですって?」
「イダダッ!!やめろ!!髪が乱れる!!」
「言い方は?」
「誰が訂正するかッ!!おいバカやめろ!!撫でながら髪型を変えようとするな!!」
指揮官が抵抗しない、だと!?
周りに居た私たちは共通でそう思った、口調以外で一切の抵抗をしていないのだ
「指揮官、何で抵抗しないの!?」
「いや、何でか抵抗できないんだ・・・私も何故か分からんのだが」
「分からせが必要かしら?」
「・・・」
UMP45が驚きながら質問しても指揮官自体が分かっていなかったようだ
直後に
「まぁ、このように、私とアリスの力関係が分かったと思うわ。この子が何か馬鹿な事やらかしたらいつでも私に連絡して頂戴?地球の裏からでも駆けつけて叱ってあげるから」
「絶対呼ばないからな!!呼ばせもしないぞ!!」
「連絡先教えてくれませんか?」
「私も教えてほしいです」
「以下略で」
「ノォォォォォ!!」
指揮官が直後にアイアンクローを食らったのは言うまでもない、同時に口を塞がれている
しかも食らわせたのは
「公共機関で移動中は騒がない、OK?」
「んー!!」
「よろしい」
指揮官がガチの涙目だ、よっぽど怖いのだろう。私達も別の意味で恐怖を感じた
敵より怖い相手を初めて見た気がする
「私はアリスと同じ船に乗るわ、この子がハメを外さないように見張らないとね?」
「アンタは私の姉か?」
「
「イエ、ナンデモアリマセン」
指揮官が震えている、これは間違いなくビビっている
何でこの優しそうな人にビビってるんだろうか?
「貴女も同じ船かしら?」
「えぇ、はい」
「今の疑問、船の中で教えてあげるわ♪」
訂正、この人・・・キレる人だ。頭のキレは指揮官のそれを上回ると思っていい
指揮官が軍略の天才なら、この人は経営の天才だ。方向性が全く異なるが、天才性では指揮官より上だと思う
「貴女は面白いことを考えるのね?」
「思考でも読んでるんですか?」
「いいえ、コールドリーディングの応用よ。表情筋の機能抑制、してないでしょ?戦術人形にしては面白い子ね?」
「つっ!?」
一瞬すぎて忘れていたことを当てられた、驚きで一瞬身構えそうになるがモンドラゴンM1908がそれを抑えてくれた
「コーネリア様、お戯れは程々にしていただけますか?他の者達が・・・」
「あら、貴女はモンドラゴンM1908ね?私の所にしばらく来ない?いい話があるのだけど」
「お断りさせていただきます」
「それは残念、同型機の子がいるのに・・・」
屋敷の警備でI.O.Pの人形を使ってくれてるようだ、ありがたい事である
しかもどうやら戦術人形のようで、モンドラゴンを採用しているみたいである
モンドラゴンM1908は極めて冷静に努めていたようだが、同型の採用をしてくれていることに少し喜んでいる
「指揮官が何で抵抗しないか分かった気がするわ」
「えぇ、私もなんとなくですが分かった気がします」
UMP45とM4が小声で話していた、内容は多分自分が思ったことと同じだ
そう、この人は・・・指揮官以上に自由奔放な人だッ!!しかもからかうのが大好きなっ!!いつの間にか自分に相手を合わせているヤベー人なんだッ!!
指揮官が抵抗しないのは恐怖ではなく、ただ単に苦手な相手で対処法がないからなんだ!!
「指揮官」
「なんだ、ICEY・・・」
「ご苦労さま」
「今はお前だけが私の癒やしだ・・・」
あー、指揮官が一気にやつれた
反対に
「まぁ、日本までは40日ほどあるわ、その間に親睦を深めましょう?」
「あ、はい。よろしくお願いします!!」
「クソ
「あらあら、それはどの事かしら?それとクソは余計ね」
「全部だ!!髪型イジるんじゃねぇぇぇ!!」
弱みを握られてるのも、苦手な理由のようだ・・・
これを気に色々根掘り葉掘り聞こう!!と全員が思った
あーぁ、新キャラ出ちゃったよ