「おぉ、ここが···」
「第1経由地のジェッダへようこそ、と言っておこうか。しかしここは相変わらず盛んだな」
「詳しそうですね?」
「この子のお父上様が駐在武官として数年住んでた所だからね。この子も幼少期はココと本国を行ったり来たりしてたのよ?」
「余計なことを話すな、バカ姉が」
「恥ずかしい事じゃないでしょ?」
ケラケラと笑いながら、指揮官の従姉さんは海風に当たっていた
その表情は指揮官と同じく懐かしそうだ
「出発は明日の10:00だ、それまでは港湾内の宿泊施設なり、カジノを楽しむなりして構わんぞ。まぁお前はイカサマしそうだが」
「いや、しませんよ?」
「どうだか」
そう言って指揮官は従姉さんと船を降りた、これから商談との事だ
「おーい!!」
「ん?どうしました?」
ぼーっと海風に当たっていると、下からUMP45の声がした
ラフな服装なので遊びに行くついでに自分を見かけたので声を掛けてくれたのだろう
「遊びに行かない?」
「どちらに?」
「それはもちろん」
UMP45が笑いながら日本独自のジェスチャー···お金を意味するソレをした
カジノに行くという意味だろう
「いいですよー、ちょっとそこで待っててください」
「ほーい!!」
その瞬間、UMP45の顔が驚きに変わった
何せ船から飛び降りようとしているのだから
「ちょっ!?」
UMP45の驚く声を無視して思いっきり飛び出し、地面が近づくと同時に擬似太陽炉を稼働させ落下速度を落としてゆっくり降り立つ
地面に足がつくと同時に停止させ、風で台無しになった髪型を整えながらUMP45に向き直した
「行きましょう」
「普通に降りてくれないかしら?心臓に悪いから」
「その代わり勝たせますから安心して下さい」
「自信たっぷりに言うわね?」
そのまま港に隣接するカジノに行き···結果は···
「ねぇ、貴女、イカサマしてないわよね?」
「フフフ···それはどうでしょうかねえ?」
「言いなさい、どんなイカサマしたか」
「いやいや?イカサマにはイカサマで返しただけですよ?」
カジノに行き、最初にしたのはバカラだ
この時は胴元が自分に有利になるようなシャッフルをしていたのでそれを見抜いてイカサマ返しで連勝した
次にやったのはブラックジャック、似た方式でイカサマをしていたのでこれもほぼ同じ方法で撃退、荒稼ぎしてウハウハのままルーレット、こちらはヨーロピアンスタイルであるため少し苦戦したがディーラーの手の筋肉の動きから出目を予測してトントンに持っていった
後はスロットでぼろ儲けである、そのため私達の財布はいま大変潤っている
しかも戦術人形という事で現金ではなく即時電子振り込みというサービスまでしてくれた太っ腹だ
オーナーと思われる方が汗流していたけど
「あなた、目が良すぎない?」
「普通でしょう、コレくらい。UMP45だってスロットのドラムの絵柄を記憶して乱数調整しつつ当てにいってたじゃないですか」
「ありゃ、バレてたか···」
当たり前だ、バレないとでも思ったか?
「気づいてる?」
「えぇ、もちろん」
だが、カジノを出てから厄介な奴らが後をつけていた
恐らくつまみ出された奴らだろう、金を持ってるとみて襲うつもりだろうか?
「左に3人」
「右は4人、来ます!!」
相手は7人だが武器は持ってない、この程度ならば敵では無い
あっという間に鎮圧して近くを警邏していた警官達に纏めて渡して(ついでにチップで少しばかりの現金も与えて)後は任せた
「なんでチップ渡したの?」
「あぁすれば私達が少々問題起こしてもお目溢しされるからですよ」
「用意周到ね」
そしてウハウハのまま船を戻り···何故か自室に指揮官の従姉さんがベットで横になっていた
「何故こちらに?」
「んー、今逃げてるの」
「何故に?」
「カジノでボロ儲したら僻まれちゃってね?」
「指揮官···」
「いや、あの子は勝負事は強いんだけど
あはは!!と笑う従姉さんに呆れながら椅子に座って口座の中身を再度確認していると部屋をノックする音が聞こえたので開ける
「グリフォーネ、クソ従姉は見なかったか?」
「後で良い笑顔しながら見てますよ」
「逃がさん!!」
「あーれー」
指揮官が振り向きざまに従姉さんは狭い船内を巧みな身のこなしで走っていった
指揮官はいま冷静ではなさそうだから追いつくのは多分無理だろう
そんなイベントを経た翌日の14:00、船は危険なエリアに入っていた
流石の自分も気を引き締めて仕事にあたる
今回は船のレーダーだけでなく戦術人形のスキルも動員する
1番船のM4と2番船のモンドラゴンに戦術人形用レーダーデバイスが持たされている
自分には持たされていないが自分は自分でモデファイ機能で十分以上に賄えるため問題にはならない。なんならデバイスより高精度だったりする
「3番船、グリフォーネより各員通達、7時方向に小型不明船確認、警戒されたし」
「了解です、グリフォーネ。光学で捉えられますか?」
「光学補足は少し難しいです。いま範囲に入りま···」
そこで一瞬固まる、よりにもよって···!!
「各員戦闘配置!!海賊ですッ!!」
「了解ッ!!」
そう通達して自分も銃を構える
自分の名前でもある銃のグリフォーネはカービンタイプではあるが射程は短めだ
よって今回は長射程を確保するため20式5.56mm小銃を使っている
この銃は日本の銃器メーカー、豊和工業が開発したアサルトライフルで、離島防衛を想定した高い防錆性能や排水性を特徴としている
また、日本人の体格に合わせて最適化されたデザインであり、自分としてはとても扱いやすい銃だ
「当てる必要は無い、こちらも武器を持っていると示威出来ればいい!!」
「分かってます!!」
指揮官の命令に従いながら、船の船首のすこし先を狙って撃つ
小さく起こる水柱をものともせずに相手は突っ込んできた
「アリスに変わって命令するわ、爆発物で応戦しなさい。ただし沈めないこと、いいわね?」
「部外者は」
「その人の言う通りです!!射撃で怯まないなら爆発物で対応するしかありません!!」
モンドラゴンの反論を自分が翻す、この相手には銃は効かない
爆発物で海水をたらふく飲ませるしかない!!
「グレネード!!」
指示は出した、いや、出す前からUMP45がグレネードをぽいぽい投げているけど···まぁいいや
爆発物は想定外だったのか海賊はしばらくして帰っていった
「指揮官はどうしてます?」
「船酔いでダウン中」
「えっ···」
初耳なんですがそれは?
シャマール「うーんうーん」(船酔いでダウン中)
グリフォーネ「マジかよww」