「さて、と」
アレから船は順調に進んで日本の東京港に着いた
指定されている停泊場所に停船して最後の荷が降りるのを見届け・・・
何故か指揮官について行くことになった
「指揮官、ここは一体?」
「比良見特別禁止区域、今回の旅の本来の目的地だ」
「地下になにかあるんですか?」
「あると思うんだけどなぁ・・・」
指揮官の反応はどうも怪しい、たらればをあまり言わない、確定系の発言が多い指揮官にしてはやけに煮え切らない発言だ
「何ここ・・・気持ち悪い」
「生暖かいし・・・薄気味悪い」
他についてきているメンバーもそれぞれ不快感を抱いているようである
自分も得体の知れない感覚・・・少し寒い感覚に鳥肌が立っている
「あぁ、そうか・・・」
指揮官がそう言って地面を足で少し掘る、そこには赤い根が張っていた
「なるほど、そういう事かい」
そう言って今度は自分達に耳を塞ぐように伝え、柏手を打った
あまりの音に耳を塞いだ意味がなかったが、それで指揮官は顔をしかめる
「半世紀以上も眠り、まだ寝ぼけているのか?」
「やれやれ、人が寝ているところを強引に起こさないでくれたまえ。君のそれは少々響くのでね」
「現れたな、峰島勇次郎。やはりお前もこの世界に来ていたか」
峰島勇次郎・・・峰島さんの父親が自分達の後ろに現れていた
白い服に白い長ズボン、そして白いハット帽子・・・何もかもが白だ
この人が・・・あの人の父親とは思えない
人当たりが良い・・・
「ふむ、これはこれは・・・面白い子がいるものだね」
そう言って彼は自分を見ながら微笑んだ
その瞬間、今までより強い寒気を覚えた、まるで内面を見られたような気分にもなってきた
「なるほど、内面は男性だね?ずいぶんと面白い」
「おい、このクソ野郎。人の内側に土足で入るな」
「それが素の君だね?娘ばりに口が悪い」
「無駄話をしに来たのではないのだがな?」
指揮官が間に入り、話を強制的に終わらせた
一触即発になりかけていたから助かった
「君が追いかけているあの男の事かな?残念ながらここには来ていないよ。私自身会ったこともない」
「会ってなくても協力は・・・」
「そもそも私に連絡する手段が限られるが?」
「それもそうか、それが聞ければ安心だ。お前はこの世界にとって劇毒でしかないからな」
「それを言うなら娘もさ、あの子は自制できるから私より遥かにマシだがね」
そう言って彼は帽子をかぶり直した、よく見ると姿がボヤケている
「難儀なものだな、そっちも」
「君ほどではないよ、所詮半歩はみ出した程度だ」
「言ってくれる・・・あまり分別考えずにちょっかいを出すなよ。娘さんがお前を殺しに来かねんぞ」
「それは困ったな、既にやってしまったあとだからね」
爆弾発言に全員が唖然とした瞬間、彼は姿を消した
いや、あるべき所に戻ったというべきなのだろうか・・・
「あの野郎・・・」
指揮官が苦虫を噛み潰したような顔で呆れ混じりにつぶやき、入り口に向かい歩き出す
心なしか歩くのが早い、苛ついているのだろう
「帰るぞ、ここでの用事は終わった」
「了解!!」
この後、指揮官は呆れながら話してくれた
峰島勇次郎がどれだけ面倒なのか・・・
あーぁ、この世界にもいやがったよ・・・