「おうおう、よく燃えてんなぁ」
先頭が行われている基地上空に来た俺はそう呟いていた
ここは基地のレーダーにも映らず、一方的に相手を攻撃できる唯一の地点であり、現在展開中の武装であるハイメガブラスターの有効射程ギリギリでもある
「さぁて、積みゲーもそろそろ終盤だ···余計な役にはそろそろご退場願おうか?」
そう言って通信を入れる、相手はもちろん基地の司令を務める、内憂外患のクズだ
「ハロー。君のやってる事は明るみに出ちまったから投降した方が身のためだと思って連絡してやったぞー?」
「貴様···!!」
「あ、言っとくけど俺はテメェより階級は上よ?仮にも上の立場のものにそんな口調でいいのかい?」
「貴様を上司とは思わん!!それに私は知っているぞ!?貴様の本性をな!!」
笑いそうになる事を相手は言っていた、上司とは思わない・・・?結構だ、やはり死んでもらおう
「そうかぁ・・・じゃあ、死んでもらおうかな・・・」
ハイメガブラスターに延長砲身を装着し射程を大幅に伸ばす、同時に出力を限界まで引き上げて照射時間も延長する
「では、処刑のお時間だ」
それと同時にトリガーを引き照射を開始した
基地の司令を勤める男のいる建物ごと施設を縦断する形でブチ抜き、その過程で何機かの戦闘機も破壊する
「ちっ・・・!!」
流石に負荷が高すぎたのかハイメガブラスターが逝った。ジェネレータがブッ壊れて機能停止したのだ
「うげ、エネルギー回路もあかんくなったやんけ!!」
ついでにエネルギー供給回路も保護機能が働いて利用不可になった。元々マージンを大きく取って開発している機体であるため仕方がないが・・・なんで一発だけで?
「っあー」
原因にはすぐに行き当たった、武装自体が次世代機の武装であるため、エネルギー供給量がそもそも桁違いに高すぎるのだ
しかもそれを全力でぶっ放したもんだから当たり前にエネルギー供給回路のキャパシティブレーカーが作動したのだ
「武装展開用の量子ストレージは使えるだけマシだな・・・しぁあねぇ」
古式の武装で戦うのも面白そうなので早速武装を換装した
取り出したのはオルフォス式の自動再装填機能*1を追加したショットガンであ
「行くぜぇぇ!」
高い推進力に物を言わせて一気に接近、マーチングファイアよろしく腰だめでぶっ放して離脱と同時に排莢、自動的に装填される
それが弾切れになるまで撃ち、再び武装を変える
「オメェらなんぞ古式獣で十分じゃぁぁぁ!!」
次の武器はブリーチロード式のフリントロック銃*2である
いきなり前の間に飛び出てぶっ放して離脱、同時に再装填を行い再び目の前に出て発砲する
それを4~10回ほどこなして次に変える
「オルァ!!死にさらせぇ!!」
次に取り出したのは一気に近代化したリボルバーライフル*3だ。ベースの銃はマテバ6ウニカ*4の長銃身モデルで、様々な拡張パーツを組み込んで作っている
まぁ、コレは後に欧州でASSTの組み込み改造する予定である
「ヒャッハァァァ!!」
「真面目に仕事をやれクソ師匠!!そっちのせいで厄介なことになっちまっただろうが!!」
「あぁん?どうせ
「ドツキ回すぞ!?」
わぁ、出来の良い弟子がキレてるわぁ・・・
「やっぱりいつも通り暗躍してやがったな!?」
「あったりまえだろ。全ての流れを読んで引っ掻き回したんだからな。おかげさまでこちらも不安要素を取り除けて満足だ」
「アンタあとであの人らにぶん殴られろ。俺が許可してやる」
「俺に否定権ある?」
「あるかボケ!!」
ブツン!!と通信が切れた。かなーりご立腹らしい
俺もそろそろ遊んでないで本気で行こう
「さて、本気で行くかね」
そう言って降り立ち、銃をしまう
その代わりに左手に盾を持ち、右手に日本刀を持つ
「これで無力化は難しいんだがね」
そう言って敵陣に向けて加速を掛ける。銃撃は盾と装甲で防御、相手の持つ武器だけを斬り壊して戦闘行動が出来ないよう無力化する
途中で剣が折れたが、そのときにはビームサーベルが使用可能な程度にはエネルギー回路の機能が回復したため持ち替えて使用する
「この・・・!!」
「なかなかいい動きだ。基地司令を殺られてそこまで動けるのは流石だよ、あのクソ野郎ために生真面目にやってると・・・」
敵兵の動きは流石の一言。単騎で無理なら集団で囲い込むという行動を自発的に指示もなくやる。だが、俺が待っていたのはその集団になるということだった
「馬鹿を見ちまうぞ!!」
その瞬間、上空に投げ上げたビーム反射ミラーにビームライフルを照射、囲っていた兵達の武装のみを破壊するように動きを計算してセットした反射角度の通りに動いていた敵兵は武装を一気に失った
「馬鹿な・・・!!」
「こちらの動きを全て見切って!?」
それぞれにそういう敵兵を放置し弟子の手助けくらいはしてやろうかと思った矢先、強力なビームが襲ってきたので緊急回避する
目線を向けると・・・弟子であるカズマには言ってなかったある兵器を纏った敵が現れた
「うげ、強奪された兵器やん」
「貴様の作ったこの機体で。貴様を殺してやる!!」
「しかも無事だったのかよ・・・」
現れたのは殺したと思っていた基地司令だった。しかも強奪された機体・・・ハンマ・ハンマを纏っている
適正とかそのあたりはどうしたんだろうか?あり得るとしたら外国、特に欧州あたりで暴れ回っているという白い集団の技術供与で克服したのかもしれん
「これで・・・!!」
「
よりにもよって使いこなしている。手練れと思わなければ殺られるな・・・!!
「いいぜ、相手になってやるよ・・・俺以外のやつがな!!」
そう言って俺は相手の懐に迫り、腕を捕らえた。同時に背負投げの容量で相手を投げ飛ばす。その先にいるのは協力してもらっている私設武装組織フェンリルの集団である
「よう、ちっと悪いがこのアホの介錯頼むわ。俺は少し忙しくてな!!」
「は!?おいちょ・・・!!」
「ヨロシクゥ!!」
一方的に押し付け、俺は基地最深部に潜入する。ここには俺のところから持ち出された特殊なものが納入されているからだ
「見っけた・・・やっぱ一部持ち出されているな。メディアが数点無くなってやがる」
「あぁ、それはコレのことかな?」
「そうそうそれそれ。返してくれると助かるけど無理っぽいかね、白狼了賢くん?」
「無理だな。こちらも恩人のための仕事でね」
「そうかい、それは残念だ。俺個人としては君とお茶する程度にはお近づきになりたいが・・・」
その瞬間、後ろからの攻撃に対して上半身を右に倒すことで回避を行いつつ、話している最中にやろうとしたバカ女の首を鷲掴みして強引にベクトルをこちらへ捻じ曲げて背中が俺の方に付く形で拘束した
「ぐっ・・・!!」
「気配でバレバレなんだよアホ。もうちっと殺気くらい隠す努力しろやバァカ。あ、ちょっとお仕置きしてもいいかな?」
「どうぞお好きに」
「お兄様!?」
「いまのは庇えないからね」
数分ほど身体を揉み回し(意味深ではなく他に武器を隠し持ってないかの確認である)て開放すると涙目で俺を睨んでから白狼了賢の方にそそくさと行った。
「では、君の後ろにある扉から帰りたまえ。そこから先に敵兵はいないよ」
「親切にどうも」
「なに、どのみち君が持ち出そうとする戦闘機は全て撃墜されるのだ。必要なのは持ち出したメディアだろう?」
「そこまで読んでいて、あえて見逃す理由は?」
「興が乗った。それだけだが?」
俺がそう言うと、白狼了賢は一瞬俺に殺気を放ち。すぐに後ろの扉から出ていった
最後にこう、何か一言欲しかったが・・・まぁいいか、どのみち・・・
「苦労しましたよ。オリジナルとそっくりそのままの外観にしつつ巧妙に偽造するのは」
「済まないね。あとでカズマに内緒で美味い飯の店を教えるから許してくれないかな?」
カズマの恋人であり、こういった裏工作が得意な子によって巧妙に用意されたダミーなのだから
まぁ、ダミーとは言え本物とほぼ同じなので細工に気づけばどの値が偽でどれが正しいか分かるし、そのデータのズレ幅が計算できればそれなりの修正はできるだろう
「でもいいんですか?ダミーとはいえ渡しても?」
「問題ないさ、既に必要なものは得たからね」
「あぁ、後で存分にカズマから怒られてください」
・・・後で全力で失踪してやろう。でないと俺の命日になりかねん
「あ、逃げるの下手なのに逃げようとか考えないでくださいね。どのみち捕まるのが目に見えてるので」
「ぴえん」
逃げるの下手という現実から逃避するのもダメらしい・・・
同時刻、小松基地上空
「ちっ・・・!!よりにもよってふざけた装置を付けやがって!!」
律者の子が目を覚ました。よりにもよって律者としての能力も再開放する形で
だが、何か変だと察知して見ていると変な装置・・・おそらく外部から何らかの作用を発生させて操る装置を付けられたのだろう
注意して見れば、意識があるか怪しい目をしているのが分かる
「畜生、誰だこんな事をしやがったクソは・・・!!」
苛立ちを我慢できずそう言って、一瞬師匠の顔が浮かぶがあの人は自身の利にならないことは毛嫌いする質なので違うと判断する
ではあり得るとして海外勢力。最有力は白い組織。あちらなら高確率であり得る
「クソが!!だったらこっちも切り札使うしかないじゃねぇかっ!!」
そう言って俺は持ってきていた機体を見る・・・そして一気に萎えた
「嫌なんだよなぁ・・・女の身体で人前に出るの・・・」
そう、使う前に女性の身体である必要があるのが問題だった。原点では男性パイロットの機体だったのに、パワードスーツとして再現したら何故かこうなってしまったのだ。割と本気で理由が知りたい
「あぁヤダヤダ・・・本当に
そう言ってても事態は打開できない。仕方なく、本当に仕方なく!!切り札を使うしかない!!
「よし、行ける!!」
出たくないという感情を無視するように両手で頬を叩く形で気合を入れ、先を見る
律者の子が参加してくれている私設武装組織フェンリルの部隊へ攻撃を仕掛けようとした瞬間を狙い、間に攻撃を入れる形で双方の注目を掻っ攫う形で乱入した
「そこまでだ。と言いたいが君には聞こえないだろうな・・・」
「どういう意味だ?」
「操られてるのは分かるな?」
「そちらには倒せると?」
その問いに、私は答える
「倒すんじゃない、救うのよ」
あぁヤダヤダ・・・こちらだと思考パターンも女性よりになっちまう・・・
「変身」
その言葉と同時に機体を起動し身に纏う、同時にソードビットで攻撃を防御してプラットフォーム部に戻して再チャージ、大剣形態にして構えた
「来なさい、救われたいなら」
切っ先を向け、宣言する。攻撃がこちらに集中したのを捉え、全てを叩き壊す
「その程度のぬるい攻撃で私を倒せると思った?甘いわね」
粒子のチャージ完了まであと7分、それが終わればこちらの勝利だ
「遅い・・・それが律者とでも言うの?操られていたらその程度なのね」
「・・・」
自分のその発言に、初めて反応があった。自身の違和感に気づいたのだ
「そうか・・・」
その瞬間、付けられていた装置の両方に触れた
「この程度で、私を操りきれると思ったか・・・人類」
その呟きとともに装置を外した、そしてこちらを睨みつける
「殺してやる・・・!!」
「それが貴女の意志だとは言わせない!!」
叫び返すと同時にチャージが完了した。突撃してくる彼女の拳を受け止め、動きを止める
「この瞬間を、待っていた!!」
それと同時にクアンタムシステムを起動させて叫ぶ
「クアンタムバーストッ!!」
大量かつ高密度のGN粒子を放出し、さらに多くの人々の意識を拡張する機能。これの発動は律者人格が目覚めていることが必須だった
律者人格が目覚めてるということは、彼女の意識はまだあるということ。それであればクアンタムバーストの力で拡張した意識の認識する空間において話せるから
そして、自分の意識と彼女本来の意識が繋がる
「来ないでください・・・あなたも傷つけて・・・」
「それでいいのか?」
眼の前で蹲り、悲しい顔をしている少女に俺はそう言っていた
「このまま私が生きてたら・・・傷つけたくない人も傷つけてしまう・・・それならいっそ」
「それって誰なわけ?」
その問いかけに、彼女は押し黙った
そのまま話を続ける
「定まってもいない誰かより、今この世界で出来ることを考えてみたらいいんじゃないか?傷つけたくないのは誰だって一緒だ。話し合えれば、時間は掛かっても分かり会える。それが出来ないときに戦えばいい」
それが俺の持論でもある。師匠とはまるで異なる考えだ
まぁ、あの人はとりあえずぶん殴ってから考えるタイプの輩だし
「でも・・・私にどうしろって言うんですか!?自分で立って歩くことも出来なくされた私の事も分からな」
「分かるさ。俺はかつて、戦争の置き土産で重篤な障害を負い、移植されてからのリハビリで生地獄を知ったものをこの目で見ている」
これから語るのは俺が師匠と呼ぶ者の人生の一部だ。本人には聞こえないからいいだろう
「その人物は、たった一つの爆弾で自身の身体の大部分を・・・35%も失った。普通の人間なら即死だ、息をしていることだけでも奇跡を通り越した偶然だよ」
「つっ・・・」
その姿を想像したのか、顔が青くなる彼女を見つつ話を続ける
「失った部分を、同時に被害を受け死亡した親から細胞が死ぬ前に全てを移植され・・・あり得ない、起こり得ない偶然でそれが定着した。移されたのは皮膚だけではない。臓器の一部や筋肉、神経に至るまで出来ることの全てを、神がかり的な技術を持つ医者ですら、神頼みしながら手術した結果だ」
俺が当人の立場なら、親とともに死にたいところだ。まぁ、俺は親の腹から出てきたものではないためなんとも言えないが
「それ比べたら、君はまだ対処してリハビリすれば動かせるじゃないか。立ち上がるチャンスが、また歩き出せる機会があるじゃないか・・・それを自分から捨てるというのか?」
いつの間にか師匠が横にいた。どうやって入ってきたのか知らないがこの人はいつもこんなんだ
「それはあまりにも、無駄にならないか?君を損得なく助けようとする人達の努力が」
「そ・・・れは」
「君、それにも耐えられないならもう少し生きてみたら?そっちのほうがまだ建設的だろ」
「師匠、言い方くらい考えろ」
「わりぃな。俺の過去をちらっとお出ししたクソ弟子を止めるために来たんでよ」
師匠の発言は無視して俺は手を伸ばす
「ここから出よう?」
おずおずと出された手を掴み、まばゆい光の方へ連れて行く
そして元の空間に戻ると彼女を姫抱きにして離脱した
これから事態は一気に動くだろう。そのとき、この子に流れ弾が当たるのは避けたい
史上最大、6000文字!?の回!!
公開まで時間かかり申し訳ないです・・・