夏が終わり、秋も中頃に来ていた今日、自分は資料室に入っていた
「あ、グリフォーネさん今日お休みなんですか?」
「えぇ、M4さんも?」
「はい、今日はお休みです。あとはスケアクロウとICEYさんと・・・確か指揮官も今日は休みのはずですよ」
「え、指揮官にも休みあるんだこの基地・・・」
「心身の健康と過不足ない欲求の解消が一番という人ですから。たぶん今ごろワインかウイスキーでも買いに行って飲んでるのではないでしょうか?」
今日は休日なので一日、資料室という名の図書室でのんびり過ごすことにしたのだ
中に入るといたのはICEYさんとM4A1さんで、なぜかあるコタツ(指揮官の自作)で本を読んでいるICEYさんは、時折剥いてあるみかんを食べている
「しかしこの部屋、沢山ありますね・・・」
「元々は過去20年間の作戦資料を保管してあった倉庫を拡張して他にも本を詰め込めるようにして、快適に本を読めるスペースを追加したのが今のこの部屋なんです」
M4さんがこの部屋の成り立ちを説明してくれる
よく見たら窓側の机で資料のようなものを見ているスケアクロウがいた、相変わらず影が薄いの濃ゆいのかよく分かんないなこの人!?
「スケアクロウさんが読んでるそれってエネルギー機動性理論ですか?」
「えぇ、少し気になったので」
「あの双子に聴いたほうが早いと思いますよ?」
「整備を手伝わせようとしてきたので・・・」
「・・・あぁー」
本のタイトルを見ながら質問したらやはり当たりだった
この部屋に来る前に、詳しいであろうあの双子・・・フギンとムニンに聴きに行っていたようだが、二人の仕事に巻き込まれそうだったので逃げてきたようだ
「理論は見てだいたい分かるのですが、感覚的に何とも言えないものでして」
「あー、確かに・・・あまり関係のない私たちからしてみればワケワカメ、なんですが・・・ざっくりした説明なら出来ますよ」
そう言って自分は横に座り、ペンを2つ持つ
「左手を下ろすのと右手を上げるの、よりエネルギーを使うのはどちらです?」
「右ですね」
「早く動けるのは?」
「左で・・・あっ」
この質問でスケアクロウさんはなにか理解できたようだ
「相手よりエネルギーを持ちながら素早く動けるならば、撃破するのは容易である」
「えぇ、それを形式・数値化して理論として形にしたのがこのE-M理論なんですよ」
「博識ですね、グリフォーネ」
「こう見えて雑学知識だけは無駄にありまして・・・生活にあまり役立たないんですけど」
なんでかは忘れたが、生前の自分はこういった雑学知識だけは無駄に集めていた
生活にはこれと言ってあまり役に立たなかったが、その知識量は専門分野には劣るものの、肉薄するレベルに達してたほどだ
「ちなみにですが、このE-M理論を考え出したジョン・ボイドさんは他にもOODAループの基礎の構築や機略戦理論などの発案でアメリカ軍へ強い影響を与えました。アメリカに影響を受ける様々な国の戦略を転換させる事になったのは言うまでもありませんね」
「なるほど、さぞ豊かな生活を送られたようですね」
「それが意外なことに、非常に質素な住居に住んでいたんですよ。まぁそのせいでゲットー大佐と渾名されていたんですが。あと、給与に関してもほぼ無償に等しいレベルしか受け取らなかったそうですよ」
自分でもこれには驚いた、調べていくにつれてどんな人物なのか気になったほどだ
「それはまた・・・」
「驚きですよね、ホントに」
そう言って、私は隣で本を読むことにした
今回読むのは以前に入手した雑学の本だ
「とある噂を聞いたのですが、別の基地では銃に詳しい人物がラジオ放送をしているそうですよ」
「稀有な人もいるものですねー」
「貴女もしてみてはいかがです?指揮官も対抗してラジオ放送してみたいと言っていた時がありましたし」
「問題は中身なんですよね・・・」
そこに入ってきたのは意外にもICEYさんだった、私の横に座り、何冊か本を置く
「歴史的な作戦とか、雑学だけでも十分に足りると思う。そのラジオも放送時間、短いみたいだし」
「あーたしか長くても1時間は行かないとは聞きましたね・・・指揮官から許可もらえ・・・」
方に手をおいた人物がいたので振り返ると、指揮官がいた
しかも満面の笑顔である
「とびっきり高品質な放送機器を用意してやる、安心しろ」
「ア・・・アリガトウゴザイマス」
なんてことだ、こんなのがあって良いのか・・・
はい、次回より隔話でグリフォーネちゃんによるラジオ放送回が始まります!!